子供

@aiueo113456789

子供


本とうに冷たいな。

私わ雪を見てある日を思い出した。

二人わ楽しそうに今でも壊れそうなボロボロのビルで話しをしていた。

片方わ鈴を持っていた。

「どうしたのこれ」

「この子のお守り。まえ神社にいったとき買ったんだ」

そう言い近くにいる赤ちゃんにお守りを渡した。

「きっとこれでこの子はこれからも幸せになれるよ。」

私がそう言うと「そうだね。僕達と一緒にね。」と笑顔で相手わ言った。

私わ複雑な気持ちになった。

みんなどんな人にお守りを渡すだろうか。

そして少し経ちガチャとドア開く音がした。

私わ幸せなずっといたかった場所を大人の振りをして出て行った。

10年後此処でまた会うと約束をして。

その日は雪が降っていた。

だからだろうかとても体が冷たかった。


そしてその約束の日が今日だった。

私わその約束が忘れられず朝早く来てある人をいつまでも待っていた。

ある人わもう約束した時間をとっくに過ぎていたのだ。


もう待ちすぎて足が凍ってしまいそうだ。

私はまた時計を見た。

知らないうちにさらに30分も過ぎていた。

そうだよね。ある人わもう10年前した約束なんてもう忘れちゃってるよね。

新しい友達や好きな人ができたりして。

本当馬鹿みたい。

私わそう思い帰ろうと歩き出した。

少し歩き人が沢山いるところに出た。


ニュース

自殺しようとビルから飛び降りる。


そんな言葉がビルのテレビに流れた。

自殺した原因は不明。

父親不明。

そんなニュースを見ているとメールが来た。

私はきたメールをなんだろうと足を止めスマホを開いた。

メールは昔頻繁につかわていたがいまわ使われていない所に来ていた。

つまりある人からのメールだった。

「忘れてなかったんだ」

私はそれが嬉しくなり早くある人に返そうとメールを読んだ。

私はある人のメールを読み終わると赤信号など無視をして車にひかれそうになっても気にせずただ全力で走った。

そして何日か後病室に向かった。


私は病室に行く前4つの場所に行った。

まず始めは私が生まれた家だ。

私はドアノブを持ち開けた。

私はそして歩きリビングを見渡した。

「何も変わってないな」

確かあそこでいつもお父さんと一緒にギターの練習してたっけ。

確か、確かと辛くて幸せな思い出が私の中で重なっていった。


私はその頃泣き虫だった。

その頃じゃ無くて今もか。

まあとにかくだからちょとしたことで直ぐ落ち込んだり泣いたりした。

そんな私を周りの友達やお父さんお母さんがいつも一緒にいてくれて「大丈夫だよ」

と言い励まして泣き虫で何も出来ない私が困ったときいつも支えてくれってそばにいてくれた。

それがとても嬉しかったことを今でも覚えている。

私はそんな人が周りにいて幸せだった。

でもそれが大切なものと気づいたのはそれを失ってからだった。

私はその頃そういう人を鬱陶しいと思っていた。

だからあっちいってと蚊を払うかの様にそう冷たく接することが多かった。

でも私の大切な人はそんな生意気な私を受け入れ支えてくれたのだ。

だから幸せだった。

でもそんな夢みたいな幸せはいつまでも続かなかった。

お父さんがなんの前触れもなく交通事故で突然亡くなったのだ。

あまりに呆気ない死だった。

初めは嘘だと耳を疑った。

でもお母さんの悲しそうな表情をみてそれが嘘でわないことがわかった。

とても悲しかった。辛かった。

でもそれだけだった。

暴れたり自暴自棄にはならなかった。

冷たいと思うかもしれないけどお母さんが慰めてくれたり友達も慰めてくれたのだ。

だから自分を保つことが出来たはずだった。

お父さんがいない朝ごはん。

お父さんがいないリビング。

お父さんがいない家。

お父さんがいない-----。お父さんがいない-----。

時間が経つにつれてお父さんがいないという意味が分かりだんだんと苦しくなった。

いつもの優しい声がしなくて。

私はその声を聞くと安心して。

それを私は心から求めていたのだ。

私はお父さんといて幸せだったんだ。

お父さんの子供になれて幸せだったんだ。

お父さんにそれを幸せなことを伝えれば良かった。

お父さんは私といて幸せだったのかな。

お父さんは私がいなくなったらどんな顔をしたのかな。

泣いてくれたのかな。

お父さんと。

もう一度話したいな。

考えれば考える程お父さんと一緒にやりたいことやってあげたいことが溢れ出てきた。

大切なものはみじかなもので。

私を近くで支えてくれていて。

それが鬱陶しく感じることもあるけどそれは大切なもので。

私は大切なものを失ってそのことにはじめて気づいた。

もしも私がお父さんを大切な人と思っていたことに気づいてれば死ぬまえにありがとうといえたのに。

あのとき仕事に行くのを止めてれば。

私はもう無理だとわかりながら心の中でそう思った。

お母さんは子供の前では泣かないことにしているのか涙を堪えて私を慰めてくれた。

私はそれをみてかなしくなった。

何故なら私はお母さんが夜一人で泣いていることを知っていたからだ。

夜寝るとき私の隣のへあでお母さんが「どうして死んじゃうの」と泣いているのが聞こえてきたのだ。

私はお母さんを慰めてあげたかった。

でも出来なかった。

だって私はお母さんを慰めてあげられるそんな言葉を知らなかったのだ。

だから私はお母さんが泣いているのをただ聞くことしか出来なかった。

そんな何も出来ない日が何日も続いていたのだ。

だから慰めてもらうと慰めて欲しいのはお母さんのほうなのにと。

そう思い罪悪感を感じ余計に涙が溢れ出てきた。

でもお母さんは決して私の前で弱音を吐くこや泣くことはなかった。

少しは弱い所を見せていいのに。

辛いなら辛いって言っていいのに。

私はせめてと思いお母さんを優しく抱きしめた。

その日は雨がひどく雨の音がいつも以上にうるさかった。


お父さんが死んで学校は休みになるわけがなくお父さんが死んでも学校はあった。

私はお父さんが死んでそれがショックで正直あまり学校に行くきがでなかった。

でも私はお母さんに心配をかけたくなかった。

だから私は学校に行くことにした。

学校に着くとお父さんが死んでも学校の皆んな変わらず笑っていた。

でも私は笑うことが出来なかった。

お父さんが死んだからだ。

その後話しかけられても愛想笑いをすることはあっても心から笑うことはなかった。

私にはそれが周りに人がいるのに一人ぼっちみたいで寂しかった。

そして友達の何人かはその演技に気づき死んだのは何日も前なのにどうしてまだそんな落ち込んでるのと言った。

私はそれが辛かった。

私はその後友達と釣り合わず一人になっていった。

私は学校が終わり家に帰った。

前まで家に帰ると宿題をやるまえにギターの練習をしていた。

そして先に宿題やりなさいと親からよく怒られることがあった。

それなのに今の私にはギターを弾く気がおきなかった。

気分転換で弾いたこともあったがつまらなかった。

最近はやること全てがつまらなく感じる。

そしてなにもやる気が起きない。

でも嫌なことばかり考えてしまうので何かしていなければどうにかなってしまう。

だからアニメや動画などを見た。

面白くもつまらなくもなかった。

そして私はもう一つやっていることがあった。

それは家に帰るとぽっかり空いた心の穴を埋めようと何回もお父さんの写真などをアルバムを取り出し見返していることだ。

最近の私の習慣だ。

それを見てる時だけは確かに私の心を埋めてくれていた。

でも終わった後は悲しくなるだけで心は埋めなかった。

お父さんの気づかなかった優しさを感じてしまい思い出し優しさが牙をむき苦しくなった。

昔は優しくしてくれて嬉しかったけど、でも今でわ私を本気で殴ってくれたらこんな苦しくなることはなかったのにと本気でそう思ってしまう。

そしてそんな日が何日も続いた。

するとお母さんが青あざをつけ遅く帰ってくる様になった。

私はお母さんがどうして疲れて青あざをつけ帰ってくるか心配で何回も聞いた。

でもお母さんは「ありがとうでも心配しなくて大丈夫だよ」と言いごまかし答えてくれなかった。

私は怖かった。

体と心がボロボロでお母さんも何処か行ってしまいそうな気がして。

寂しかった。

嘘をつかれお母さんとなかなか話す時間も前より少なくなりそれが一人みたいで。

だから私はお母さんの後をつけることにした。

私はお母さんに「いってらっしゃい」と送り窓からいったのを確認しドアを開け走ってお母さんが見える位置につき後をつけた。

お母さんは時間を気にしながら駅に向かい歩いていた。

そしてお母さんは駅につき駅の椅子に座り分厚い専門書を読み始めた。

私は見つからないぐらいの距離をとりお母さんを観察した。

観察をしていると不思議なことを発見した。

それわ読んでいるジャンルがお母さんの好きなジャンルではなかったことだ。

そういえば本棚にはいってる本もほこりがかかっていた。

そう不思議に思っていると電車がきてお母さんは本をカバンにしまい電車に乗った。

私も電車に駆けこんだ。

そして出発します。というアナウンスが流れ電車は出発した。

ここは無人駅で全然乗る人がいなく気づかれるためお母さんと同じ車両ではなく隣の車両に乗った。

そして車両と車両のドアの窓からお母さんを観察した。

お母さんはまたいつも読んでるジャンルではなく専門書を読んでいた。

そして静かに電車は目的地に向かっていた。

目的地に近づく程人が乗ってきた。

都市に近づいているのだ。

そしてお母さんは電車の中の人混みをぬけてなん駅めかでおりた。

私もお母さんがおりたのを見ておりることにした。

すると人混みに押されお母さんのポケットに入っていた手帳が落ちるのに気づいた。

私はそれを拾い電車をでてお金を払いお母さんの後についていった。 

そして私は手帳を見た。

私はこの手帳に見覚えがあった。

お母さんは昔人と話すのが苦手だった。

だからお父さんはお母さんが手帳を使ってるところを見て手帳のメモのところでやりとりをしていた。

今ではお母さんも人前で喋れるようになったけどお母さんは今でも大事そうにメモやスケジュール帳として使っていた。

私は手帳の内容を聞いたことはあったけど見たことがなかったので気になり最近書かれたところをみた。

「-----」

「お母さんごめんね。

私が何もしてあげられなくて」

私はそう謝った。

私のせいで。

いま思えばお父さんが死んで落ち込んでるのに明るいことなんて書かれているはずがなかった。

いつもボロボロに帰ってきたりするというのに。

そしてお母さんは駅を出て駅の近くの美容室に入っていった。

本当はお母さんがボロボロで帰ってくる理由が手帳に書いてあってわかった。

だから帰っていいけど手帳を家で返すと怪しまれるのでお母さんにこっそり返すことにした。

そしてお店に入ると気づかれるのでお店のガラスからお母さんを外から観察した。

お母さんは仕事着を着て働きはじめた所だった。

そして私は外からお店に入って手帳をこっそりカバン入れ返す機をうかがっていると少し年をとってるおばちゃんの店員は不審な私に気づいたらしく手をあおいでこっちにこいと指示した。

私はお母さんが控え室みたいな所にちょうどいったため私はお店の中に入った。

おばちゃんの店員は「どうしたんだい」と私に聞いた。

私は手帳をだした。

「これをお母さんに届けにきたの」と嘘をつく必要はないので素直にそうこたえた。

さらに「こっそりきてるから私がきたこと内緒ね」と私はそう言った。

おばちゃんの店員はそれを聞くと手帳の名前を確認して受け取り名前を聞きせっかくきたし髪を切ってあげるよと言った。

「私は大丈夫」と言ったがおばちゃんの店員は遠慮しないでおくれといい早く帰りたい私の意思を無視しておばちゃんの店員は私を強引に座らした。

そのとき「いらしゃいませ」と言う声が店内に響いた。

どうやらお客さんがきたようだ。

私はこのへあの店員が髪を切っていて手が空いていないことに気づいた。

私はとても嫌な予感がした。

そのときおばちゃんの店員も周りを見て切る人がいないことに気づいた。

そして「人手がたりないから手伝っておくれ」とおばちゃんの店員は言った。

「はい」そう言い。お母さんは控え室みたいな所から出てきた。

「お待たせしました。こちらにどうぞ」そう言いお母さんはよりによって私の横にお客さんを座らせた。

そして私が切られてる横でお母さんはお客さんを切りはじめた。

私とお母さんは壁紙で仕切られてるだけだった。

つまり私の嫌予感は見事的中したのだ。

どうしよう。

どいしよう。

スーハスーハと私は焦ってるのを落ち着かせようと大きく息を吸って吐いた。

大丈夫。絶対きずかれないから。  

そう自分になんの根拠もなく言い聞かせた。

「どうしたんだい」と私の謎に感じたであろう深呼吸を見ておばちゃんの店員はそう言った。

「なんでもないです」

私は少し変な目で見られて恥ずかしがりながらそう答えた。

「そうかい」

おばちゃんの店員はそのあと話しを繋げようとしてか好きなことはあるのかいと聞いてきた。

私ははじめあまり話す気にならなかったけど久しぶりに好きなことの話しができ嬉しくなり気づいたら自分から大きな声ですごい喋っていた。

するとお母さんとお客さんの会話が聞こえた。

私はそれを聞いて少し暗くなった。


お母さんは髪を切るのが終わりシャーンプに取り掛かろうとしていた。

しかしシャーンプはプシュと変な音を出すだけで泡は出なかった。

お母さんは困りながら「シャーンプがないんですけどそっちにありますか」そうおばちゃんの店員に聞いた。

その言葉を聞いてお母さんはシャーンプを貰おうと私の席にむかってきた。

私はその言葉を聞いてどうしようもなく焦った。

まずい。

どうしようこっちにきたら私がいることを気付かれる。

そしたらどう言い訳をしよう。

手帳渡したの私だし。

手帳見たことバレるよね。

髪を切ってもらってる途中だからここから逃げれないし。

どうしよう。どうしよう。どうしよう。

そう考えてる間にコツコツと少しずつ確実にお母さんは近づいてきた。

私は頭をフル回転させた。

どうしよう。どうしよう。

もうわからないしこんなのどうしようもないじゃん。

私がそう考えて絶望してると。するとガシャンーーゴロゴローーーーと大きな音が周りに響いた。

その音は掃除してた人がほうきを落とし転がった音だった。

掃除してた人はすいませんと謝り掃除を再開した。

お母さんはそのことに気づくとほうきを落とした人を見てたのをやめ私にまた近づいてきた。

コツコツと確実に。

1歩1歩と近づき。

どうしよう。もうすぐでお母さんがくる。

私は思わず頭を抱えた。

そしてお母さんの足は壁紙を越え私が髪を切ってる所で足が止まった。

お母さんは私の椅子の後ろに立ったのだ。

お母さんはどう思ったのだろうか。

私の姿を見て。

私は頭が真っ白になりなにも考えられなくなった。

お母さんはなにも言わなかった。

「シャーンプだよ」おばちゃんの店員は無言のお母さんにそう言い渡した。

多分次くる言葉は「どうしてここにいるの」だ。

私は拳を強く握り覚悟をきめた。

そしてお母さんは口を開けた。

「ありがとうございます」

え?

そう言いシャーンプをおばちゃんの店員からもらいここからなにもなかったようにさっていった。

私は驚いた。

「ありがとうございます」と全く想像していなかったことをお母さんはいったからだ。

お母さんはこっちに気づいてないのだろうか。

少し考えわかった。

どうやら椅子が大きく私のことが見えてなかったようだ。

私は息を吐き安心した。

よかった。

おばちゃんの店員と話してたら急にきたからびっくりした。

あれ?

でも隣で話しをしてたら横なんだし普通聞こえているような。 

私はとっさにお母さんのほうをむき話しを大きな声でしたことを後悔した。

私って馬鹿なのかも知れない。

きっと私がこんな馬鹿じゃなければ簡単に幸せになれたんだ。

私はそんなわけわからないことを言った。


私は美容室からお母さんとなにも無いままでて電車に揺られ窓から見える景色を見ながら帰っていた。

暗く遅い時間だからだろうか全然ひとはのっていなかった。

静かでいつも見慣れた景色がいつもより暗く見えた。

私は窓の景色を見ながら今日の美容室の出来事を思い出した。

思い出したのはお母さんとお客さんが話しをしているところだ。


「ねえ結婚指はつけてるってことは結婚してるの」お客さんがそうお母さんに聞いた。

「はい結婚しています」

「へぇていうことは子供いるの」

「はいいますよ。

一人っ子ですけど」

「どんな子なの」

「とても優しくていい子で私の自慢の子なんですよ」

お母さんは微笑みそう言った。

「でもだから私は不安なんです。

いい子だからお父さんが死んだあといっぱい傷ついちゃてるのにそれでもあの子は無理して私のことを励まそうとしてくれて。

それでさらに傷ついちゃって。

でもそんな子どもだからお父さんのぶんも頑張ってあげないとそう思うですけどね」

お母さんは少し暗いトーンでそう言った。

私も暗くなった。

違うよお母さん。

私はそんな人じゃない。

それにそれは私じゃなくてお母さんでしょ。

そして私は電車の中で拾った手帳の内容を思い出した。

お母さんの手帳にはすごい数のスケジュールが書かれていて休みなく朝三時から夜十時まで働くものだった。

そしてヤクザなどの反社会勢力からお金を借りてることがわかった。

そしてメモにはこう書かれていた。

今日愛する人が死んだ。

とても弱いグチャグチャの文字で。

私はそのことを病院からの電話ではじめてそれを知った。

私ははじめはなにかの間違えじゃないか。と私はあまりに愛する人が死んだという実感がなく信じたくなく本当にそうなのかと電話の相手に聞いた。

でも電話の相手からはお気持ちはわかりますが事実です。とそう言われた。

私はそのあと病院の人に念のために遺体を確認しにきて欲しいと言われ私は病院に向かった。

そして私は病院に着くと看護師に一つのへあの前に無言で案内された。

すると「覚悟はいいですか」と看護師はドアノブを持ち聞いた。

私はカバンを握りしめうなずいた。

すると看護師はゆっくりとドアを開けた。

そこは真っ白なへあだった。

そして真ん中のベッドには愛する人の遺体があった。


私は今日お父さんが死んだことを子供に伝えた。

親として子供を引っ張れるように。

できるだけ悲しい顔をせず。

そしたら子供は辛そうな目をした。

そして辛いことはそれだけでは終わらなかった。

私は家の仕事をしていたので家のお金はほとんど愛する人が稼いでお金を出していてくれた。

だから愛する人が死んで子どもの学校のお金やご飯代などがあってお金がたりなくなった。

そしてそんなじょうきょうが日を経つほど酷くなった。

私はでもそれなのになんの気力もわかなかった。

餓死しても本気でそれでもいいと思った。

そんな私が嫌だった。

でも何も出来なかった。

そんなとき私はまだ辛そうにしてる子供を見て慰めようとした。

でもなぐさられたのは私だった。

子供は私を抱きしめて慰めようとしてくれたのだ。

子供には私が辛い思いをしていることがわかっていたのだ。

その時だこんな子供は大きくなり自分が辛くても人を思いやれるほど優しくなり強くなっていたことに気づいたのは。

それなのに私は。

私はこの時覚悟をきめた。

もうこの子に辛い思いさせないようにお父さんのぶんまで頑張ろうと。

もうそこからは反社会勢力にお金を借り蹴られたりして青あざが出来たりしたけど我慢しほかにも沢山働いて少しでも時間があるとき好きな小説を読むのを我慢し専門書を読んで少しでも良い給料の仕事が出来るように努力した。

これは全て我が子の為そう思うと何も辛くなかった。


「お母さんごめんね」

私はその手紙を見てお母さんばかりに辛いことを背負わせていたことに気づき胸が苦しくなった。

私はお母さんの為になにが出来るの。

何をしてあげれるの。


私は大きな箱を持ちお店にむかいお金を作る為にものを売ることにした。

店員の人は私の持ってきたものを箱を開け一個一個確認し始めた。

そこにはいつも使ってるギターもあった。

このギターは私がテレビを見てギターを弾きたいと言ったらお父さんとお母さんが二人でお金を出してくれて特別な日じゃ無いのに買ってくれてそれが嬉しくずっとギターリストになろうとお父さんと必死に練習していたそんな思い出深いギターだ。

「これがお売りになった物の合計金額になります」

店員はそう言い私の手に思い出がお金に変わり返ってきた。

「たったこれだけしか価値が無いんだ。

こんな大切な思い出なのに」

こんな胸が苦しいのに。

私はそう言いそう思いお店から出て行って家に向かった。

ギターのことを考えないようにして。

そして私は家に帰って靴を脱ぎリビングに向かった。

するとドアの音でお母さんが気づき私の方にきた。

「おかえり、どこにいってたの」

「ちょっとコンビニにお菓子を買いに行ってたんだ」

「そうなんだ」

「所でさ昨日美容室に来たでしょう」

私はそのお母さんの言葉を聞き驚いて足を止めた。

やっぱし気づいてたの。

そう思いお母さんに探りを入れた。

「どうして」

私はお母さんの方を見てそう聞いた。

「おばちゃんの店員が子供が来てたよて言ってたよ」

「そうなんだ」

「ちょっと髪が長いから切ろうと思って」

「そうなの、言ってくれたれよかったのに」

「ううん、もうすぐ大人だからそれぐらい自分で出来ないとだめでしょ」

お母さんはその言葉を聞き心配そうに言った。

「そう、それならいいんだけど。

それと帰ってきてから元気ないけど大丈夫」

「そんなこと無いよ」

私は無理に明るくそう言った。

「ならいいんだけど何かあったら言ってね」

「わかった」そう言い私はこの後用事があったので腕時計を確認した。

「やばいもうこんな時間だ」

私はそう言いまた靴を履きドアを開け出ていった。

「え、帰ってきたばかりでしょ」

お母さんはそう言い驚きながら私を見ていた。

私はあばらがいたのを抑えながら走りバイトにむかった。

そして次の日も次の日も。

ほとんどの時間バイトをしていた。

学校がある時は学校に行っていると時間が少なくどうしてもお金が足りなかったので学校にはお母さんに行くフリだけで実際には行かなかった。

そんなことを私は繰り返した。

そんなある日私は家で金髪の男がいるのに気づいた。

金髪の男はお母さんと話していた。

「まだお金は用意できてないんです。

だから待ってください」

「今回だけは許してやる足りないお金も少しだけだしな」

「お金なんてそんなに払ってないですよ」

お母さんは驚いたようにそう言った。

でも金髪の男がそれに答えることはなかった。

「でもつぎは覚悟しておけ。

これは優しさだ。

なんだってつぎは兄貴がくるんだからな

まあせいぜい死なないようにな。」

金髪の男はそう言い立ち去った。

お母さんが知らなかったお金というのは私がこっそり払ったお金だろう。

でもバイトとものを売っても足りないのか。

もう売れるものはないし。

つぎどうすれば。

そして雨が雪に変わり雪が降り始めた頃いつものようにバイトから帰ってきて帰るとお母さんに真剣な顔で呼び出された。

「お母さん真剣な顔してどうしたの」

お母さんは真剣な顔を崩さないままだった。

私はそれがいつも怒るときの顔と分かっていたので怖かった。

私はお母さんの前に静かに座った。

お母さんは口を開けて喋り始めた。

「学校から電話がかかってきたの。

最近学校に来て無いんですけどどうしたんですかって。

どうゆうこと学校に行って無いって。

じゃいつもどこに行ってるの」

そうお母さんは強い口調で言った。

「それは-----」

私は怖く上手く答えられなかった。

それに苛立ってるようにお母さんは「何処いってるの」と強い口調で聞いてきた。

「お母さんこそ-----」

私はポツリとそう呟いた。

私は続きを言おうとしたけど怖くなりドアを開け思わず家から出て行った。

お母さんは驚き止めようとしたけど私を掴んで止めることは出来なかった。

私は怖かった。

お母さんとぶつかって嫌われるかもしれ無いことが。

関係が壊れるかもしれないことが。

だから私はボロボロになってる理由に気づいたときお母さんと話し合いではなくお母さんにバレないあんな周りくどいやり方で救おうとしたのだ。

私は家を出て走っていると駅に着いた。

走って疲れていたので私は駅の近くのベンチに座ることにした。

「どうしたの落ち込んで」

落ち込んでいると前お母さんに美容室で切ってもらっていたお客さんに話しかけられた。

私は何も答えなかった。

お客さんはそれを見て何か考えた。

「もしかしてお母さんと喧嘩でもしたの。

いや、しそうになって逃げてきたの」

私は自分のことをぴったし言い当てられお客さんのほうを思わず見て驚いた。

「どうしてわかったんですか」

「なんとなくそんな感じがしたからかな」

お客さんは苦笑しながらそう言った。

「でもお母さんと仲良いんだね」

「仲良いんですか。

喧嘩したのに」

「仲良くなかったら本気で怒ったりしないでしょ。

興味ないから何されても別に怒ったりしないでしょ。

怒るってことはその人のことをそれぐらい信頼したり思ってるって言うことだよ」

そしてお客さんは下を見てどこか遠くを見るように言った。

「じゃひとつのお話しをしてあげるね。

題名はそうだな。

紳士な道化師」


彼は優等生でした。

運動も勉強も何もかも出来ないことはないのではと周りから妬まれ、煙たがられ、嫌われていました。

社会は完璧人を求めていても人は不完全な人を求めていたのです。

彼はそのことに酷く傷つき道化を演じることにしたのです。

彼はまず人の考えを全て共感するようになりました。

そうすれば人に嫌われないから。

彼は周りに合わせるようになりました。

そうすれば人に嫌われないから。

彼は人を大袈裟に褒めるようになりました。

そうすれば人に嫌われないから。

こうやって優等生は周りの人に都合の良い人物になり自分を偽り見事人気者になったのです。

でもある日自分の笑顔を鏡で見て一つ疑問が浮かびました。

本当に自分は笑っているのだろうか。

楽しいと思っているのだろうか。

いや自分の人生は偽りだらけで何も面白とは思っていないんだ。

そのことに優等生は気づき道化を演じるのをやめようとしたのです。

でも道化を演じてしまった以上周りに嘘をついたと思われるのが怖くなかなかやめることができませんでした。

一人になるのが怖くて出来ませんでした。

結局優等生は一生道化を演じ続けるのでした。

ある人に会うまでは。


お客さんは話し終わると私は見ながら言った。

「仲良いから喧嘩したくないのはわかるけど。

でもそうやって自分のことを隠していても面白くないでしょ。

ぶつかって、傷つけて、傷つけられて、喧嘩した人も自分も相手の気持ちがわかってそれでも一緒にいたいと思える人生で会えるかも分からない限り少ない自分のことを伝えられるのが大切な人でしょ」

「でも私お母さんに嫌われちゃうかも知れない」

「確かに嫌われちゃうかも知れないでもそのまま苦しむよりいいんじゃない」

お客さんは笑顔でそう言った。

私はその通りだと思った。

嫌われることを恐れて逃げてばかりじゃダメだよね。

私は椅子から立ち上がった。

「もう行くの」

お客さんは私を試すようにそう聞いた。

「家に帰ってしっかりお母さんと話しをしたいのでもう帰ります。

本当にありがとうございました」

私はお客さんにお礼を言いその場から立ち去った。

でも私はお客さんに一つ聞きたいことがあったので私は振り返った。

「どうしたの。

家に行くんじゃ無いの」

「さっき話してくれた話しってもしかしてあなたのことですか」

お客さんはそれを聞いて意地悪そうに「さあ」と言った。

そして次振り向いた瞬間にはその人はそこにはいなかった。

私はそのあたりまえの光景に少し悲しくなった。


周りの人に合わせようと流行りの恋愛ものをみた。

映画館ではみんな周りで泣いていた。

でも僕は泣けなかった。

失恋とはどんな感じなのだろう。

人を好きになるとはどんな感じなのだろう。

愛されるとはどんな感じなのだろう。

僕にはわからず共感が出来なかった。


私は少し歩き家の前に着いた。

私はドアノブに手を置き深呼吸し勇気をだし開けた。

玄関にはお母さんが待っていた。

「何処行ってたの。

心配したじゃない」

お母さんはそう言い私に急いで駆け寄った。

「ごめんなさい」

私がそう言うとお母さんは微笑み。

「おかえり」

そういつものように言った。

「ただいまお母さん」

私もそれを聞きいつものように返した。

「-----」

怖いでも勇気を出さないと何も変わらない。

私はそう思い拳を強く握りしめた。

「ねえお母さん」

「どうしたの」

「お母さん私に隠してることあるでしょ」

「隠してること」お母さんはとぼけるように言った。

私はそれを聞いて悲しくなった。

どうして私に言ってくれないんだと思ったからだ。

「お母さんはなんでいつも体がボロボロなの。

身体中に青あざがあるの。

ねえどうして」

「それは-----」お母さんは困ったように声が小さくなった。

「知ってるよ。

お金がないんだよね。

私の為にボロボロになるまで働いてくれてるんだよね。

頑張ってくれてるんだよね。

知ってるよ。

お母さんがそのせいで辛い思いをしてるんだよね。

でもどうして私に相談してくれなかったの。

お金が無いって。

辛いって。

どうして。

子供だから。

相談しても意味ないと思ったの。

お母さんいつも言ってたよね。

幸せをわかち合うのが家族じゃ無くて。

苦しみを一緒に乗り越えて幸せになるのが家族だって。

私だってお母さんの役にたつよ。

いや立たせてよ。

私はお母さんが苦しんで泣いてるところを見ても。

弱い所を見ても嫌いになんてならないよ。

私にお母さんの心の声を聞かせてよ」

私の口からだんだん心にためていた本音があふれでてきた。

「お願いだから私のそばにいてよ。

置いて行かないでよ。

私を一人にしないでよ」

私はお母さんに本心をぶつけた。

お母さんは黙っていた。

私はそれが怖かった。

しかし私の心配に反してお母さんは微笑んだ。

「そんなこと思ってたんだ。

ごめんね気づかなくて」

それを聞いて分かってくれたんだと思い思わず私も笑顔になった。

ピーポン

そのときインターホンが鳴った。

「誰だろう」

お母さんはそう言い玄関に向かった。

ガチャ

ドアが開いた。

「お金は準備できましたか」

「まだ出来ていません」

「そうですか。

困りましたね。

どうするんですか」

「次は絶対払います。

だからもう少しだけ待って下さい。」

「待ってろ。

随分偉くなりましたね」

「そんなことは」

「うるさい口答えするな」

バン バン 

そこからお母さんの声が聞こえなくなった。

私は不安になりお母さんの所に向かった。

そして私が目にしたのは思いっきり地面に転がってるお母さんを何回も蹴っている男だった。

お母さんは生きようと必死に悶えていた。

男は蹴るのをやめお母さんの必死さを見て笑った。

そしてまた笑いながら蹴り始めた。

雪が赤く染まっていった。

私はその光景に足が震えた。

そして男はまだお母さんをを笑いながら蹴っていた。

私は震えながらもお母さんのほうに走った。

そして私は男にお母さんを守るようにお母さんの前に出た。

「なんだお前」

「これで許して下さい。

もうお母さんを蹴るのをやめて下さい」

私は震えながらこの歳でそんな大金を持っていることが異常な量のお金を男の前に差し出した。

私が働いて得たお金だ。

男はそれを静かに受け取った。

男はそれを見ると嘲笑った。

「これだけか。

まだ足りないな」

そう言い男は私を蹴った。

私は蹴り飛ばされた。

「本当可哀想だね。その年でお母さんが無能だからこんなお金を頑張って集めたんだね」

そう言い男は何回も私を蹴った。

私はお母さんは無能じゃないと言い返そうとしたが蹴られているので無理だった。

少し経ち男の足は止まった。

ボロボロで立てないお母さんの弱い手が止めたのだ。

「その子は関係ありません。蹴るなら私を蹴ってください」お母さんは今にも消えてしまいそうな声でそう言った。

「お母さん」

私がそう言うと男はニコッと笑い。

「そう、ならそうさせてもらうよ」

そう言い男はお母さんを思いっきり蹴った。何回も。ドス、ドスと。

私は男の足を掴み止めようとした。

でも力がはいらず男は蹴り簡単に解いた。

「もうお願いやめて」

私はそう言ったでも男はそんなこと関係なく蹴った。

そして少し経ち男は蹴るのを飽きたのか帰っていった。

私は最後の力でお母さんに近づきお母さんの手を握った。

お母さんの手は冷たかった。

でも不思議と安心した。

私は血に染まった雪を見てこのまま死んでしまうのかと思った。

でも悲しくはなかった。

この世界に生きたいわけではない。

このままお母さんと死ねるならそっちの方が幸せかも知れない。

あっちにはお父さんもいるし。

きっとお母さんも私も昔みたいに笑うことができるようになるから。 

きっと笑ってくれるから。

そうでしょお母さん。

私の意識はそこでポツリと切れた。


私は子供を助けたかった。

私は雪が降り積もりそこに埋もれ意識が消えた。

意識が途切れる瞬間私はボロボロで雪に埋もれている子供を見た。

私は子供を助けたかった。

いや違うか。

私が本当に助けたかったのは自分なんだ。

愛する人が死んでどうしようもなく辛い。

お金を沢山稼ぐことが出来ない。

子供を慰めてあげられない。

私はそれをどうすることの出来ない自分に対して言い訳をした。

向き合わないための言い訳を。

頑張って仕事をして何もしていない訳じゃないんだよって。

子供のために頑張ってるんだよって。

私は言い訳をした。

これは仕方のない、どうにも出来ない事で私の無力が原因じゃないと。

そして誰かに言われたかったんだ。

なら仕方ないね。って。

そして自分もそう思いたかったんだ。

私は悲劇に酔いしれていたんだ。

だから手帳にあんな物語り見たいのを書いたんだ。

本当は子供の為じゃないのに。

子供は苦しんでるのに。

そばにいて欲しいと思ってるのに。

そんなことに気づかず子供のためにと言い言い訳をした。

その証拠に私はおばちゃんの店員に言われるまで子供がいることに気づかなかったのだ。

子供の声は聞こえたのに。

自分のことに必死になって耳を傾けなかった。

本当にごめんね。

言い訳ばかり得意で逃げることしか出来ないこんな親で。


私は目を覚ました。

場所は救急車の中だった。

私は怪我をしたぐらいで大丈夫だったが私をかばったお母さんは重体だった。

簡単に言うともうすぐ死んでいきそうなぐらいお母さんは弱々しかった。

そしてお母さんはこっちを安心した顔で見ていた。

「ごめんね。なにもしてあげられなくて。

お父さんが亡くなって辛い思いをしてるのにお金を稼ぐことに夢中であなたの心の声を聞いてあげられなかった。

寂しい思いをしてるのにそばにいれなかった。

母親失格だね。

ごめんね。こんなダメな親で」

私はそれを聞いて悲しくなった。

お母さんに自分のことをそんな風に言って欲しくなかったのだ。

「そんなこと無いよ。お母さんは私のために頑張ってくれたよ。

私を何度も救ってくれたよ。

だからそんな風に言わないで。

自分を責めないで」

「ありがとう」そう言いお母さんは涙を流した。

そして私は願った死なないでと。

「あなたが私の子供で本当によかった。」

「私も子供になれてよかった。」

私は泣いた。お母さんの体温が冷たくなっているのだ。

「泣かないで。

そんな顔しないで。

最後ぐらい笑って送り出してよ」

私はそれを聞き笑おうとした。

でも上手く笑えなかった。

最近笑ったことがないから笑いかたを忘れたのだ。

お母さんはそれを見て悲しそうな目をした。

「大丈夫いつか笑えるようになるから。」

そしてお母さんは言った。「最後に私のわがまま聞いてくれる」最後の言葉を伝えるように「幸せになってね」そう願い。

お母さんは死んでいった。

私はそれを見てただ泣くことしか出来なかった。

きっとお母さんはお父さんとあって幸せになってるそう私は信じて。

そして日が沈んだ。

お母さんが死んでから1日が経った。

私がいる所は周りには人がいなく静かな所だ

った。

どこで聞いて知ったかわからない歌を口ずさみながら。

それは明るい歌ではなく。

くらい歌だった。

どうゆう意味が込められているかわからない歌詞を借りて自分なりの今の気持ちを込めて歌った自分だけの歌だった。

鳥たちはそれに答えるように歌った。

ずっと歌っていると足は雪で冷えて感覚がなくなっていた。

私はそれに気づかず悲しみを紛らわせる為に歌い続けた。

何時間歩いただろうか私はだんだん意識が途切れ雪に埋もれた。

雪はとても冷たかった。

その時どこからか私と似た寂しそうな歌が聴こえてきたのは気のせいだろうか。


私は二つ目の寄り道をした。

そこは昔栄えたが今は人はいなくボロボロのビルが立ち並んでいてその雰囲気からお化けがでる噂があったり自殺スポットとしても有名だ。

そして私は一つのボロボロのビルに入った。

私はここである人(青年)と出会ったのだ。


「ここは」

目が覚めると私はそう言いボロボロの毛布をどかし座った体制で目をこすりここはどこだろうと周りを見た。

目の前にはストーブが置かれていた。

「起きたんだ」そう言い目の前には青年がコーヒーカップを持って立っていた。

「あなたは私が雪に埋もれてる所を助けてくれたんですか」

「そうだよ。

でも驚いた。まさか人が雪に埋もれてるなんて」

そう言い青年はあったかいココアを私に差し出した。

私はコップを持ちココアを飲んだ。

ココアはあったかかった。

それから私は青年と話した。

私の好きな歌の話しをしたりした。

そして私は青年の家族の話しを聞いた。

それはいつも笑顔で絵に描いたような家族だった。

もしかしたら私にやったことは青年がやって欲しかったことなのだろうか。

そして少し暗くなってしまったねと青年は話しを変えた。

青年との時間は私の孤独を埋めてくれるような楽しい時間だった。

そして私は青年がいる所に今日だけではなく何度もきた。

そしてある日お母さんの死んでしまった所に花をおいた。

「私が弱いせいでお母さんを守ってあげれなくてごめんなさい」

そして何日か経ち辛かったことを言えないまま私達は椅子に座り話をしていた。

その時ビルのとびらが開く音が聞こえた。

そして聞き覚えのある声を聞いた。

青年は誰だろうと2階にいたのを降り一階のビルのとびらに向かおうとした。

私はそれをとっさに腕を持ち青年を止めた。

「どうしたの急に止めて手も震えてるし」

私は青年にそう言われてもはなにも言えず誰かが階段を登ってきた。

「やっぱしいた。

早くお金を返して貰おうか」

誰かはそういいついに目の前に出てきた。

私はさらに体が震えた。

お母さんを死に追いやった男がそこにいたのだ。

「お金ってなんのこと」

そう言い青年は腕を掴んでる私を見た。

「お金なんて返せる金額は持っていません」

「じゃどうするんですか」

「それは-----」

「本当に家族そろって舐めてるのか」

そう言い男は私に殴りかかってきた。

青年はそれを庇い男の攻撃を受けた。

あまりの痛さに青年は床に座りこんだ。

青年は男のほうを見ると立ち上がった。

「お金ていくら返せばいいんですか」

そう言った。

「とりあえずこれぐらいかな」そう言いお母さんとの契約書をみせた。

そこにはものすごい金額が書かれていた。

「まあこんなお金払えるわけないけどな」

そう男の人は意地悪そうにいった。

「わかりました。

これでいいですか」

そう言い青年は近くのカバンから膨らんだ封筒を取り出した。

男は驚きながらそれを受け取り中身を確認してでていった。

私は男がいなくなるのを見て安心してその場に座りこんだ。

「大丈夫?」と青年は言った。

「ごめんなさい。

迷惑かけて。

お金を借りてたのは。

えっとそれは」

私は謝ったり昔なにがあったか言おうとし頭の中がぐちゃぐちゃになった。

「落ち着いて。

聞かないほうが君が幸せなら無理には聞かないから。

話したくなったらそのとき話して待ってるから。」

そう青年は言った。

私は落ち着き話したいことを整理してから青年に話した。

お母さんとお父さんが死んだことお金がなくギターを売ったことを話した。

しっかり整理したはずなのに感情的になってしまいうまく伝わったのかはわからない。

でも青年は聴き終わると無責任に頑張ってとは言わず。

「頑張ったんだね。

だからもういいよ。

全部君のせいじゃないから。

だから自分を責めないで。

もう大丈夫だから」

そう言い青年は私を慰めてくれた。

私はそれを聞き涙が溢れてきた。

その後も青年と音楽の話しをしたりふざけあったりし私はその日常に楽しく心から笑った。

そしていつものように遊んでいると私は雪に埋もれてる一人の小さな赤ちゃんを発見した。

昔の私と一緒で雪に埋もれ孤独だった。

親に捨てられたのだろうか。

私と青年はその子供を見捨てることが出来ず保護することにした。 

青年は愛されない辛さをわかってるように子供に寄り添っていた。

このときは三人で幸せだった。

冷たい雪さえ暖かく感じた。


私はビルからでて橋の上で景色を見ていた。

ここは昔私がここである人に告白した場所だった。

そのときは恥ずかしがりながら茶化され答えは聞けなかったけど。

ほんとある人といる時間は楽しかったな。

私はそう思いながら橋を後にし病院えとむかった。

その途中私が家の前に置いた花を見ながら。

確かここで青年のお母さんに会ってたんだっけ。

そして私はある病室に着きドアを開けた。


私はある人からのメールを読んだ。

「僕は今日行けなくなりました。

何故なら僕は今日自殺するからです。

これがゆういつ僕に出来る償いなんです。

本当は最後君に会いたかったけど。

でも今の僕には君に会って幸せになる権利はないから。

だからこれでさようなら。

幸せになってください。


私はその続きを読むことなく私はメールの返事を返しある人の家に向かい必死に走った。

私はどうしてある人が償いで死なないといけないかわからない。

どうしてそこまで追い込まれてるかも。

でも走った。

私はただある人に生きて欲しかった。

どんだけ辛い人生でも乗り越えて幸せになって欲しかった。

自分勝手と言うことはわかってる。

自分が生きていて欲しいと言う自分の欲望のために、辛いのに、苦しいのに、それでも生きて。と言い無理に生きて貰おうとするのは自分勝手と言うことはわかってる。

わかってる。

でもそれでも生きて再会したかったのだ。

そして叶うなら昔の様にくだらないことを言い合って笑い合った日々をまた過ごしたかった。

そんなかけがえのない日々を。

だから走った。

そんな日々がこの道に繋がってると信じて。

私にはそれは十分すぎる理由だった。

だから私はメールの返信にこう返した。

電波に嘘偽りのない本心をのせて。

そうであってと願いたった一言。

死なないで。

私の返事をある人はどう思ったか。

いやまず見てくれたかわからないけど何分か全力で走り私はある人の家に着いた。

私はハアハアと息を整えながら急いでドアを開け家に入った。

ある人の家は鍵はかかっていなく簡単に開けて入ることが出来た。

この家はシンプルな作りで玄関もシンプルな作りになっていた。

「誰かいますか」

ある人が死んでないことを祈って疲れてろくにでない声を張り上げ私はそう言った。

「誰かいますか」

「誰かいますか」

「誰か」

「-----」

私の目から涙が溢れ出てきた。

私は涙を拭った。

「ねえお願いだから返事して。

そこにいるんでしょ」

何回も呼びかけをした。

そのたびに声は強くなった。

最後のほうには叫んでいた。

しかし何度も大きな声で言っても家には自分の声だけである人から一向に返事はなかった。

「もう死んでるんじゃ」

私の頭にそんな嫌な想像が浮かんだ。

ドクンドクンとその瞬間から私の心拍数が上がってるのが自分でもわかった。

「大丈夫生きてる。きっと生きてる」そうなんの根拠も無く自分にそう言い聞かせた。

でもそう思っても心拍数は上がるばかりだった。

私は返事がなかったので靴を脱ぎ家にあがりある人がいるであろうリビングに向かった。

家の中に進むと家の中はギシギシという私の足音だけで妙に静かである人の声はしなく。それが「ある人はもう死んでるんでは」と思わせ先に進むのが怖かった。

そして「このまま何も見なく帰ればどこかで幸せに生きてる。

そう思い後の人生を過ごすことができる」

そう気づいた途端さっきとは違く足が震え思うように足が動かず前にはやく進むことが出来なかった。

そしてドクンドクンとリビングに近ずくほど上がり続けた。

私は心臓を服のうえから手で押さえた。

「大丈夫、生きてる」そう言って何度も自己暗示し心臓を落ち着かせ進もうとした。

でも心拍数は上がるばかりで自己暗示などこの状況ではなんの意味も持たなかった。

それほど私の体はリビングに行くのを拒絶した。

でも私は戻ろうとは思わなく一歩一歩リビングに近づいた。

そして私はとうとうリビングにたどり着いた。

いやこの場合たどり着いてしまったと言うべきか。

私はリビングにたどり着きまず泣き叫ぼうとした。

でも胸が苦しく思うように声を出せなかった。

何故ならリビングには血だらけになったもう助かりようのないある人の遺体があったからだ。

右手には血だらけのナイフを持って涙をこぼしながら。

ある人は自殺をしたのだろう。

つまり私が全力で走っても。

走らなくても。

結局ある人は死んだのだ。

「違うこれはある人の死体じゃない。

これは何かの悪い夢なんだ。

そう悪い夢なんだ」

私はそう言い遺体の近くに行き髪の毛を優しくどこし遺体の顔を見た。

「ほら違う」私は涙を流し遺体の前に倒れこむように座った。

嘘だった。

泣く顔や笑う顔など遺体の顔は昔何度も見たある人の顔だった。

「ああ全部悪い夢だったら良かったのに」

私はある人に触れ血だらけになった手を見てそう言った。

「ねえどうして、どうして自殺なんかしちゃうの、どうして。

ねえ答えてよ」

私は大きな声で叫んだ。

もういないんだからどんだけ叫んでも声を上げても届く筈ないのに。

それでもある人に向けてそう叫ばずにはいられなかった。

だって大切な人だったから。

幸せになって欲しい人だったから。

生きて欲しかった人だから。

少し時間がたつと私は涙がさらに溢れてきてある人の顔がしっかりとみえなくなった。

私はちゃんと見たいけど見たくないある人の顔を見るために服で涙を拭った。

この瞬間目を開けたら全てが見間違いでありある人は生きてるかも知れないと言うそんな希望を抱き私は目を開けある人の顔を見た。

もちろん目の前の景色はなにも変わってるはずがなくある人は血だらけだった。

私はずっと服で涙を拭うたびこんな意味のないことを考え何回も繰り返していた。

変わらないとわかっていながら私はやめることが出来なかった。

「本当馬鹿みたい」とこの行動に自分も心底呆れていた。

何回服で涙を拭っただろうか。

私は何回目かである人の近くに写真があることに気がついた。

私は写真が気になり近づき手に取った。

そこには今と真反対で私と青年と小さな子供が笑顔で写っていた。

そしてこれがある人の近くにあるということはある人は死ぬ直前までこれを見ていたということだろう。

つまりある人は私達を死ぬ直前まで忘れないで私達を思ってくれていたのだ。

その証拠に涙の粒が写真についていた。

私のではない涙の粒がぽたぽたと。

ある人はこの写真をどんな気持ちで見ていたんだろう。

「懐かしいねえこの写真」

私はある人の遺体に話しかけるようにポツリとそう呟いた。

私達がまだ幸せだったときの写真だ。

私はその写真を何度も見ていまはない昔を思い出し過去にしたりこの頃に戻ろうと何度も目に焼きつけた。

でも途中から涙で誰が誰だかわからなかった。

さらにもう一つ言うとすればどんだけ望んでも私は昔に戻ることはなかった。

幸せだったあの頃に。

私は少し落ち着きを取り戻しもう遅いとわかりながら涙声で救急車に電話した。

救急車がきて遺体は運ばれたでも最後ある人の声がした気がした。

私は救急車を見送った後リビングのへあの前のドアがそのへあだけ開いてることに気づいた。

私は体を起こしそのへあに向かい私はドアノブに手をつけガチャとドアを開けた。

開けてみるとそのへあには最近使われたであろう勉強道具があった。

内容は中学生の範囲だった。

ある人はもう成人なのでこのへあはある人のへあではないことがわかった。

写真に一緒に写ってた子供のへあだろうか。

そんな子供のへあはものが引き裂かれたり不気味な絵が描かれた紙が落ちていたりさらに血のついたコンパスがあったりした。

とても不気味なへあで整理整頓はされていなく生活感は無くここにいるだけで心が痛くなり普通の人は少しいるだけで発狂するだろう。

そしてそんなことを思わせられるへあに周りとは対照的に使いこまれてきちんと掃除され丁寧に使われている綺麗な机が置かれていた。

その机の上にポツリと一冊の日記があった。

それはゆういつ子供が、いやもう歳的に少年かも知れない。

だから少年と呼ぼう。

私は少年と言い換え続けた。

それは唯一少年の残した生きた証だろう。

私はそう思い開き読み続けた。

ある人がどうして償いで死なないといけなかったのか。

ここでなにがあったのか全て知るために。


僕の心の声が聞こえますか。

今更遅いけど。

僕には未来がないから。

僕は記憶のなかだけで生きてる幻だから。


僕はある日素晴らしいことを知りました。

それは飛べない鳥が飛ぶ方法。

ゆういつかえることができる方法。


僕の日記


僕はこれから自分の人生について。

今僕の身に起こってることについて書こうと思います。

これを今読んでいる人がいるなら僕のことを助けて欲しいです。

これは僕の心の叫びです。


9月13日 父から暴行、暴言を受けた。

正確には、腹を蹴られお腹が腫れるまで蹴られた。

他にも足を蹴られた。

他にも馬鹿など暴言を言われた。

辛い苦しい誰か助けて。

9月14日 9月15日 9月16日 9月17日-----

少年の日記には父から受けた虐待について細かく書かれていた。

それが数年間におよんでいた。

父とはある人のことだろうか。

私は衝撃を受けた日記のある人は私が知ってる人とは別人の様だった。

一体ある人になにがあったの?

それにある人が言っていた償いとは少年にやったことを悔いてのことだったのだろうか?

私はさらに知るために読むのを続けた。


3月14日 辛い、苦しい、助けて、誰かお願いだから助けて。


少年は叫んだ。

助けてと。

悲痛の叫びを。

でも助けてという言葉は誰にも届かず。

ただ疲れるだけで。

ただ悲しく時間が過ぎていくだけで助けはこなかった。

誰も少年を助けてなんかくれなかった。


3月15日 僕は今から、今まで暴力を振られても、悪口を言われても、誰も助けてくれず辛いだけの人生なのにどうして自殺しようとしなかったか書きます。

僕は一度だけ救われたことがあります。

どこまでも暗く、どこまでも冷たく、全てが僕に牙を向く世界で一人泣くことしかできない僕に手をさしのべてくれた。

それは雪が降っていて薄暗い路地裏で、一人いた僕の手をとって抱きあげてくれました。

赤ちゃんの頃なので胸にすっぽりはまるぐらいのサイズでした。

とてもあったかく大きな手でした。

しかし赤ちゃんの頃だったので記憶がぼんやりしていてそれが誰だったかわかりません。

でもとても暖かっかた。

それだけは今でも覚えています。

僕はもう一度あのあたたかかった手で包んで欲しい。

だから死ぬことが出来ない。

もう一度あの暖かさを感じるまで。

あの感情はきっと「」と言うのだろう。


「」の部分は黒く塗り潰されていた。

でも幸せや喜びという感じの意味の文字を書いたんだろうと普通に私には読んでいてわかった。

何故なら普通の人はそう思うから。


3月16日 3月17日 3月18日-----あの感情は嘘だったのかなだって誰も助けてくれない。


僕はボールペンであの日の感情を塗り潰した。


やっとわかったよ。幸せはおとぎ話しの世界だけの話しなんだ。

優しい人がいるのも。

笑えるのも。

ビルから飛び降りるとき助けてくれる人が現れるのも全部おとぎ話しの中だけの話しなんだ。

なんて現実は残酷なんだろう。


12月10日 お腹を蹴られる、頭を蹴られる

12月11日 12月12日 12月13日-----


少年は辛いなど自分の心を書かなくなった。


それは暴力や暴言が無くなったというわけではない。

そんなおとぎばなしのような馬鹿げた意味ではない。

きっと少年は心を感じなくなったのだ。


12月14日 12月15日 -----3月3日-----


僕は前素晴らしい夢を見た。

それはいつも妄想してる自分が幸せになる夢とは少し違っていた。

僕はまず目を覚ますと街の真ん中にいた。

そこには誰一人辛そうにしてる人はいなくて警察官もいなかった。

何故ならこの街では犯罪は起こらないからだ。

そして僕は街で歩いていると足元をしっかり見ていなく階段から転げ落ちて足から血が出てきた。

でも痛みは不思議と感じなかった。

僕はそれであることに気がついた。

それはここの街には心がないということだ。

だから傷ついても痛くないし、犯罪は起こらないし殺心鬼もいない、つまり誰一人傷つくことがないのだ。

そうだったんだ。

心があるから犯罪は起きる。

心があるから人は傷つく。

心は僕を傷つけるものなんだ。

だから心がなければいいんだ。

夢はそこで終わった。

そして僕はこの日から心を感じるのをやめた。

その日からだろうかなにも信じなくなったのは。

なにも期待しなくなったのは。

僕は心を閉ざしたのだ。

なにも感じなくなっのだ。

退屈で孤独で悲しかった。

でもそれで良かった。

悲しくても涙は出てこないから。

きっとそっちのほうが幸せだから。

でも僕はそれに耐えられず何度も自殺しようとした。

でも包丁はさびていて死ぬどころか血すらでなかった。

いや、怖かったんだ。

僕はなにもない筈なのに死ぬのが何故か怖かったんだ。

そして少し経ち僕はその日家から出たくなり家から出ることにした。

ガチャと僕は家のドアノブを手で持ちドアを開けた。

すると僕は日光が眩しく思わず手で日光を隠した。

少し時間が経ち目が日光に慣れてきて周りが見えるようになった。

僕が見たのは目の前に広がる巨大なビルだった。

「こんな世界は大きいんだ」

余りの大きさに思わず僕はそう言った。

その日は父が仕事で帰りが遅くなるということがわかっていたので僕は外に出ることが出来た。

しかし外に出たのはいいものの外に出たのが久しぶりで外がどうゆう人がいてどうゆう場所か忘れていた。

外に出て歩いていると色々な声が聞こえてきて色々な表情をしている人が沢山いた。

僕はそんな周りの人を見て衝撃を覚えた。

僕はいつも涙を自分の顔に付け足しても違和感のない悲しい表情をしていた。

だから人はその表情しか出来ないとばかし思ってたけど皆んな口を開け笑顔で涙を付け足すと違和感を感じてしまうような表情を周りの人はしていたのだ。

しかしどこからか泣き声が聞こえてきた。

泣いてる人は女の子で何処か悲しそうで僕と似ていて少し違う雰囲気だった。

これが僕が幸せに触れるきっかけだった。

そしてここで少年の日記は終わっていた。

後いうことがあるとすれば数カ月後少年は自殺をしようとビルから飛び降りた。


そして日記に電話番号が書かれた紙が挟まっていた。

そして私は日記を読み終わると次にある人のへあにいった。

そこには一枚の手紙があった。

そして私がある人の所を見終わった頃。

私はある人の家から出ると日記に書いてあった電話番号に電話した。


私は手紙が入ってるカバンを持ち公園で一人ベンチにうつむき座っていた。

スマホで少年の自殺のニュースが更新されていた。

私はある人の家から出た後日記が書かれなくなり少年がビルから飛び降り自殺しようとするまでの出来事を知ろうと少年が通ってた学校に話しを聞きにいった。

そのときの出来事をうつむき考えていた。


私は学校に着くと近くにいた先生らしき人に話しかけて少年の知り合いで少年の話しを聞きたいと言ったら聞けることになった。

私はまず校長室で椅子に座り待たされ少年の担任の先生がくるのを待っていた。

すると少し経ち担任の先生がきてそこに校長先生までいた。

私は少し不思議に思いながら。

校長先生は待たせてすいませんと言い二人とも椅子に座った。

私はまず少年の学校の様子を聞いた。

それを返す形で担任の先生が話しをしてくれた。

それは前まで不登校で学校にきていなくそれなのに急に学校にきてしっかり授業を受けテストの点も良く優等生だったという内容だった。

さらに担任の先生はそれだけではなく虐待を受けてきっと辛かったんでしょうね。

早くそうゆう社会の闇みたいな所がなくなるといいですね。と言った。

校長先生はそれを聞くと全くそうだ虐待をする奴は人の心がわからない人でなしだと言った。

その後も二人は自分勝手に少年のこともなにもかも知っている賢者みたいに自分の正義を話し続けた。


私は公園のベンチでそれを思い出し可笑しくなり乾いた声で笑った。

一体少年のなにがわかるというのだろう。

ある人のことも。

どうせ少年の心が書かれていないニュース記事を読んだだけでしょ。

大切な所が抜けてるものを。

そんなじゃなにもわかるはずないよ。

それに少年が自殺したのに社会の闇なんてないただ自分達が弱かっただけだ。

臆病だっただけだ。

それだけだよ。

私は可笑しくなりそう逆ギレをした。

ある人が間違ってることはわかっているそれを認めたくなかった。

余りにやったことが酷くそれをある人がやったという現実を受け止められなかった。

それに傷つけた人がよりに寄って少年なのだ。

だから私は正解から間違いを見つけようとした。

私はうつむき胸が苦しくなった。

「あの大丈夫ですか」

私は誰かに呼べれそっちをふりむいた。

そこには女性が立っていた。

「大丈夫です。

それよりもしかしてここで待ち合わせしてる人ですか?」

私は日記の電話番号に電話したとき電話にでた声と似ていたため私はそう聞いた。

「はいそうです。

公園のベンチの此処でくるように言われました」

「じゃ数か月前本当に少年と会っていたんですね」

私は暗い声でそう言い学校からもらった少年の写真を取り出した。

「はいこの少年だったら覚えています。

自分の子供が迷子になったとき助けてくれたんです」

「じゃ貴方が日記の最後の日にあった人」

「日記?」

「いえなんでもないです。

それよりお話し聞いてもいいですか」

「もちろんそのためにきましたから」

「ありがとうございます。

でもここだと目立って話し辛いので場所を変えましょう」

私達は場所を移動することにした。

場所は女性の家だった。

女性が「少年もこの家にきたので何かわかることがあるかもしれない」と言ったからだ。

私も家だと外から目立たないのでいいと思いそこで話すことにきまった。

家に着くと私はソファに座り女性はお茶を出してくれた。

「でも驚きました。

急に電話がかかってきたと思ったら。

公園で待ち合わせしましょうて言われるなんて」

「すいませんちゃんと説明しとくべきでしたよね」

「大丈夫です。気にしないで下さい。

少年が自殺して落ち込んでいると思いますから。

そんな冷静に行動できないですよ。

それよりどうして私の夫の電話番号がわかったんですか」

「それは少年の日記に電話番号が書いてある紙が挟まってあったんです」

「なるほどそれは夫が渡した紙ですね。

それでなんの話しを聞きたいんですか」

そして女性の話しを聞いた。

女性の話しの内容は迷子になった子供を助けてくれたそのお礼にご飯をご馳走したと言う話しで少年の自殺した確信に迫れるものではなく「お力になれずごめんなさい」と女性は言っていた。

そのとき女の子が「ただいま」と帰ってきた。

「おかえり」と女性は言い「子供がかえってきたからご飯作らないと」と言い立ち上がった。 

「じゃお邪魔にならないように私は帰りますね」

そう言いカバンを持ち立ち上がった。

「あのもしよろしければ一緒に食べていきませんか」

私はそう言われ少し驚きながらもお言葉に甘えてご飯を一緒に食べさせてもらうことにした。

料理はシチューだった。

私は食べ終わるとお礼をいい靴を履き帰ることにした。

「すいません。ごめんなさい。

お力になれなくて。

私にまたなにか出来ることがあったらまた言ってください」

女性は申し訳なさそうにそう言った。

「いえお陰で少し少年の気持ちがわかった気がします」

「それなら良かったです」

女性は不思議そうにそう言ったと思ったら笑っていた。

「どうしたんですか。急に笑って」

私は不思議そうにそう聞いた。

「そうですね。

よかったと思ったんです。

きたときはあんな暗かったのにご飯を食べた後は明るくなってくれて」

「そうですか」

「はい。

そっちのほうがいいですよ」

「ありがとうございます」

私はそう言いドアノブを持った。

「あのずっと気になっていたんですけどカバンに入ってる紙ってなんなんですか?」

「手紙です」

私はそう言い女性の家を後にし病院にむかった。


僕は美しい夢を見た。

それは飛び降りたとき夢を見たという意味と僕が幸せに触れたということだ。

確か僕が家を抜け出た日は綺麗にさくらが咲いていてひらひらと宙に舞っていて人々の心を綺麗に彩った。

しかしそんな綺麗な桜の景色より僕はもっと印象に残ってる光景があった。

それは一人の女の子が桜の木の下で一人大きな声を出して泣いていたことだ。

そこには何人かの大人が前を通った。

僕はその光景に目を引かれたのだ。

何故なら周りの大人は前を通ったにもかかわらずその光景を見てめんどくさそうにし関わろうとはせず。

女の子をちら見しては。

なにもなかったように女の子の前を通り過ぎていくのだ。

誰一人女の子を助けてあげようとはしなかった。

その光景が何処か昔の僕に似ていた。

僕は女の子に近づき女の子の目線になって女の子に話しかけた。


「泣いてるけどどうしたの」

女の子は僕の問いに答えることなく大きな声をだして泣き続けた。

僕はこのままでは女の子がどうして泣いてるかわからないのでどうすれば泣きやむか考えた。

少し考えて「よしよし」僕は女の子の頭を優しく撫でた。

そうすれば泣きやんでくれるとなんとなくそう思ったからだ。

「もう大丈夫だから」

僕は女の子にそう言った。

女の子はまだ泣いていたけどでも撫でたら少しだけ女の子は安心した顔をした。

僕はそれを見て手をもとに戻した。

「どうして泣いているかゆっくりでいいから言える?」

女の子は僕の話しを聞くとゆっくり答えはじめた。

「ママとお買い物してたら逸れちゃって。

お母さんどこにいったの。

寂しいよ。

ママは私のこと嫌いになったのかなだから私のこと置いていったのかな」

女の子はさらにそう言い涙を流した。

僕は女の子の話しを聞き女の子が泣いている意味がわからなかった。

女の子の話しではママとはなれたそれだけだ。

女の子はほかになにか言ってただろうか。

考えてもわからないので女の子が言っていたママを僕は探すことにした。

僕はそのあと頑張って女の子と二人で女の子のママを探した。

女の子も必死になって涙を拭い探していた。

けど探す範囲が大きすぎてママを見つけることが出来ず僕はベンチに座りすこし休もうと提案した。

それを聞いた女の子は少しなにか言いたそうにしていたけど女の子は大人しくベンチに座った。

「ごめんなさい。迷惑かけて」

「もう家に帰れないのかなと思うと悲しくて」

「悲しいの?」僕のそんな疑問に女の子は「うん」と縦に首をふり答えた。

「とても悲しい。考えるだけで辛い」

「家が大切なの?」

「ううん」首を横に振って答えた。

「家に帰れないことが悲しいんじゃないの。

もう家族に会えないかもしれないことが悲しいの」

「家は私の大切な場所なんだ。

おはようていってご飯を食べた後みんなバラバラのところにいっちゃうけど、ただいまって元気よく言って必ず家に帰ってきてくれてそして家族皆んなそろって、ご飯を食べながら今日あった悲しかったことやうれしかったことたのしかったことそんな話しをして慰めあったり笑いあったり家族一緒でする場所なの」

女の子は悲しそうな声でそう言った。

ああなるほど、女の子は一人で辛く涙を流したんだ。

そしてそれを裾で拭わなかったのは、隠さなかったのは、ママに辛い思いをしてることに気がついてほしかったんだ。

そうしていつもしてくれてるように優しく抱きしめて自分のことを慰めてほしいんだ。

そしていつもの家に帰りいつものように家族と一緒に過ごしたいんだ。

だから女の子は泣いたんだ。

僕は女の子が泣いた理由を理解した。

でも納得はしなかった。

何故なら僕には女の子の言ってる意味がわからなかったのだ。

家族という血のつながった人たちが集うそれのなにが楽しのだろう。

でも女の子からしたら家族と一生会えないかもしれないことは涙が溢れでてくるほど悲しいことなんだ。

僕のなかで女の子の言葉が不思議と頭の中に残った。

「じゃはやくママ見つかるといいね」

僕は女の子にそう思っていないのにそう言った。

「うん」  

女の子はそうと気づかず明るくそう返した。

僕はそれを聞き胸を少し痛めた。

「あなたのママてどんな人なの。」

「私みたいな人。

昔のママにそっくりてよく言われるもん。」

結局女の子のママが見つかったのは暗くなりはじめたぐらいだった。

女の人が大きな声で誰かを探してるのを見て。

「ママだ」

女の子はそう言い急に走って女の子はママのほうにむかっていった。

僕は驚きながらそれを急いで追いかけた。

僕が追いついた頃には女の子はママに抱きついていた。

ママはそれを優しく包みこむように涙をこらえ抱きしめた。

女の子はそのとき泣いていた。

でもその涙ははじめ会ったとき見た涙とはうける印象が何処かちがっていた。

「ごめんなさい。離れないでて言われたのに迷子になっちゃって」

女の子はもう離れないと言わんばかりに服を強く握り泣きながらそう言った。

「気にしないで無事に帰ってきてくれたんだから」

ママは涙を流しながらそう言った。

二人はそのあとも愛を確かめるように泣いた。

ぽっかり空いた心が満たされるまで。

心が繋がるまで二人は泣き続けた。

僕はその光景を見て胸に手をあてた。

迷子になることは悲しいことでしょ。

人と人が抱きしめあうことは素晴らしいことでしょ。

ママと一緒にいたいと思うのはあたりまえのことでしょ。

僕はそこまで言い一つ疑問が浮かんだ。

「本当に僕はそう思っている?」

昔なら僕は確かに女の子と同じようなことをしていたと思うし確かにそう思っていた。

でも今は。

心があれば迷子ぐらいでなんでなんで泣いているの?

子供ならまだわかるけど大人なのにどうして泣きそうになってるの。と大人も人だから悲しむのはあたりまえなのにそう言いあざ笑い馬鹿にしていたかもしれない。

僕は一体なにをなくしたというのだろう。

素直に美しいものに感動する心だろうか。

それとも人に同情する気持ちだろうか。

それが一体なにかわからないけど僕は昔あって今はない大切なにかをなくしている気がした。

少し時間が経ち落ち着いてから女の子のママが僕に話しかけてきた。

「僕、ありがとう私がくるまでこの子と一緒にいてくれて」

女の子のママはそう言い優しく微笑んだ。

そしてそのあと女の子のママは僕の周りを見渡して不思議そうにしていた。

「僕、父と母は」と女の子のママが僕に聞いてきた。

僕はどうしてかわからないけどその質問に答えたくなかった。

女の子のママはどうして僕が一人か考え「もしかして帰る場所がないの」と言い僕に聞いてきた。

「-----」

僕は黙った。

それを見てまた女の子のママは考えた。

「僕、私達の家にこない」女の子のママがそう言った。

「家?」

「そう私の家。

この子のために一緒に私を探してくれたお礼もしたいしね」

それを聞いて僕は断れず女の子の家に行くことにした。

女の子の家は歩いていける距離にありここから近かった。

家に着き女の子はドアを開けた。

「ただいま」

女の子がそう言うと女の子のママも後に続いて「ただいま」と言って家に入った。

僕も続いて入った。

「さてまず僕、服と体が汚れてるからお風呂入ってきな」そう女の子のママがそう言いタオルを僕に渡した。

僕は流石に汚れたままだと家を汚してしまうのでお風呂に入ることにした。

お風呂は特別大きいわけではなく普通の大きさだった。

僕はシャーワで傷だらけの体を洗いそのあとお風呂にはいった。

お風呂に入っていると女の子とそのママとの話し声が聞こえた。

「なに作ってるの」

「なんだと思う?」少し意地悪そうに女の子のママは言った。

「カレー」

「残念、今作ってるのはシチュー」

それを聞いて女の子は嬉しそうに飛び跳ねた。

「シチューなのやったシチュー大好物なんだ」女の子のママはそれを見て微笑みながら言った。

「知ってる。

好きなものはたくさん食べるもんね」

そんななにも変わったことのない日常の会話に僕は口が緩んだ。

そして少し女の子が言っていたことがわかった気がした。

羨ましいな。

もし僕がこの家。

-----女性(女の子のママ)のところに生まれてたらあんな風に笑って話せてたのかな。

僕は体を洗ったはずなのに洗い流せない汚れをぎゃくにつけたままお風呂をでることにした。

でると少し大きめの服が置いてあった。

「そういえば入る前に着替え置いていくよって言ってたっけ」

僕は少し大きめの服に着替えてリビングにいった。

女性は足音が聞こえふりむき僕に気づいた。

「もうお風呂は入り終わったんだね。ちょっと待ってて」

そうゆうと女性は近くにあったカゴを漁り絆創膏を取り出した

「絆創膏はるから傷ついたところだして」

僕はそう言われなにも言わず静かに傷ついてる足をだした。

女性は傷ついた足に絆創膏を貼った。

「もうこれで傷はすぐに治るから大丈夫」

女性はそう言い立ち上がり「ご飯できるのまだ少しかかるからうちのこと遊んだりしてまってて」

そう言い微笑みキッチンにむかった。

女の子はというとテーブルで絵を真剣に書いていた。

僕は邪魔にならないようになにを書いてるんだろうと思いこっそり女の子に近づいた。

僕は女の子の絵をみた。

女の子の絵はお世辞にも上手いとは言えずむかしはじめて描いた僕の絵と同じぐらいのレベルだった。

でも人を暖かくしずっと見ていたいと思うような絵だった。

そして僕の絵とはなにかが違っていて僕の絵と一緒にするのもおこがましくこんな絵を描いてみたい僕はそう思った。

でも僕には一生無理だとどこかでそうわかっていた。

女の子が描き終わるとどうと言い自慢げに見せて良いと言う心からの僕の言葉を聞くと笑顔になりそのまま女性にむかって走っていった。

女性は微笑み女の子の頭を撫でた。

後でわかったがあれは女性の絵だった。

そのあと女性にご飯できたよと言われて僕は女性についていきテーブルにむかった。

料理は僕の好きなシチューだった。

そこに男の人が座っていて横に女の子がいた。

親しそうに話してるから女の子のパパだろうか。

パパ。

パパと言うだけで自分の父のことを思い出しこの人を悪い人ときめつけた。

「どうしたの急にとまって」そう女の子が聞き横の人を見るとなにかわかったようで横に手をむけて慎重に言葉を選んで話した。

「そうか自己紹介まだだったね。私のパパ」

「よろしく」そう笑顔で男の人は言った。

でも笑顔でいるようなそんな明るい空気ではけっしてなかった。

僕が警戒して敵意をむけているからだ。

二人の中で緊張感にみちた時間がながれた。

「ねえ。

はやくご飯食べよう」女の子はそう言った。

「そうだねお腹すいちゃったし。

冷めないうちに食べよう」

女性が焦りながらあとに続くように言った。

「はやく座って」と女性はそいい僕は座った。

それを見て女性は手を合わせた。

僕も手を合わせた。

「いただきます」

そう言い皆んな食べはじめた。

僕もひとくち食べた。

「どう美味しい?」そう聞いてきたのは作った女性ではなく女の子だった。

「美味しいよ」僕はそう答えた。

すると女の子は自信満々に「でしょママが作る料理どれも美味しいんだよ」と言った。

「本当にママが作る料理全部美味しいもんな」と男の人も続いて言った。

「二人ともありがとう」「僕もありがとう

ね」そう言い女性は微笑んだ。

そんな姿を見ているとあったかく男の人の警戒心もとけた。

それをみんな気づいてかみんながさっきより話すようになった。

アニメの話しや女の子の学校の話しなどをした。

なんの変哲もない話しだ。

はじめは僕のことを聞いてきたけど言葉をなかなか言うことができずそれに気づいてか僕のことを聞くのをやめて自分達のことを話すのがおおかった。

それが僕のはじめてのちゃんとした会話で楽しかった。

でも一つ疑問が生まれた。

僕はここにいていいのだろうか。

僕がこの家族の幸せを邪魔していないだろうか。

さっきだって僕のせいでご飯のまえが暗い空気になった。

いまだって気をつかわせてしまい満足に会話も出来ていないんじゃないか。

そうか僕は異物なんだ。

血が繋がってないから僕はこの家族に愛されることはないんだ。

でもここにいたい。

場違いだとしても。

家に帰ってもうあんな目にあいたくない。

ここにいたい。

でも僕の家はここじゃない。

僕の居場所はここじゃない。

女の子は言ってた。家族のそろうところそれが家だって。

ならどんだけ望んでも僕の居場所は僕の父がいるところなんだ。

僕はご飯私食べ終わり服はどうすれば良いか聞きもう家じゃ使えないからあげるよと女の子のママに言われありがたく貰いお礼を言いもう帰ることを暗い声で伝えた。

それを見て少し男の人は考え「暗いから車で送るよ」と言い車をだしにいった。

女の子のママは食器を洗っていてリビングで女の子と二人になった。

「もう帰るの」と女の子は聞いてきた。

「うん、もう家に帰るよ」

「そうなんだ」

そう言って女の子はこっちを見てきた。

「どうしたの?なにか顔についてるの」

「ついてないよ。ただ優しいんだなと思って」

「優しい?」

僕が優しいそんなのはじめて言われた。

「でもね、優しいから自分をせめてすべて受け入れちゃうだね。

いまだって迷惑かけないよう一人で抱えているもん。

たまには人を頼ってもいいのに」

僕はなにかを言おうと口を開けようとしたとき「もう車の準備できたよ」そうゆう男の人の声がしたので会話は途切れた。

僕はお礼を言い。男の人の車に乗った。

そのあと僕の家がどこにあるか説明し車は出発した。

女の子にあのときなんて言おうとしたか。

それは優しくないそう言おうとしたのだ。

だって人に迷惑かけてもそこにいたいと思う人が優しいわけないのだから。


「本当にここでいいの?

家の目の前まで送るけど」

「大丈夫です。ここから家は近いので」

「わかった。じゃはいこれ」

そう言い男の人は一枚の紙を僕に渡した。

「いつでも自分に話したくなったらこの電話番号に電話していつでも話しを聞くよ」そう言い車はもと行った道に帰っていった。

僕はそれを車が見えなくなるまで見ていた。

「僕もはやく家に帰らないと」 

僕は少し歩き家に着きそして僕はその日からみんなからすごいと褒められて認められる夢や自分が笑って人と話してる夢を見た。

これは全部昨日あった家族みたいな普通に過ごしてる僕の夢だった。

僕は家に着くとドアを開けた。

家の中は暗かった。「帰ってきてないのかな」

でもかすかにお酒の匂いがした。

リビングにいくと父が大量のビールの缶と一緒に寝ていた。

僕が近くにいってもきずかなかった。

僕は父をおこさないようそっと一人自分のヘアにいった。

僕は今日の日を何度も日記に書こうとした。

でもあの日みた美しい光景を僕には書けなかった。

そしていつまで経っても書けないので電話番号が書かれた紙を日記に挟み僕は諦めてベットで寝ることにした。

そう言えばいつも夜考えることとは全然違うなそう思いながら。

いつも本当は僕が悪いんじゃないかとずっと思ってた。

殴られたりするのは社会では当たり前でただ僕が心が弱く気にしてるんじゃないかと。

僕が大袈裟に捉えてるだけでそこまで不幸ではないんじゃないかと。

でも殴ったりするのはダメと確か周りの人達達は言っていた。

どっちが正解なんだろう。

そんなことを考えて何にも八つ当たり出来ず

にいた。

今思えば人を殴ったりするのはダメそんなことわかってる。

そしてどうしてそんな僕の首を絞めることをやっていたのかわからない。

僕がどうなのかが一番大切だとだとおもうし、寝るときぐらい辛いことを忘れたほうが楽なのに。

そして太陽は登り朝になった。

僕は昨日夢を見た。

それは皆んなから慰められ認められ人と楽しそうに話してる僕がでてくる夢だった。

前みた家族に似ていた。

そして僕はいつもみたいに父に暴力や暴言を吐かれた。

それがいつも以上にそれが辛かった。

僕は夜中ベッドに寝転がり涙を流しながら電話番号が書いてある紙をみていた。

僕は「話したいときはいつでも電話かけてきていいよ」と言っていたのを思い出したのだ。

僕は電話番号を途中までいれたが迷惑はかけたくなかったので電話するのをやめた。

そして僕は一人ベッドのなかでどうすればあの家族みたいになれるか考えた。

一人で。

僕はいつもよりはやくおきカバンを持ち久しぶりに制服を着た。

そして僕はご飯を食べて学校にむかった。

べつに学校に行かせてもらえなかったわけではない。

ただ学校にいっても友達はいなくただずっと一人だった。

何故なら僕は人が怖く関わろうとしなかった。

ではなぜ学校にいくことにしたかそれは父に認められるには学校でいい点数をとることが必要だと思ったからだ。

そのためもちろん学校ではしっかりと授業をうけた。

すると先生からしっかり授業うけてて偉いねと言われ先生からの評判がよくなった。

でももちろん先生と友達みたいに話さないし友達もいないのでずっと一人だった。

そして家に帰ると勉強をした。

今まで勉強してなかったから寝る時間さえも勿体無く感じるほどおぼえることがあった。

僕はそうゆうとき筆箱からコンパスをだし手に刺した。

もちろん手から血がでてきて手が血だらけになった。

でも気にせず勉強を続けた。

もちろん僕は人なので辛かったし痛かった正直やりたくなかった。

でも僕は刺したコンパスを。

そして包帯を巻いた。

もしかしたらこれが僕の堅い意志表示だったのかもしれない。

幸せになると。

そのために努力する。

僕はそれ以外にも父に認められるために思いつく限りのことを全てやった。

そしていつものように一人で学校で過ごしていると先生がテストを返却しはじめた。

僕はテストを受け取り席に着いた。

僕はテストを見るのが怖かった。

僕の努力が無駄になるんじゃないかと。

寝る時間を勉強に使い最近はご飯さえ喉をとうらなくなってきた。

そこまでしてるのにそれが全て無駄になるんじゃないかと。

でも見ないと変わらない僕はそう思いテストを見た。

100点だった。僕は嬉しかった。幸せになれること。

普通の人生を送れるかもしれないこと。

はじめて自分からなにかを成し遂げられたから。

どうしてこのことを日記に書かなかったかと言うと書く時間が惜しいぐらい努力したからだ。

そして僕は家に帰り父が帰ってくるのを待っていた。

父はいつも遅い時間に帰ってくる。

いつも料理を準備して帰ってくるのをまっていることは珍しいことじゃないのにいつもよりまつ時間が長く感じた。

ガチャとドアが開く音がした。

父が帰ってきたのだ。

僕はその音を聞くと鼓動が激しくなるのをかんじた。

そして父は僕が作ったご飯を食べビールを口に流しこんだ。

僕は父が食べ終わったころをみはからって学校の話しをした。

「あのね。学校でテスト受けたんだ」

そう言う僕の言葉にはどこかはじめてあった人と話すようなぎこちなさがあった。

そして鼓動がさらに激しくなった。

「そうなのかどうだったんだ」

父はそう言った。

「これがテストなんだけど」

僕はそう言い父にテストを渡した。

父はそれを受け取りテストの結果をみた。

なんて父はいってくれるんだろうと考えながらワクワクした気持ちで父に言われる返事をまっていた。

だってあんな努力したんだから。

そして父は口をひらいた。

「100点凄いじゃないか」

やった。と僕はそれを聞いて心の中でそう思った。

「そうでしょ平均点50点ぐらいなんだよ。

寝るまも惜しんで無理して頑張ったんだ。

偉いでしょ。凄いでしょ」

僕は嬉しくてはしゃぎながらもっと慰めて欲しいと言わんばかりにそう言った。

でも父の顔は僕のその言葉をきっかけに変わっていった。

父は口をひらいた。

「で、それがどうした」

父は冷淡にそう言った。

二人のなかで静かな時間がながれた。

「どうしたって-----。

僕頑張ったんだよ」

僕の鼓動が父の言葉をきっかけに激しくたかなっていたのが嘘みたいに死んだように静かになった。

いや死んだのだ僕の希望もなにもかも否定され。

もしかしたらこのとき僕は幸せな家族をみて心を感じようとしていたのかもしれない。

心は希望は自分を傷つけるものと忘れて。

こんなんなら希望なんて抱かなければよかった。

大人しくいつも通りにしていればよかったのに。

心なんてやっぱしなければよかった。

でもなにもかもう遅く心は激しく加速した。

父はそれに追い討ちをかけるようにさらに言った。

「そんな勉強できてなんになる。

そんな意味ないただ俺みたいに落ちぶれていくんだ」

「意味がない」その言葉で僕が今まで蓄えてきた怒りが体のなかにメラメラと燃え僕はあまりの怒りでテーブルを思いっきり投げ飛ばした。

「おい、なにしてんだテメ」

そう父は驚いたように怒鳴った。

僕はそれに怯むことなく怒鳴りかえした。

「それはこっちのセリフだよ」

僕の声はこんな大きな声が僕はだせたんだと言うぐらいの声だった。

「僕頑張ったんだよ」

はじめてだったあんな必死に努力したの。

寝たくてもそれでも寝なく眠さを紛らわすためにコンパスだって手に刺したんだよ」僕の手には血が滲んだ包帯が巻かれていた。

「痛かったよ。正直こんなことやりたくなかった」

「でも僕は父におまえは凄いやつだって認めてほしかった。

褒めてほしかった。

そう言って手をとってほしかった。

ただそれだけだった。

なのにどうしてそう簡単に僕の努力を否定するの。

嘘でもいいからおまえは凄いやつて言ってくれないの」

涙をこぼし心からの悲痛を叫び僕はその場から逃げ去ろうとした。

「おい、どこいくんだ」

そう言い父は僕の腕をつかんだ。

でもいつもと違って弱々しい父の手が僕をとめた。

僕は父を思いっきりビンタし投げ飛ばした。

僕の手の包帯は血がさらに滲んでいった。

僕は父のほうを見ていった。

「僕の気持ち少しはわかった。

痛いでしょ。想像するよりずっと。

痛みはわね、想像するよりずっと痛いんだよ。

苦しんだよ。

心をえぐるんだよ。

この痛みは。

辛さは。

実際に受けてみないとわからないでしょ。

僕は本当に辛かったんだよ。

なのにどうして蹴られると痛い。

悪口を言われるのは辛い。

そんなあたりまえのこともわからないの」

そして僕はまえあった優しく家まで送ってくれた家族の女の子のパパとくらべて自分の父はと軽蔑するように「僕はどうしてこんな人の子供なの」そう言って後ろをみることなく家から出ていった。

父は泣いてた気がした。

でも多分気のせいだ。

あんな人が僕が家を出ていったぐらいで泣くはずなんてない。

どうして僕みたいに人は簡単に傷つくのに簡単に救われることはないのだろう。

僕は家をでて壊れた人形みたいに歩いていると女の子とまえあった桜の木にたどり着いた。

でもまえ人々の心を綺麗に彩った桜の木は酷く枯れ果てていた。

僕はその木のまえを通りすぎた。

僕は愛されたかった。

褒め殺してほしかった。

僕は親に甘えたかった。

子供みたいに。

一度も甘えられなかったから。

それだけだった。

普通になることを望んだだけ。

なのにどうして僕ばっかりこんなめにあってるの。

僕は前世でなにか大きな罪を犯したの。

だから僕はいま苦しんでるの。

いや、不幸になるのに理由なんてないか。

いつも理不尽に不幸は襲ってくるから。

こんなの不公平だ。

どうして周りばっかり幸せを簡単に持ってるの。

僕にはないのに。

辛い、くるしい、そんな思考が僕の頭によぎった。

そして僕はしたをみた。

そこには父を傷つけたはずなのに何故か痛い右手があった。

「僕は最低だ。

救いようのないクズだ。

全部自分が悪いんだ」

僕はそう言い自分に嘘をついた。

いいことをしたら報われ、悪いことをしたら天罰がくだる。

そんな素晴らしい世界だと。

全て自分が悪いんだと。

そう思うと気持ちが楽になった。

そうしないと殺してしまいそうなほど憎かった。

そして悲しかった。

でももう僕は限界だった。

この世界に生きるのが。

だから僕はすべて捨てよう。

幸せも苦しみも。

そして一人で笑おう。

この世界に僕の幸せはない。

僕の幸せは一人で生きて誰ともかかわらず。

一人で笑い、生きることがそれが僕の幸せだから。

僕はフェンスを越え飛び降りた。

そのとき風が吹いた。

それは僕に引き返せといってるように感じた。

僕はそれに答えるように言った。

「もうずっと苦しんできたんだからもう幸せになっていいんでしょ」

そして僕は飛び降りた。「これで全て終わるんだ」と言い残し。

笑顔で。

僕の頭が地面にぶつかり赤く染まった。


僕は目を覚ました。

「ははは」と僕は起きてすぐそんな乾いた笑い声がでてきた。

喉を痛めているからか大きな声は出せなかった。

そしてどうやら僕は死ぬどころか五感満足に生きていてここわ病院だった。

すると病室のドアが開いた。

「あ、僕おきたんだ」

そう言い僕と一緒の患者衣を着ている少女が病室に入ってきた。

僕と一緒の服をきてるためここの病室の患者だとわかった。

「待ってて、お医者さん呼んでくるから」

そう微笑みまた病室から出ていった。

でも微笑んではいるけどどこか少女は怒っていた。

少女とははじめてここであった。

だからどうして怒っているかわからなかった。

いや、いまはもうなにも考えたくなかった。

そして少し経ってから少女と一緒に若そうな眠く疲れた顔をしてるお医者さんが病室に入ってきた。

「僕、体はもう大丈夫かい」そう言いながらお医者さんは飴玉を僕に震えた手で渡して椅子に座った。

少女は僕の隣のベッドに座った。

「体には痛いところはありません」

僕は皮肉そうにそう答えた。

「そう、それならよかった」

お医者さんはそれを聞いてなにかを察したらしくいまはもうこれ以上話さないほうがいいと思ってか「明日、検査あるからそのつもりで」

お医者さんはふらふらとした歩きかたでその場から出ていった。

正直検査なんてどうでもよかった。

飴玉なんていらなかった。

安楽しの薬をくれたほうが嬉しかった。

そのときの僕の顔が少女にベッドにあるゲーム機に映っていた。

いまにも泣きだしそうな顔だった。

どうしてこんないまにも泣きそうなんだろう。

昔はもっと強かったのに我慢できたのに。

僕は飴玉を捨てて布団にはいり周りから隠した。

そして僕は寝た。それしかやることがなかったからだ。

僕は夢のなかで「どうしてまだ生きてるの。

どうすればいいの」

そう言い何度も、何度も、終わりのない問いが続いた。

そのたびまた僕の心は壊れていった。

そして僕は3時ぐらいに目を覚ました。

「ねぇ、一緒にゲームやらない」

すると突然そう少女は言ってきた。

僕ははじめやる気なかったが少女のおしにまけてゲームをやることにした。

そしてかなりやってるとゲームをやりすぎとお医者さんに言われゲームをやめることにした。

「けち」とそのあと少女はずっとお医者さんの文句を言っていた。

僕は自分が悪いと思いながらずっと聞いていた。

お医者さんは苦笑いしていた。

そしてゲームも終わったので僕はまた寝ることにした。

少し経ち少女も寝た。

そのときねごとかそれともわざとかわからないけど少女は「どうして生きようと必死に頑張って死んじゃう人がいるのに自殺なんかするの。

そんな軽い命なら生きようと頑張ってる人にわけてよ。

親から預かった命を大切にして」と言っていた。

僕はそれを聞いて「なにも知らないくせに」と僕はそう言った。


ここのベッドには前までべつの患者がいてその患者は手術が失敗していまの患者が病院にくる一週間に死んだ。

お金をしっかり払ったのに必死にかき集めて。

必死に生きようとしてたのに。

成功するって信じてたのに。

だからもう誰も死んで欲しくない。

だから-----。


そして朝起きると少女はいなかった。

かわりに父の友達と名乗る人がきて父について語りはじめた。


病室に僕の父の友達と名乗る人がきて手紙を渡した。

どうやら僕の父が僕宛てに書いたそうだ。

僕はその手紙を読んで辛そうな顔をした。

「許してあげてそうは言わないけど。

でも君の父は」

「もうそれ以上言わないで下さい」

僕は僕の父の友達の言葉を遮りそう言った。


僕はお金持ちの家庭に育った。

そのため欲しいものはすぐ買うことが出来それを周りの人は羨ましいがっていた。

でも僕は周りの人が羨ましかった。

何故なら僕は確かにお金はあった。

有り余るぐらい親や色々な人から貰っていたからだ。

でも誰からも愛されてこなかった。

親からもだ。

でも最初は愛されてると思ってた。

親に愛されていないと気づいたのはいつだろうか。

僕がお金があるせいか僕に話しかけてくれる人があまりいなく友達が出来ず僕が親に嫌われないと必死に勉強など努力してた日。

まだ僕が親を親だと思ってた最後の日。

確か僕はそのとき誕生日だった。

そのため誕生日会が開かれた。

そこにはお母さんが時間をかけて作った料理が並べられていて親が有名と言うことがあっていろいろな人達がきていた。

親はその人達と話していた。

そこに印象的なことをいってる人がいた。

親戚同士でお母さんたちが話してるのをみて。

「みんな足を止めれば楽なのに」

そして誕生日会で僕のところに注目が集まったとき「誕生日おめでとう」と言った。

いつものことだ。

僕はその誕生日おめでとうと言う言葉で僕は愛されているとそう思ってしまったのだ。

それが自分の好感度をあげるために利用されてると気づかず。

僕はそのとき一切疑っていなかったわけではない。

何故なら噂があったからだ。

お父さんとお母さんが計略結婚なのではないかという噂が。

それを聞いて僕ももしかしたら利用されてるだけではと思った。

いつも勉強させるのは僕のためというけどほんとうは子供が頭がいいという経歴がほしいだけではないのか。

僕のなかですべてが信じられなくなった。

でもその疑いはいつもの笑顔をみているとそんな疑いも消えた。

普通いつも人は笑顔でいられるだろうか。

いま思えばそう思うけど僕はそう疑はなかった。

もしかしたら愛されてるそう信じていたかったのかもしれない。

でもこの誕生日の夜は僕を裏切った。

その夜僕は目を覚ますとお母さんとお父さんの怒鳴り声が聞こえた。

僕は気になりリビングにいった。

「なんなんだ今日でたあの料理は。

あんな不味い料理をだしたらオレの評価がさがるだろう」

「しかたないじゃない。

時間がなくてしっかり作れなかったんだから」

「だからってあの料理はないだろう」

僕はあまりに声が大きく怖くてとめることが出来ず震えていた。

「なに文句があるの。子供のプレゼントを買ったのだって私なんだよ」

「あの料理だったらわざわざプレゼントを買った意味ないだろ。

せっかく子供思いのパパを演じて好感度をあげようと思ったのに。

これじゃお金の無駄ずかいだ」

それを聞いた途端に不思議と足の震えは止まった。

無駄づかいってどうゆうこと僕のためと買ってくれたんじゃないの。

誕生日会にきてた人の好感度をあげるためと僕に買ったの。

このとき僕のなかですべてが壊れた。

僕はずっと孤独だったのだ。

いまそれに気づいた。

大きな悲しみと怒りを抱えて。

「僕は愛されてないんだ」

僕はポツリとそうつぶやいてその場から離れてベッドにむかわず倉庫にむかいアルバムを取り出しライターを持ちベッドにむかい皆んな笑っている写真を暗闇のなか一人乾いた笑みで静かに燃やした。

そして全部写真が燃えたとき僕は泣き叫んだ。

そしてベッドはグチャグチャになった。

この日から僕のなかで親は親という他人になった。


僕はそのあと誕生日のときなにもなかったみたいにそのあと過ごしていて親と特別関係が変わったりしなかった。

僕に親をせめる勇気がなかったのだ。

でも僕の頭のなかはいつもと違っていた。

人を信じれなくなっていた。

僕は靴を履き学校にむかっていると僕は花屋の店員と一人がもういっぽうの腕に抱きついてる双子の兄妹と思われる子どもたちが話しているのをみた。

「この花どうするの」

そう花の店員は聞いた。

「この花はね、お母さんにあげるんだ」

そう笑顔でこたえていた。

「そうなんだ。

君優しいんだね。

じゃそんな優しい君にお姉さんがサービスして少しお花の値段安くしとくね」

「いいの。

ありがとうお花の店員さん」

双子の兄妹にそう言はれるとお花の店員は笑顔になった。

僕はそれをみてお花の店員を嘲笑うような目で見ていた。

何故ならありがとうなどの言葉は言わないといけないという社会のきまりがありそれを言わないと常識がないと思われる。

つまり思ってなくても言わないといけないのだ。

「どういたしまして」

お花の店員さんは笑顔で双子の子供にそう言った。

双子の子供はありがとなど思ってないのに。

僕はなにも知らない哀れな人を見る目で見た。

僕のなかに自分は人のことを誰より知ってるそんな意地が僕にあったのだろう。

なにも知らないのは自分も同じだというのに。

それから1か月たっただろうか。

僕は孤独に耐えて生きていると。

僕はだんだん勉強をする気がなくなり外を歩くことにした。

少し歩くと誰もいない静かな場所にでた。

そしてちょうどそのとき雨が降りはじめた。

僕は雨宿りするため近くの建物にはいった。

そこは廃墟になったビルだった。

僕は恐る恐るドアを開けた。

なかにはなにもなかった。

僕が少し周りを見てると階段があったので登った。

二階にいくとキッチンんとお風呂場があった。

ここのビルは昔なにに使われていたのだろうか。

ビルにキッチンとお風呂場は普通ないと思う。

僕はそんなことを考えながらお風呂場の引き出しを開けた。

そこにはバスタオルと何故か布団があった。

二つとも布だからいれたのだろうか。

不思議に思いながらキッチンにむかった。

キッチンにはヤカンとカップラーメン、ココアの粉、レンジという人がひきこもれそうな物があった。

僕はそのあともビルを調べて暗くなるまえに帰った。

そして雪が降りはじめた頃僕はまた外で歩いていた。

一人寒さに耐えながらなんとなく歌を歌い。

すると雪遊びをしてる子達の声がした。

僕はそれから逃げるように人がいないところにむかった。

でも僕のやろうとしていることはすぐ出来なくなった。

人がいつもいない所に人がいたのだ。

そこには女の人が倒れていた。

「大丈夫ですか」僕はそう言いながら急いで駆け寄った。

「大丈夫ですか」僕は何度も言った。

でも女の人の返事がなかった。

でも見たところあまり症状は酷くないので女の人をまえいったビルに運んだ。

ビルに着くと女の人を寝転がらせボロボロの毛布をかけて目を覚ましたときからだが冷えてるだろうからポットで水を沸かしココアを作った。

丁度ポットで水を沸かし終わったとき女の人は目を覚ました。

「起きたんだ」僕はそう女の人に言った。

女の人は周りを見たあとに僕を見て口を開いた。

「貴方が私が雪に埋もれてるところを助けてくれたんですか」

「そうだよ。

僕はそう言い女の人にココアをさしだした。

女の人はそれを恐る恐る受け取ると女の人はココアを静かに飲んだ。

「どう美味しい」

「とても美味しい」

女の人はそう言いまたココアを飲みはじめた。

少し微笑んでいたのは気のせいだろう。

だっていま辛そうな目をしてる。

そして何日か経ち男がきてどうして女の人が辛そうな目をしていたかわかった。

女の人が話してくれたのだ。

僕はそれを聞いて可哀想に思い善意でお金を払ってあげた。

そして女の人とそれからこのビルで会い話すようになった。

すると突然女の人は自分の好きなものを聞いてきた。

僕は正直その質問に困った。

僕はお母さんが言ったことに従って生きてきたからだ。

だから好きなものなんてなかった。

そして女の人は音楽が好きと言った。

そして楽器や好きな歌について話しはじめた。

そう言えばあったときもそんな話しをしていた。

僕はあまりに女の人が楽しそうに話すから僕は気になり好きな歌聞かせてと言い女の人と一緒に歌を流し聞いた。

そこから僕はいろいろな曲を聴くようになり音楽が好きになった。

そしてそのときから女の人の存在が自分のなかで変わっていくのがわかった。

その証拠に僕ははじめは善意で払っていたのがいつのまにか女の人のために払ってあげたいという好意に変わっていたのだ。 

そしてその日も僕は女の人の所に行くため外に行く支度をしていた。

すると コンコン「入るよ」

お母さんはそう言ってドアを開けた。

「どうしたのお母さん」僕は女の人と早く会いたくて少し急かすように言った。

「最近どこかよく外に出てるけどどうしたの」

「友達と遊んでる」

「貴方に友達?

どうせその人お金目当てでしょ」

「お金目当てなんかじゃな」

僕は強くそう否定した。

「本当に友達なんていると思ってるの。

いい、友達なんていない。

ただ自分の利益のために友達て言ってるだけ。

あなたの友達だってあなたじゃなくてお金のほうしか興味ないよ」

お母さんはそう言いドアを開けでっていった。

「違う。

そんなんじゃない」

僕はそう出て行くお母さんにむけてそう言った。

でも心の中では自分の言葉を疑った。

お母さんの考えは正しい。

では女の人とはお金だけの関係だろうか。

確かに毎月お金は払ってる。

わからない。いや、わかってるのかも知れない。

でも僕は見たものしか信じることが出来ない。

だから確かめないと。

僕はライターを持った。

でもそれは少し抵抗があった。

僕はそれが少し悲しくなりながらライターを置きお金をリュックサックに詰めた。

そしてメールを打った。


「なんだろう。自分からメールなんて珍しいな」私はそう言い食べていたカップラーメンを置きスマホをみた。


ビルの近くの橋の上にきてください。


たった1行だけだった

でも私に不穏な印象を与えた。

私は言われるがまま走り橋にむかった。

何故か嫌な予感がしたのだ。

「ハアハア」

私は息を切らし橋についた。

息を整えてると近づいてくる人に気づいた。

いつも一緒に遊んでいる青年だ。

でもいつもとはなにかが違った。

まるで悪魔に魂を売ったような感じだった。

私は青年を見ていつもより大きいリュックサックを背負っていることに気づいた。

「どうしたの。

そんな急いで」

「人って本当に信じ合えるの。

漫画の登場人物達みたいに。

騙しあうんじゃなくて」

青年はそう言うと静かにリュックサックを開けた。

リュックサックからは大量にはいった札束が見えた。

「そのお金どうしたの」私はそう驚きながら青年に聞いた。

「こんな物があるから人は傷つくんだ」

そう言い青年は背負ってたものを橋から投げ捨てた。

私を試すように。

お金は空に舞っていた。

いまの青年はなんの肩書きもないただの青年になった。

「どうしてきゅうにお金を投げ捨てたの」

「僕にもうお金ないよ。

あれが全財産だから」

少年はなにかを恐れながらそう言った。

「本当にどうしたの」私はそう聞いたでも青年はそれを無視ししつづけた。

「もう僕と仲良くする必要無いよ。

だって僕はお金もっていないから」

青年は小さな声でなにかに怯えるように言った。

私はそれを見て自分のカバンから封筒を取り出した。

「はいこれ受け取って」

私はそう言い封筒を青年に渡した。

青年はそれを静かに受け取った。

「なにこれ」

「これは君に借りてたお金。

早く返そうと思って頑張ったんだけど遅くなってごめんね」

私は深呼吸し青年に言った。

「私は君のことが好きだよ」

私がそう言うと少年は驚いた顔をした。

「私にはじめてあなたとあったときココアを出してくれたのを覚えてる。

私はそのとき飲んだココアの味をいまでも覚えてる」

私はそう言い微笑んだ。

「私は親が死んでしまい心から笑うことが出来なくなっていてそんな私にあなたは優しく「頑張ったね」そう言って励ましてくれたよね。

私はそれがとても嬉しかったんだ。

心が救われたんだ。

それにあなたが私にくれたのはそれだけじゃない。

あなたは私に心から笑えるそんな日常をくれた。

好きなものを話したり一緒にふざけたりそんな何気ない些細な日常を。

そんな素晴らしい日常を誰でもないあなたが私にくれたんだよ。

そんな優しい人だから私は一緒にいたいしこれからも一緒にいたい。

お金を持ってなくてもいいんだよ。

そばにいてくれれば。

だから信じてくれなくてもいいからそばにいさせて。」

僕はその言葉を聞いて僕は笑顔で涙を流した。

お金ではなく僕のことを思ってくれていたことを知って。

「泣かないで。

告白したこたえまだ聞いてないよ」

私は微笑みそう言った。

「そのうち言うよ」

「そう、まってる」

二人はそのあと橋の上で笑顔で笑った。

そして少し時間が経った。

その日は私が倒れてた日と同じで雪が降っていた。

でも横に青年がいて寒さなんて感じなかった。

そして私は青年と話してるとおぎゃーおぎゃーと何処からか赤ちゃんの声がした。


僕は父の手紙を読みあのとき助けてくれた人が父だとはじめて知った。

僕はいまどんな表情をしてるのだろうか。

失望してるのだろうか。

嬉しいのだろうか。

そして僕は続きを読みどうして10年前父と父の友達は離れ父がこんな性格になってしまったかわかった。


赤ちゃんが捨てられていてそれを可哀想に思いビルに持ち帰りそして僕達は面倒を二人で見ることにしたとても幸せだった。

こんな日がずっと続くと思っていた。

僕はその日女の人のところにいこうと家からでようとした。

そのときお母さんに話しかけられた。

「ねえどうゆうこと」

「なにが?」

「とぼけないで不登校といつもいるでしょ。

あなたが不登校といるせいで私の品位まで落ちたじゃない。

あんななにも出来ない性格は悪い社会不適合者と一緒にいるせいで」

「どうしてあったこともないのに女の人を馬鹿にするの女の人だって頑張って生きてるんだよ」

僕はお母さんの言葉を聞いて怒りがこみあげてきた。

「あなたのために言ってあげてるのに親に口ごたえするな。

いい、それがわかったら金輪際不登校児とかかわらなこと。

わかった」

お母さんはそう言いでていった。

「わからない」僕はお母さんの後ろ姿を見てポツリとそう呟いた。

「ねえお母さんだって間違えることはあるでしょ。」僕はお母さんに聞こえる声でいった。

そのあと仲直り出来るはずなくご飯を自分でやったり、悪口をいわれたり、家庭内暴力がおこなわれたり無視されたり家にいづらくなった。

ビルで女の人と話してると暗いけどなにかあったのと聞かれることもあった。

でも今日は少しワクワクしていた。

今日は女の人の誕生日なのだ。

僕はプレゼントと手紙をしっかり確認し女の人がいるビルにむかった。

そして僕がビルに着くと真剣な顔をした女の人が待っていた。

「どうしたの真剣な顔して」

僕がそう言うと女の人は覚悟をきめたように口を開けた。

「私ここからいなくなることにしたから。

だから最後にさようならって言いたくて」


私はお母さんの死んだところに花を置いてると青年のお母さんがきた。

「ねえもううちの子と関わるのやめてくれる」

「どうしてですか」

「迷惑なの。

あなたのせいで私の品位までさがるから。

あなたみたいな学校いかない落ちこぼれのせいで」

「落ちこぼれって私のことですか」

「あなた以外に誰がいるの」

そう言い青年のお母さんは嫌味を言ってきた。

そして言い終わったあともう子供じゃないんだからいうことを聞けと言った。

馬鹿にするように。

それをお母さんの死んだところにいくたびに言われた。

もちろん無視して青年とあっていた。

でも青年と会うたびいつも元気がなかった。

むかしみたお母さんみたいに無理に笑っているという感じだった。

私は心配になり青年に聞いてもお母さんみたいにはぐらかされてしまった。

だから私は青年のお母さんに会ったときに聞いた。

そしてかえってきた言葉は母親とは考えられない言葉だった。

「あなたみたいなやつから離れろって言ったのにゆうこと聞かないから酷い目にあわせてるだけよ」となんの悪びれもなくそう言ったのだ。

私は怒りでいますぐ青年のお母さんを殴りたかった。

青年をどうにかしてあげたかった。

でもなにも出来ない。

子供だから。

私はそれを聞いてこれ以上青年を傷つけないように大人らしく大人しくいうこと聞いて青年から離れることにした。


「いなくなるってどうして」

「あなたのお母さんがきて私にあなたとはも

う近ずくなって言われたから」

「そんなのどうでもいい。

言われたからって」

「どうでもよくないよ。

私のせいでお母さんと関係が悪くなってるのは知ってる。

あなたがそのせいで苦しんでいるのも。

だから私はここにはもういられない」

「あんな人の言うこと聞かなくても」

「あんなんじゃないよ。お母さんだよ。

どんだけお母さんがひどい人でもお母さんはこの世で一人しかいないんだよ。

だから大切にしないと駄目だよ」

「あんな人お母さんじゃない」

「お母さんだよ」

「どうして。

血が繋がってるから。

それだけで母親なの」

そう言うと女の人は無言になった。

「そうじゃないよきっと。

ほかになにかあるよ」

女の人は少しまをあけ不確かな答えをだしなにも言わず外に出ようとした。

止めちゃだめ。

僕はそうわかっていた。

でも僕はまだ女の人と離れたくなかった。

だから「10年後ここでまた会おう」と思わずそう口にでた。

「わかった」

そう言い女の人は僕の世界からいなくなった。

僕は言えなかった言葉四文字を最後女の人がいないところでいった。

僕はそのあと女の人にメールを打った。

でも返信はこなかった。

悲しかったけどこれでいい気がした。

そして次会うときは女の人に誇れるような自分でいようと思った。

思っただけだった。

そして日々が過ぎていった。

女の人がいなくなるのは仕方ない自分で選んだんだから。

女の人は自分のことを考えて行動してくれたんだから。

受け止めて、我慢して、残ったことを全力でやろう。

失ったものより得た物を数えよう。

-----僕はそう思えなかった。

どうしても失ったものを数えてしまう。

変わらないとわかっていてもこうすればよかったと考えて過去を恨んで過去に囚われてしまう。

僕は大人にはなれなかったんだ。

卒業証書をもらってもお酒を飲めるようになっても。

僕はある日から勉強もせず。

親に甘えていられる歳じゃないのに家に引きこもり親に甘えて生きていた。

お母さんと仲良くなれず女の人の心も無下にして。



お父さんが書いた手紙はここから明らかになにかか変わっていた。

綺麗で少し薄い文字ではなく。

文字は汚くでも濃く強く。

なにかを恐れてでもなにかを伝えようとしてるような感じだった。

文のはじめは自分を嘲笑うようにこう書かれていた。

本当にくだらない人生だった。

最低な人生だった。

いや僕は死んでいた。

あんな人生過ごしておいて生きてるって言ったら本当に生きてる人に失礼だ。

だから僕は死んでいた。

一体僕の人生は死んでるのとなにが違うのだろう。

僕は呆れられた親に家を追い出された。

そして僕は捨てられた赤ちゃんを連れて値段が安いマンションに暮らしはじめた。

僕はほとんど赤ちゃんの面倒を見ず必要最低限のことをやるだけだった。

では僕はなにをしていたかと言うと布団に包まり寝ていた。

それしかやることがなかった。

寝ることで辛い現実にむきあわなくしていた。

女の人がいなくなってできた虚無感から布団で現実を隠した。

少し経ちお金がなくなってきて僕は働くことにした。

でも何故か面接を受けてもなかなか採用してくれず何回か落ちてやっと採用してくれるところが見つかった。

「よろしくお願いします」

僕は挨拶をした。

「取り敢えずそこにあるマニアル見といて」

「はい」

僕はそう言いマニアルを読みはじめた。

読んでいると怒鳴り声が聞こえた。

「すいません」女の店員は頭をさげて謝っていた。

「すいませんで済むと思ってるのか」

それを見て周りの人は「また店長八つ当たりしてるよ」「あの人可哀想」など言い誰もが見てるだけで止めなかった。

それは僕も同じだった。

そして仕事をはじめて少し経つと僕も店長によく怒られた。

僕は少し抵抗を覚えながら謝らないと説教が終わりそうではないので謝った。

僕はそのときどうしてこんなことしてるんだよ。

ストレスが溜まっていた。

僕の理想はこんなんじゃないのに。

いま思えば僕は周りの目ばかり気にしていた。

僕はプライドが高かったのかもしれない。

馬鹿にしてた人を見返したかった。

人を見下したかった。

でもできなかった。

だからだろう。

馬鹿にされるのが辛かった。

そして少し経つとお店で働いてる人全員で飲みにいくことになった。

いく途中店長の自慢話しを聞いてるとお店についた。

店内は綺麗で人の喋り声で賑わっていた。

「じゃみなさんなにを頼みます」

そうリーダー的存在の人が言った。

「じゃビールで」

「じゃ俺もそれで」

そう言いみんなビールを頼みはじめた。

僕もビールを頼んだ。

また店長の自慢話しを聞かされたその間にビールはきた。

みんなビールをごくごくと飲みはじめた。

「美味い」

そんなビールの感想を言い和気藹々とした空気だった。

「本当お前は使えないよな仕事は遅いはそのうえ仕事のできはひどいは本当使えないできそこないだよ」僕にむけて店長はそう言った。

その言葉で周りの和気藹々とした空気が嘘だったみたいに悪くなった。

「やめましょうよこんなところで」

そうリーダー的な人が和気藹々とした空気を取り戻そうとそう言った。

「おまえもそう思うだろ。

はっきり言って迷惑だよ。

猫の手のほうがまだいいよ。

おまえより愛想があって」

僕は席からたった。

「なんだよ。やるのか」そう馬鹿にするように店長は言った。

僕はビールのせいか感情をコントロールできなくなり思いっきり店長の顔を殴った。

店長は椅子からずれ落ちた。

「てめー」店長はそう言い殴りかえした。

僕は力がつき床にころがった。

店長はそんな僕を蹴りつづけた。

店長は周りの人に止められ蹴るのをやめた。僕は体勢を整えて店長を睨んだ。

店長も僕を睨んだ。

「二人も喧嘩しないで飲みましょうよ。

焼き鳥もありますよ」

僕達はそう言われ大人しく席に着いた。

「くっそ」僕はビールを一気に飲んだ。

すると同じ新人社員が「悪口いった上司を殴ったのかっこよかったですよ」

そして僕が一人のことに気がついてか気をつかって横に座った。

そのあと二人で話した。

久しぶりに人と話してたのしかった。

そして少し経ち同じ新人社員とよく話すようになり今はある話しをしていた。

「やっぱムカつきますよねあの上司。

そうだ一緒にいたずらしません」

「いたずら?」

「そうだ上司て今日上の人に資料提出するんですよね。

それを落書きの紙に変えるとかどうですか」

そう言い僕達はいたずらをすることにした。

そして終わると新人社員は「明日が楽しみですね」とヘラヘラと笑っていた。

そして新人社員が楽しみにしていた明日になった。

僕は仕事場にいくと怒られてる同じ新人社員がいた。

同じ新人社員は僕に気づくと睨んだ。

僕はそれから目をそむけた。

僕は明日上司に告げ口したのだ。

何故なら社長は上司がお気に入りらしくつぎ

問題をおこしたらクビといった。

僕がこのまま新人社員と一緒にいたずらをしたらバレない保証はないし災厄な場合問題をおこしたということでクビになる。

だから僕は裏切った。

そして謝れば全部まえみたいに変わらず過ごせると思った。

でも違く関係は戻ることはなかった。

でも一番の問題はそれを自分のことを悪いと思わなかったことだ。

だってと僕は言い訳をしたのだ。

だから心から謝ろうとしなかったのだ。

そしていつしか僕は裏切り者と噂が広がり誰もかかわろうとしなくなった。

そしてそのとき会社の不景気で大規模なリストラがおこなわれることを知った。

僕はそれを聞き店長の機嫌と信頼をえるため殴るほど嫌だったことをやったのだ。

実際これは大成功だった。

自分が悪くなくてもどけ座さえした。

店長に合わせて悪口を言った。

そこには同じ新人社員もいた。

そして僕は同じ新人社員と会社でトイレであったそこには解雇と書かれた紙を持った暗い顔をした新人社員がいた。

同じ新人社員は優秀で解雇されるような人じゃない。

でも自分はわかっていたいつも上司に同じ新人社員の悪口を言っていた。

いたずらをしようとした。

全部僕が原因だった。

同じ新人社員は僕の横を通った。

僕は裏切り者と言われてるような気がした。

そのとき僕は自分が罪を犯したことに気がついた。

罪を犯したらもう取り返しのつかないことも。

後悔は後にしかおこらないことも。

でも僕は気づかないふりをした。

そうやって気づかないうちにまた罪を犯した。

僕はこの日からお酒を大量にまた飲むようになった。

誰か教えて欲しい僕はなにを間違えていたんだろう。

僕はそうして都合のいい人を探していた。

そんなことを続けて僕は家で寝ていると赤ちゃんの鳴き声で邪魔され僕は赤ちゃんを泣き止ませようと思わず力がはいり腕を思いっきり握り潰した。

赤ちゃんは泣き腕は赤くなっていた。

僕はもやもやした気持ちが少し晴れていった。

人を傷つけることで。

そして赤ちゃん相手に傷つけたり愚痴を言うようになった。

そしてビールを飲んだ。

これで虚しさから逃げた。

そして缶のゴミが日が経つほど増えていった。

ゴミみたいな空っぽな捨てたい日々が続いて変わろうとしたけど思うだけで夢ばかりみて誰かが救ってくれることを望んでいた。

そしてまた缶が増え生きる理由は増えなく死ぬ理由ばかり増えていった。

そして気づけば大量にあったビールの残りもなくなって今飲んでるビールを飲もうとしても水滴が垂れてくるだけで喉を潤すことはなかった。

そしてそんなことを繰り返し変わらないままあの日から10年が過ぎた。

もう僕は泣いたり変わろうとしなくなっていた。

悲しい気持ちや苦しい気持ちそんな覚悟の証を忘れてしまったのだ。

こんなクズのままで別にいいと満足しクズであることに嫌だと思わなくなにも感じなくなっていた。

嫌なことをされてもヘラヘラと笑うようになっていた。

そして承認欲求が歪み人を殺したというニュースをみた。

もしかしたら僕は平然と人を殺す人よりよほどクズなのかもしれない。

そして明日女の人と約束した日だ。

嬉しかった。でもこんなクズになってしまい会うのが少しやだった。

女の人と別れるとき自分で言ったことを叶えられていなかったから。

そしてその夜に赤ちゃんではなくなった少年がテストを僕にだした。

僕はそこで自分が少年にたいして間違えたことをしたことに気づいた。

はじめは嬉しかった。

でも無理をしてテスト勉強をしてると知ったとき僕は怒った。

テスト勉強は大切だ。

でももっと大切な物があると思ったでも僕はそう言えなかった。

でた言葉は「そんな勉強できてどうするそんなの意味ないただ俺みたいに落ちぶれていくだけだ」と言う自分のことしか考えていない自分を呪った言葉だった。

少年はテーブルを投げた。

そんな少年の顔を見て思った。

どうしてそんな辛そうな顔をしてるの。

そこからだろうか自分が間違えたこと気がつきはじめたのは。

そして少年の言葉を聞いてわかった。

少年はずっと愛されていないと思っていたのだ。

だから手にコンパスを刺すという狂気的な行動をしたのだろう。

愛されたいがために。

少年は出ていこうとした。

僕は君を愛してる。

なのにどうしてわからないの。

僕は少年が出ていくのを止めた。

そういえば彼になにかしてあげたっけ。

少年は僕の手を振りほどき僕のほをたたいた。

「僕のこと少しはわかった。

痛いでしょ想像するよりずっと。

痛みはね想像するよりずっと痛いんだよ苦しんだよ」

僕はその言葉を聞いて愛してた人をこんなにも傷つけていたことに気づいた。

そして少年は家から出ていった。

僕は一人になった。

いやずっと一人だったのだ。

そして気づいた。

愛されたいならなにかをしてあげないといけない。

与えて欲しいなら与えないといけない。

なにもしてないのに愛されようとするのは与えてないのに与えて貰おうとするのは傲慢だ。

僕は自分の過ちに気づいて僕は泣いた。

そして次の日少年が自殺したというニュースが流れてきた。

僕はその日罪滅ぼしに自殺した。


ごめんなさい。

口だけでなにもできなくてごめんなさい。

簡単に人を傷つけるのに傷つけられたことを怒ってごめんなさい。

人を傷つけるくせに人にすがってしまいごめんなさい。

人にすがってばかりで人になにもしてあげられずごめんなさい。

親が頑張って産んだその期待をこたえられなくてごめんなさい。

その期待を答えようとしなくてごめんなさい。

なにもできなくてごめんなさい。

なにもしなくてごめんなさい。

臆病で怖がりでごめんなさい。

周りのことを考えずいつも自分勝手に生きて迷惑ばかりかけてごめんなさい。

いつまでも子供で大人にはなれなくてごめんなさい。

自分が間違ってるとは考えなくて人を恨んでごめんなさい。

生まれてきてごめんなさい。

どうしようもないクズでごめんなさい。

僕は大人にならないと駄目なのに子供の頃できなかったことを大人になって埋めようとしたんです。

どうかこんな駄目な大人じゃなくしっかりとした大人になってください。

そして幸せになってください。

いつか90年後か100年後会ってどうか私に謝らせてください。

そして許されるなら幸せな人生を歩んだ話しを笑いながら聞かせてください。

僕は手紙を読み終えた。

僕が父を最後追い詰めたんだ。


「許してあげてそうは言えないけどでも貴方の父は」

「やめてください」

僕は僕の父の友達の言葉を遮り言った。

「僕は父をどう思えばいいんでしょうか。

僕のことを思ってくれてたとはしても傷つけられたんです」

「わからないけど。

青年が雪のなかで拾ってくれたって知ったとき笑っていたよ」

父の友達はそう言い近づき「なにかあったらここに電話してできるだけ力になるから」

そう言い父の友達は住所と電話番号が書いてある紙を僕に渡し病室をでていった。

「過ちを犯した人は死なないといけないんですか。

過ちを犯しそれを悔いて人に優しくなった。

それでいいじゃないですか。

それで許されることはないけどそれしか出来ないでしょ。

生きて罪を償いなよ。

どうして死んじゃうの馬鹿」

ドアに寄りかかり僕の父の友達はそういった。

「ごめんね。気づかなかった。

泣いてるなんてみっともないよね。」


「ただいま」

一人の声だけが静かに家に響いた。

僕は自分の家に帰っていた。

たんいんしたわけではなく家に少しの時間帰っていいか聞いて夜までに帰ってくることを条件に家に帰ることをお医者さんが許可してくれた。

そして僕は父のへあのドアを開けた。

今まで一度もはいったことのないへあだ。

そこにはひとつの箱があった。

僕は箱を開け箱の中身を取り出した。

中にはたくさのおもちゃがはいっていた。

たくさんの愛をつめて。

僕はそれにやっと気づいた。

「ちゃんと渡してくれないとわからないよ」

僕はそう言い箱のなかにあった鈴を手に持ち鳴らした。

リーンと悲しい音が響いた。

そのあと少しおもちゃで遊んだ。

もちろん面白いなんてこの年で思えるはずがなかった。

僕は少し経ち一つの紙を見つけた。


少年と会い何日かたった。

私はリビングで一人座っていた。

するとピーポンとインターホンがなった。

私は誰だろうとドアを開けた。

するとそこには大きなバックを持った少年がいた。

「どうしたの」

「ハアハア」

少年は急いできたのか息が荒かった。

「お話しがあります」

「とりあえずなかにはいろ話しはそのあとに聞くから」

「これを」

少年はいそいでるのか私の話しを無視して大きなカバンを渡した。

「なにこれ」私はカバンを受け取った。

「僕はこれで」そう言い少年は帰っていった。

私は不思議に思いながらリビングにいきソファに座った。

そして私はカバンのチャックを開けカバンを開けた。

中身はギターと手紙だった。

私は手紙を開き読んだ。

それは懐かしいある人の文字だった。


誕生日おめでとう。

遅くなったけどちょうどいいからいうね。

僕はギターを売ったと知ったときからずっと探していたんだ。

いつもお父さんとお母さんがくれた大切なギターがなくて悲しそうだったから。

手がかりが写真しかなくて苦労したけど頑張ってやっと見つけたんだ。

だからどうか受け取って欲しい。

君の大切なギターを。


私は箱を開けた。

そこには昔私が売ったギターがあった。


それからもう一個言わないといけないことがあるんだ。

僕に好きだよって言ってくれたときの返事、もういいかげんにしないと駄目だよね。

本当は橋のうえで勇気をだして言ってくれたとき言えればよかったんだけど嬉しくてなんて言えばいいかわからなくて言えなかった。

だから僕に言わせて。

僕も君のことが好きだよ。

君の自由奔放のところとか。

可愛いところとか。

優しいところとか。

全部好きだよ。

君を僕はずっと愛してる。


手紙はそこで終わっていた。

「遅いよ」

私は涙をながした。

「死んじゃたらもう会えないでしょ。

ありがとう。

愛してるよってみて笑って言えないじゃん。

本当に遅いよ」

涙はもうとまらず流れてきた。

「でも-----ありがとう私を愛してくれて」

このあと涙がとまったのはいつだっただろうか。

泣きすぎて疲れ寝てしまったのは覚えてる。


僕は父の友達にギターと手紙を渡したそして僕は家に帰りナイフをもっていた。

もう辛いよ。

父を殺して。

大切な人を奪ってしまって。

もう最低だ。

僕はナイフを自分の喉元にあてた。

「なにしてるの」

そう言う少女の声がした。

そして少女は強引にナイフを奪った。

「ねえここで君は死のうとしてたの」

僕は黙りこんだ。

「答えて」

「うん、死のうとしてた。

攻めればいいんじゃない。

どうして死ぬようなことするのって。

命を大切にしてって」

「わかってるのにどうして死ぬの」

「人から大切な人を奪った。

父を殺した。

もうそれだけで十分でしょ」

「でもそれはどれも君のせいじゃないでしょ。

それに君の父の遺言にも」

少女はそこまでいい口を塞いだ。

「盗み聞きしてたんだ」

「ごめん」

「僕ははじめ父が死んだって聞いて少し嬉しかったんだ。

だって死にたいと思ってた元凶が消えたんだよ。

これで幸せになれるそう思った。

だから生きようと思った。

「でも違った」

「違った?」

「生きてる以上不幸はおとずれるんだって。

永遠の幸せはないんだって。

父達の話しを聞いてそう気づいた」

「確かにそうかもしれないけど努力すれば生きてれば我慢していれば不幸を乗り越えて幸せになれるだから」

「知ってるよ。

生きてれば幸せになれることもなにもかも知ってる。

わかってる。

だって周りに幸せそうな人がたくさんいるしその人はいままでの人生の辛い経験を乗り越えて幸せになったんだから。

だから僕だけが幸せになれないはずがないんだ。

努力をしていれば。

いつかはきっと幸せになれるから。

いや、もしかしたら努力しても幸せになれないかも知れないでも生きていないと幸せになれないんだ。

だから生きなくちゃ。

それがみんなが言う正解のいきかたなんだ。

そんなのとうの昔から知ってるんだよ。

でも怖いの。それが幸せになれる方法だとわかっていても。

さきがわからないみちを進むのが。

そこに不幸があるんじゃないかと思うと。

傷つくんじゃないかと思うと。

足が震えて進むのが怖くなるの。

いやなの傷つくことが。

もうこれ傷つきたくないの。

いままで傷つき傷つくことの辛さを知っているから。

その救いのなさを知っているから。

だから戦いたくないの。

戦えば傷つくから。

でも生きてる以上人は戦はないといけないから。

強くならないといけないから。

ずっと子供みたいに甘えてられないから。

ずっと幸せがいいの。

僕はみんながいってるすぐ消えちゃう幸せなんていらない。

でも知ってるよ。

不幸があるから幸せはあるんだって。

ずっと幸せでもそんな幸せになれて気づけないんだって。

普通になってしまうんだって。

僕は幸せになるのも怖いんだよ。

不幸を試練だと思いありがたいと言う人もいるけど僕は不幸なんて嫌いだ。

ありえないけどできるならずっと幸せがいい。

でも生きてる以上必ず不幸になる傷つく。

そんな世界僕には生きられない。

耐えられない。

僕には生きる勇気がどこにもないの。

生きる勇気が。

たしかに不幸を乗り越えて幸せになれたらいいと思うよ。でも慣れない。

戦う勇気がないから。

生きる勇気がないから。

周りの人みたいに生きられないから。

できないから。

僕は-----」

僕がそう言い少女から強引にナイフをとりナイフをもった。

そして喉元にあてた。

笑えばいい。

死ぬ必要もなく死ぬ僕を。

ただ努力や傷つくのが嫌だからと死ぬ僕を。 

笑えばいい。

僕も自分のいじけなさに笑うよ。

僕はどこまでも子供なのだ。


アナザー


少年は最後勇気をだし決断したんだ。

少年が自分から望んだ幸せな決断を。

なのにどうしてこんな悲しんだろう。

幸せな決断をしたんだよ。

でももっとはやく過ちに気づいて少年に寄り添ってあげていたら結末は変わっていたのだろうか。

こんなはやくあわなくてすんだのだろうか。

でも少年と会えた嬉しさからそんな資格がないとわかっていても笑顔になってしまった。

「ただいま」

少年は一度も父にみせたことのない笑顔でそう言った。


この心の声が聞こえていますか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

子供 @aiueo113456789

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画