第3話 クウヘンさんとロウライ
柚子さんのご主人の名は、
玻璃の音*書房の奥には ちょっとしたカフェがあって
そこでクウヘンさんは
月兎印のポットで珈琲を入れてくれる
あたたかいキャラメル色の
放浪の いや 琺瑯のポットから上がる湯気
豆を挽く音は すべてに優先され
珈琲の香りは すべてを代表して そこに存在する
クウヘンさんがいない時は 柚子さんが
紅茶 あるいは ハーブティーを入れてくれる
だから2つのメニュウがある
柚子さんは珈琲を入れるのが下手なんだって
クウヘンさん曰く 愛が足りないんだよねって
何に対する愛かな
時々、柚子さんの焼いたお菓子が並ぶこともあるけど
ちょっと ちんまりしている
はじっこの少し焦げたところがすきだ
*
クウヘンさんの本業は カメラマンだ
東京で仕事をしていたが おじいちゃんが亡くなって
ここへ帰ってきた 花嫁をつれて
クウヘンさんは時折、 ロウレライという
レンズが2つ並んだカメラをもって 散歩に出かける
ロウライ、とクウヘンさんが訂正する
*今日の道具 月兎印のポット
一つ一つ職人さんが手作りしている 昔ながらのホウロウポット
これで珈琲を入れると 魔法がかかるとか かからないとか?
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