第11話 3つの願い


「あなたの魂と引き換えに、願いをかなえてあげるわ」

 男が苦心の末に呼び出した悪魔は、ぞくりとするほど妖艶ようえんな美女の姿をしていた。


の願い、じゃないのか?」

「残念だけど、あなたの場合は2つなの」

「そんな」

「嫌ならいいわよ。わたし帰るから」

「待ってくれ。わかった、頼む。俺にはもうこれしかないんだ」


 事業失敗、借金、倒産、破産、離婚。

 1度は栄華を極めた自分が、この10年間にどれだけ大変な目にったのか。男が語る話を、悪魔は半ば退屈そうに、それでいてどこか面白そうに聞いていた。


「ようするに、絶好調の頃の自分に戻りたいんでしょ?」

「そうだ。この10年をにして、全てをやりなおしたい」


 男の願いは叶えられた。

 そして10年後。


「あなたの魂と引き換えに、願いをだけ、かなえてあげるわ」

 男が苦心の末に呼び出した悪魔は、ぞくりとするほど妖艶ようえんな美女の姿をしていた。


「3つの願い、じゃないのか?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る