季節のバラード

アイスレイン

触れ合う　確かめ合う

折しも　寒さ急激に　増して

できれば　ぬくもりを

与え会う

突如　揺り起こされる

長袖Tシャツ

いつものように

窓を開ければ

ヒヤリ　と冷たい

風の洗礼

まだ　衣替えの済まない

クローゼット

なるたけ　あたたかな

上着を羽織る　　

置き去りにされた

真っ赤な自転車が

クシュンとくしゃみ

窓辺から　冷たく降り注ぐ

あめをみている

冷たい雨　止むことを

わすれているようだ　　　

ふりやまない雨

せめて

抱きしめて　あげたい

今　キミのこころを

夢中で駆け抜けた

あの夏

日焼けした

パラソルがまだ　

熱を帯びたまま

秋が存在感を　あらわに

そのたび　

過ぎた季節を

恋しくおもう

あなたが去った

そのあとに

静かに途方に暮れるように

そして　私は

取り残される

ミー

ミー

仔猫が　車のしたで　

ぬれしょびれ

雨宿りというには

過酷すぎる　試練

雨は尚も　強く降り注ぐ