第74話 双子の悩み
「ねえ、ママ。私たちって本当に双子なの? 本当に同じ日に生まれたの?」
「双子っていうと、顔がそっくりだったり、性格が似てたり、普通のきょうだいよりも共通点が多いはずだよね?」
「だけど私たちは違う。私は女の子で弟は男の子。私は外で遊ぶのが好きだけど、弟は運動嫌いでいつもゲームばかりしてる。勉強が苦手なのは一緒だけど、それは双子とは関係ないわ」
「顔も全然似てないよね。食べ物の好みも違う。好きな色、好きな歌、好きなゲーム……どれも違うよ。おかげで、いっつも喧嘩ばっかりだ」
「せっかく双子なのに、ひとつも似ているところがないなんてつまらないわ。友達からも、本当に双子なのって疑われてるくらいなんだから」
そんな私たちの不満を聞いて、ママはなぜか吹き出した。わけがわからず顔を見あわせる私たちに、ママは言った。
「あんたたち、考えてることはそっくり同じじゃない」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます