第28話 お隣さんの三つ子


「ねえ、あなた。お隣さん、無事に赤ちゃん産まれたんですって」

「そうか。それはよかったな」

「今、見せてもらってきたんだけど。三つ子ちゃんですって。もう可愛いのよ」


「しばらくは大変だろうな」

「そうねえ。母親1人で育てるんですものね」

「そうじゃなくて。夜中にうるさくて、大変だろうなって話」


「あんなに可愛いんですもの。少しくらいうるさくても許せるわよ」

「うちの娘が夜泣きした時には、おまえもずいぶんイライラしてたじゃないか」

「そりゃそうよ。お隣さんと一緒にしないでちょうだい」

「それもそうか」


「ねえ、なんだか、うちにも欲しくなっちゃったわね」

「おいおい、昼間っから何を言ってるんだ」

「違うわよ! お隣さんにね、もらって欲しいって言われたのよ」

「ああ、なんだ」

「うちの子も小学生になったし、手伝ってくれると思うわ。ね、いいでしょ?」


「しょうがないな。散歩は、おまえがやるんだぞ」

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