ドラッグレース。
わずか1/4マイル(約400メートル)を駆け抜けるだけという、自動車による短距離走。
極めて単純。
そして単純ゆえに奥深い。
そんなモータースポーツに青春を賭ける主人公たち。
昨今のノベルでは希少になった、「熱くて」、「真っ直ぐで」、「青臭い」若者たちの姿がそこにはあった。
ただ漫然と年を取ってしまった自分にとって、思わず胸が痛くなりそうな、そんな「純真」がそこにあった。
「クルマもの」というジャンルで食わず嫌いしないで欲しい。
最後まで読み終えた暁には、きっと、この物語に続く「もう1ページ」が読みたくなるはずだから。