第16話 面白い作品・面白くない作品 ②
前回は十二国記を例に挙げましたが、もう1作品、例に挙げたいと思います。
『バッテリー』(カドカワ)です。
青春小説の代表作とも言え、ドラマ化し、今夏でアニメ化も決まった作品です。
ざっくり言ってしまえば、「中学生が野球部でおくる青春小説」。
(これよりネタバレを含みます)
これだけ聞けば、「野球部所属の中学生が、部活で汗を流し、大会で優勝するまでを描いた小説」と思うかもしれませんが、バッテリーは小説の中で一度として公式の試合をしていません。
はい、1巻はまるごと中学入学前のキャッチボールと友情の話ですし、2巻で主人公が入学しても、野球部は部内の不祥事により休部となり、その年の公式戦は一切出場しません。
ですから、主人公たちは野球部で汗水流すと言うよりかは、公園や空き地で練習をしたり、練習試合を組んだりします。
その練習試合も全6巻のうち、たった2回しかしません。
では、主人公たちは全6巻で何をしているのか?
主人公たちは反抗期から思春期になる多感な時期に、野球の才能、仲間意識、家族との折り合いに悩み、喧嘩し、距離を置き、仲直りをしたりを繰り返すのです。
なので、バッテリーは野球をするシーンよりも、周りとの折り合いに悩むシーンのほうが多い作品です。
バッテリーはライトノベルではなく、児童文学というジャンルですが、カクヨムでも心理描写を細かく描き、純文学寄りの作品は見かけます。
それでも、やはり、こういった作品はランキングの上位には入りにくいのが実情です。
では、どうすれば、十二国記やバッテリーのよう系列の面白い作品が、ウィブ小説サイトであるカクヨムのランキング上位に入れるのでしょうか?
ここまで大口を叩いておいて、申し訳ありませんが、私も未だ模索中です。
私も、どちらかと言えば、ライトノベルらしいライトノベルを書くほうではないので、悩んではいるんです。
ですが、今更、「方向性を変えるのも・・・。書き方を変えるのも・・・。」と思い、「ランキング上位とは言わないけれど、圏外にならない程度には、どうにかして、ランキングにしがみ付きたい!」と日々思っているのですが・・・。
こればっかりは・・・。
エッセイとして、カクヨムで「ウェブ小説の書き方」や「★の入る作品の書き方」などの投稿されている作品をいくつも読んだのですが、「一話に詰め込む!」、「行間を空ける!」など、設定によっては、実行できないアドバイスばかり・・・。
(遠回しに責めているわけではありません)
ただ、これらのアドバイスから漏れてしまった書き手は、どうすればいいんでしょうね?
お恥ずかしながら、模索中で策にもなっていない策を挙げるならば。
・投稿が少ない「その他」のジャンルに、「純文学」、「青春小説」などと勝手に作ったジャンルをタグに書き込んで、投稿する。
・異世界トリップ(転生)であっても、トリップ(転生)する異世界がファンシーな世界ではなく、日本史などに出てきそうな世界観なら、「ファンタジー」ではなく「歴史・時代」に投稿する。
・・でしょうか。
もう、このようにして、名前や作品名を売っていくしかないような気がします。
実際に、このような作戦を取っている方がいると小耳に挟みました。
少し「え・・・。」と思う戦法かもしれませんが、良い作品が埋もれてしまうよりかは良いと思いますし、人気が出てきたら、本来の「ファンタジー」などのジャンルに戻れば、大丈夫な・・はず・・・。
分割してしまったため、最後のほうはグダグダになってしまいましたが、私が言いたかったのは、「面白い作品とは、ランキング上位の作品、レビューが多い作品、★が多い作品、閲覧数の多い作品だけでなく、ランキング圏外になってしまったがために、埋もれてしまっている面白い作品も沢山あるので、視覚的な評価だけで面白い作品、面白くない作品と決め付けるのは早計だと思う。」と言うことです。
(検索機能が弱いので、作品を探すのは大変だと思いますが、ランキングだけに頼らず、一度はランキング以外の方法で作品を探してみてください。今まで見たことがない、興味引かれる沢山の面白い作品に出会えると思います。)
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