第4話 ベスコフ#どんぐり そしてコリス


玻璃の音*書房の庭には コリスが住んでいる

多分男の子 しっぽはふかふか


今日も集めたドングリを並べて絵を描いている

ぼくは こげ茶色に塗られた縁側に座って

それを眺める


庭には 赤い楓や黄色の銀杏いちょうが散らばって

コリスが お皿代わりに拾っては 縁側に並べる


時々 ぼくらはチェスをする

駒はいろいろなドングリで

たとえば 歩兵ポーンは、ちいさなドングリたち

王様キングは、どっしり丸くて大きな笠をのせている

先が尖っているのが、騎士ナイト


コリスは意外と強くて

いたずらそうな瞳で ぼくを見つめながら

ぴしりと音を立てて駒を進める


ゆうがたの遮光線

ぼんやりと オレンジの光がそこら中に舞う中

ぼくらはまた つづきを明日にのばす

柚子さんのハーブティーをのみながら






*今日の1冊 エルサ・ベスコフ「どんぐりぼうやのぼうけん」

 どんぐりぼうやの二人は 葉っぱに乗って行方不明

 リスたちが捜索に向かいます

 ベスコフは 自然や日々の暮らしを美しく描く スウェーデンの絵本作家

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