第5話 『理系女子』と『文系男子』は今

 まだ肌寒さが残る三月、 いよいよ『本当のお別れの日』がやってきた。

 そう、『弥生三月、卒業す』の『卒業式』。


 クラス全員で頑張った三年間、各自が部活、恋愛、勉強に費やしたこの三年間、僕が費やした三年間『リケジョの佐藤さん』への想い。

 卒業式で涙をこらえ『答辞』を読み上げる僕。僕の『文章力』『表現力』

『流暢な語り』が卒業生、在校生、先生方、

家族の涙を誘う。

『いい卒業式だった』皆がそう口にする。

 卒業アルバムの最後のページに各々がメッセージを書き込む。

 僕は、人目をはばからず『リケジョの佐藤さん』に声をかけた。

 「佐藤さん、あのもしよければ……その、メッセージ書いてもらっていい?」

 「いいよ。かして」と彼女は僕のアルバムのページ書き込んでくれた。


 彼女からもらった言葉は、

 「浜本君みたいな人は周りを明るくして

くれる。

 これからも、その明るさ大切にしてくだ

さい。3年間ありがとう。お元気で! 

佐藤 凛」


 「ありがとう。大切にするよ」僕は嬉しくて彼女にそう言った。

 「浜本君、もしよければ私のにも書いて」

 彼女の言葉に驚いた僕は思わず

 「いいの? 僕が書いて?」と聞き返した。

 「うん」彼女からは優しい口調の二文字が返ってきた。


 「わかった」と言って僕も彼女のアルバムに書き込んだ。


 「塾で、話しが出来たこと楽しかったです。

 これからも自分の夢に向かって

頑張ってください。浜本和樹」

 書き終わると僕は彼女にアルバムを渡した。

こうして、僕の高校生活は終わりを告げた。



 それから、数年が経った。


 僕は高校生の頃をよく思い出す。

 僕は、大学で勉強し、念願の司法試験に

合格し弁護士として働いている。

 念願の『彼女』も出来、とても幸せな日々を送っている。


彼女からのラインが来た。

 「仕事終了」と彼女。

 「今どこにいるの?」

 「研究所」

 「今夜食事に行きたいけど、どうする?」

 「迎え着て」

 「相変わらず返信文、短か!」

 と僕はスマホを見ながら笑う。


 僕の彼女。

 そう、僕の彼女は『理系女』 

 通称:リケジョ。 

 可愛い、可愛い、

『ツンデレのリケジョのあの子』だ。


 そういえば高校生の時、検索画面で見たこと思い出した。


『文系男子の特徴』

惚れた女性を一途に思い続ける傾向があるってことを。


                     ~完~


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

 理系のあの子と文系男子 由南りさ @yaku7227

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ