第16話 その後のシンデレラ


 不思議に思いませんでしたか?

 なぜ、魔法がけた後もシンデレラのガラスの靴だけは残ったのでしょう。

 それにはこんな理由がありました。


 王子様との運命的な再会を果たして3ヶ月。

 ある夜、結婚を控えたシンデレラの元へ、魔法使いのおばあさんがこっそりと訪ねてきました。


「疲れた顔をしてるね、シンデレラ」

 その言葉に、シンデレラはせつないため息をつきました。


 宮廷作法や王国の歴史、あるいは宮殿でのしきたりや序列など、貧しい平民の生まれである彼女には、覚えなければならないことが山ほどあったのです。さらに、王子との結婚を快く思わない人々からの、心ない嫌がらせもたくさんあります。素直で心優しい彼女は、ほとほと疲れていました。


「魔法でなんとかしてあげようじゃないか」

 1度ならず2度も助けてくれるなんて!

 シンデレラはわらにもすがる思いで、その言葉にうなずきました。


「それで、前の分とあわせていくら出すかね?」


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