極限の孤独と、それを超越した美しさ

非常に詩的で、感動的な物語。

「絶望の先の陶酔」というのが、静謐ながらも力強く伝わってきます。

思春期の「誰にも理解されない深淵な闇」と、現在の「漆黒の宇宙」を重ね合わせることで、過去の傷や悩みが、この上なく広大な空間で肯定され、浄化されていく様子が感動的です。

「音のない世界」「冷たく美しい闇」「肌を刺すような冷たい光」といった表現により、無重力空間の感覚が読者にもリアルに伝わってきます。

すべてを手放した場所で初めて自分を見つけるというパラドックスが、この物語の核を表していると感じました。
究極の孤独の中で、逆にすべての存在との繋がりを見出すという、哲学的な美しさがあります。

2話目まででも確かに美しく完成されています。

3話目まで読むと、主人公の我儘の昇華が感じられ、生と希望としてのドラマとして完結して、とても綺麗です。

短い話の中に繊細な人の心が感じられました。

読む価値アリです。

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