木漏れ日の庭

作者 朝陽遥

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11人が評価しました

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★★★ Excellent!!!

――

老いて役立たなくなった肉体のパーツ交換は
介護より優先的に行われる医療的措置であり、
世界中のどの国でも、生まれてきた子供には
《チップ》を埋め込むことが義務付けられている。

そんな未来の時代には、情報は《チップ》からDL。
文字情報を逐一目で追う読書などという趣味は、
ひどく懐古的で風変わりで、骨の折れることだ。
わざわざ仮想図書館に通う変わり者も多くはない。

そんな仮想図書館で53歳の「わたし」が出会ったのは、
古典ばかりを好んで読む25歳の美しい青年、サイトー。
若作りも恋も頑なに拒んできた「わたし」だったが、
サイトーに惹かれてしまう気持ちは否定できなかった。

本作を通して、改めて読書の楽しみを噛み締めた。
年齢を重ねることの描かれ方が厳しくも優しくて、
美しい庭でのティータイムの語らいに胸が熱くなる。
浮かれた年の差恋愛の話ではなく、もっと普遍的な。

面と向かって語らう時間に存在する行間の優しさを、
血の通う手を重ね合うぬくもりから読み取った。

★★★ Excellent!!!

――

とにかく読んでほしい、そしてこの物語について語り合いたい、そう思う物語でした。
叶うならば、ネットで読むのではなく、それこそ物語の中のような、木漏れ日の下紙媒体の本で読みたいと思いました。

目の前に情景が浮かぶ、とても素敵な物語です。是非、沢山の方に読んでいただきたいです。

作者様へ、素敵な物語をありがとうございました。

★★★ Excellent!!!

――

まず、この物語を綴ってくださって、ありがとうございます、と作者さまにお礼をいいたいです。
そしてこの場に発表してくださって、ありがとうございます、と。
この物語に出逢えてよかった。
夢中になって読み進め、最後の「ページ」に辿りついたとき
わたしは胸がいっぱいになりました。目はかすかに潤んでいました。
それは感動のあかし。
そこに滲む漿液のようなものの正体に名前をつけるのだとしたら、
わたしがこの物語から読み取った母音二文字であらわされる言葉を当て嵌めたい。
これは「恋」の物語ではない。人間と人間の心がかよったときにだけ感じることのできる「愛」の物語です。