26話 学校七不思議 合宿所の悲鳴

第二の敵。それは、泣きわめく子供。頭がかち割れるほど大きな声で泣きやがるのだ。くそくそくそくそくそくそ。

「ア………………………フ………………………ム!!!」

そんななか、ムッシーは反撃を試みている。ただ………………………よけられるのだ。こんな大きな体してるのに素早くよけるのだ。泣きながら攻撃をしっかりとよける。素晴らしい戦闘意識だ。単純に尊敬するのだが、やはり困る。一歩も動けない。一ミリも動けない。ただ耳をふさぐのに集中しているだけだ。このままだと本当に魔法の実験台になってしまう。まずい………………………と、次の瞬間、聞き覚えのある声がしっかりと聞こえてきた。

「『ベーゼベート』!!!!」

ズゴオオオオオオオオ!!!!!!という音とともに半透明のヒョウが、赤ちゃん(?)に飛びかかる。ピアノとともに吹っ飛ばされる。

「ギャーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

という、体が破裂するほど大きな 悲鳴 で、はじめて気づいた。こいつが、ペペパタージュ!!!つまり、"学校七不思議 合宿所の悲鳴"の犯人!!!

「ベー…ーㇳ」

今度は巨大な猛牛?が突っこんでいく。ゴオオオオオオオオ!!!!壁と角に挟まれる。声のほうを見ると…ロット先生!!さっすが!!

「ウギャーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!」

ぐうう…………………うるさすぎる………………………

「ベーゼ……ト モンス……………ルム」

今度は、化け物?恐らく、魔物だろう。よくゲームに出てくるトロルのような奴が出てきた。

「いけ」

ロット先生が手を天井から床に向けると、それに伴って、トロルの棍棒もペペパタージュに振り下ろされる。

ズゴオオオオオオオオ!!!!!!

床にめり込むが、お構いなしに泣き続ける。

「ウギャーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!」

なぜだ?こんな攻撃食らってるのに………………………捨て身の攻撃でもしているのか??

「はぁ………………………んどくさいなぁ………………………ベーゼ…ベー… グロース」

すると、数えきれないほど大量な魔物が出現し、総攻撃を始めた。

「ギャーーーーーーーー………………………」

ついに、悲鳴が消えた。

「「「はぁぁぁ!!」」」

苦しみの開放で、つい声が出てしまった。

「ふん」

ロット先生は腕を振り払って魔物を消した。かっこいい。かっこよすぎる。イケボで、クールで、強くて、教師って、もう何でもありだぁ!!!

「ううぅぅ………………………ゼーベルさまぁー」

ペペパタージュがボロボロになりながらもゼーベルの名前を連呼している。

すると、黒い霧が出てきたと思えば、その中からゼーベルが出てきた。

「おうおう、ペペパタージュ、どうしたんだ?そんなボロボロになって…あ。お前はたしか………………………宮殿で出会ったやつだな。ついに、やりやがったか………………………おまえ、"学校七不思議 連続殺人事件"を知っているか?」

連続殺人事件はたしかグランツ校長が謎だらけで全く情報がつかめないと言っていた七不思議だったはず。

「ああ、しっている」

「なら話が早い。連続殺人事件の犯人は俺だ。」

「「「え!?」」」

ロット先生も、かなり驚いている様子だ。

「一つヒントをやろう。 勇者の下にわが基地眠る。 知らない奴は全く分からない。だが、わかるやつはピンとくる。まぁ、貴様らの仲間には教師がいるからな。すぐわかると思う。貴様らと戦う時を楽しみにしているぞ!うはははははは!!!」

するとすぐに黒い霧が大量発生した。

「!!!、まて!」

ロット先生が慌てて手を黒い霧に突っ込むが、すでに手遅れで、もうその場に、ゼーベルもペペパタージュもいなかった。

「あ、あの………………………ありがとうございました。」

ロット先生に礼を言う。

「ああ、ちょうど、やるべきことが終わって、学校をぐるぐるしてたら、ものすごい声が聞こえたんでな。」

「「「ありがとうございます」」」

みんな礼を言う。

「それにしても………………………まさか、三年生、ゼーベルが連続殺人事件の犯人だったとは………………………」

「「「………………………………………………」」」

「『勇者の下にわが基地眠る』………………………」

ロット先生はゼーベルが出したヒントについて考える。

「………………………とりあえず………………今日はもう帰れ。私が考えておく。グランツ校長にも相談する。」

「「「はい」」」

そうだな。もう疲れたし。今日はもう休むとするか。


そして、翌日、俺たちはグランツ校長に呼び出された。

校長室にはいる。

「「「失礼します」」」

「おお、よくきたな。例の連続殺人事件についてじゃ。お前たちも見たことあるかもしれんが、この魔法学校の校庭には"勇者の銅像"がある。お前たちも授業で習ったじゃろう?"三代勇者"のことを。」

やっべ…しらねー、授業聞いてなかった………………………

「約350年前、一人の勇者、『クリス』と名乗る、勇者が誕生した。クリスは、一度、魔王を封印したのだ。それで、人々に感謝された。

約300年前、50年でついに、魔王の封印が解けてしまった。人々はさらに、苦しむ。それから、2年後、勇者が誕生する。その名を『ライト』と名乗る。ライトは魔王をクリスよりも強力な結界で封印することに成功。」

ノエルがペラペラしゃべりだして、必死に頭に入れていく。てか、ライトって…一年生最強決定戦でいたような…いや、世界には同じ名前の人は大量にいるからな。うん。

「そして、200年前。またもや、封印が解かれる。だが、ちょうどその時、『フェテン』と名乗る勇者が現れる。そして、今までで一番強大な結界での封印に成功。今もなお、魔王は天空で封印されている。」

おおおお。さすがノエルといったところか。頭の中でメモメモ。

「そのとおりじゃ。では、基地の場所の予想を教えるとするかの」

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三代勇者 @SHUMAI158

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