ユウガオ〜儚い恋〜

みけ猫 ミイミ

恋は儚く散るも……。

 私には好きな人がいる。

 彼は同級生で高校三年生だ。

 好きになったのは高校の入学式当日。落としたハンカチを拾ってくれたのが最初で、その後もストーカーから助けてもらったりもした。

 そんな彼をドンドン好きになっていったけど、まだ告白することができずにいる。

 だけど卒業するまでには告白を絶対にするんだ。そう心の中で何時も思っている。


 そんなある日、文化祭のクラス実行委員に私と彼と友人が選ばれた。その際メールを交換し合う。

 その週の日曜日の朝。目覚めると彼からメールが来ていた。私は嬉しくて早速メールを開いてみる。


 えっ!?


 そこには目を疑うような文面が書かれていた。

 どうやら彼は間違えて私にメールを送ったようだ。

 そのメールをみた私は涙が止まらなくなる。そうそこには私のことが書かれていた。


 内容は……【もう少しで〇〇を落とせそうだ。でも、チョロいよな。優しくしてやっただけで好意を示してくるんだからよ。それで、そっちはどうなんだ?】


 そんなことが書かれていたのだ。

 泣きながら私は、メールに書き込んだ。


【チョロい女で悪かったわね。もう〇〇と実行委員以外では一緒に逢うつもりないから!】


 その他にも色々と書き込んだあとメールを送信する。

 すると、すぐに彼から返信されてきた。その内容は謝罪文だ。

 その文面を読むも許す訳もない。

 その後も彼からメールが来ても無視。勿論、学校でもシカトしていた。

 そのためか卒業までの数ヶ月は地獄のような日々を過ごすことになる。


 ……――三十歳を過ぎて、その頃のことを思い出した。

 この歳まで彼氏がいないのはこの時のトラウマのせいかと納得する。

 まあ彼氏がいなくても、それはそれなりに楽しく過ごせているのだから良かったのだろう。

 そして満面の笑顔で今日も家を出て会社へと向かったのだった。

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