幼い頃から、駄菓子屋のお兄さん(史さん)に一途な想いを寄せている楽くん。
大きくなるにつれて、その恋心も膨らんでいきました。そして、楽くん自身も自分の欲望を自覚します。自分は、史さんと「結婚」したいのだと…。
この物語を支えているのは、楽くんの大きな愛情です。いつだって彼を突き動かすのは、史さんへの特別な気持ちです。楽くんの決して揺るがない愛情に触れると、読者としても「どうかこの恋が成就してほしい」と心から応援せずにはいられなくなります。
しかし、史さんにはある秘密がありました。どこか不思議な力を持った商店街も関わる、大きな秘密です。この秘密を知った時、楽くんはどう思うのか、どんな行動をとるのかが、本作の注目ポイントです。
また、商店街を支える個性豊かなキャラクターたちも、物語の大きな魅力です。特に、お花屋さんの存在は、二人の関係に関わってくる重要なキャラクターです。私は、彼女が大好きです!!
たくさん泣いて、たくさん笑って、最後には暖かい気持ちに包まれる、私の口からは語りきれないくらい本当に素晴らしい作品です。
ぜひ、たくさんの方に読んでいただきたいです!!!
小学四年生の夏。金澤 楽くんは夏休み中に別の小学校へ転校します。
その理由は、三歳の弟の病気のためでした。
楽くんは夏休みの間、大好きな駄菓子屋のお兄さんのことを毎日、日記に付けていました。
提出されることのなかったお兄さんのことを書き続けた日記。それをお母さんが読んで笑います。
弟の事で心配ばかりだったお母さんの笑顔と駄菓子屋のお兄さんへの思いを綴った日記。
それから七年後、高校三年生になった楽くんが、以前暮らしていた町へ戻って来て、駄菓子屋のお兄さんに会いに行きます。
ところが、お兄さんには人には絶対言えない秘密を抱えていました。
叶う事のない恋なのか。
小学四年の頃から、ずっと思い続けてきた駄菓子屋のお兄さんに、楽くんはどんどんアプローチをします。その前向きで諦めない精神力に、読み手はぐっと気持ちをつかまれることと思います。
二人の間に立ちはだかる壁は、あまりに高いのかもしれません。楽くんたちは、どのようにその壁を乗り越えていくのか。
ぜひ、共に応援していただきたい。
お薦めの作品です。