第45話 気長なラブレター


 あなたのことが好きです。

 友達からでもいいですので、どこか一緒に遊びに行けたら嬉しいです。

 もしダメなら、きっぱり断ってください。

 お返事、待ってます。


 学期末の成績で一喜一憂する教室を出て、こっそりと図書室で時間をつぶす。

 そして、校舎から人がいなくなるのを待ってから、作戦を決行した。


「今どきラブレターとは、やるなぁ」

 事情を打ち明けた僕に、友人が電話の向こうで称賛の声を出す。


「だって、メアド知らないんだから、しょうがないだろ。それに直接だと、緊張して変なこと言っちゃいそうで怖いし」

「でも、なんで自分のラブレターなんかコピーしてあるんだ」

「僕って忘れっぽいから。何を書いたか、忘れないようにと思って」

「で、まさか切手を貼り忘れたとか、そういうなオチはないだろうな?」

「封筒に入れて、彼女の下駄箱にいれてきた。あとは返事を待つのみ」


「気の長い話だな」

「なんで?」

「だって、おまえ。明日から春休みだぞ」


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