めンテナンス

一昨年の話。


当時大学生だった私は、あるサイトにはまっていた。(今でも大好きだけど)

ある時のこと、学校から帰ってきてPCでそのサイトを見るとポップでカラフルなイラストを背景に「メンテナンス中」という表示が出ていた。

(えー?今日一番好きなコーナーの更新日なのに。メンテナンスのお知らせとか出てたっけ?ちゃんと見とけば良かった…)

仕方なく、メンテナンスが終わるまで学校の課題のレポートに取り掛かることにした。



かれこれ2時間程経ち、23時くらいになったので、(そろそろいいかな?)と思い、レポートを閉じて開きっぱなしだったサイトを見た。

ぞっとした。真っ暗な背景の中、ページの真ん中より少し下あたりに10センチ程の1つの目玉が映し出されており、無表情にこちらを見つめていた。

背景の黒。白目の白。黒目の黒。

白の中にある黒が、両眼を見開いて驚愕している私を映し出していた。まるで鏡のように…

慌てて右上の×ボタンをクリックする。

目玉の上あたりに出現したPCの「すべてのタブまたは現在のタブを閉じますか?」という質問に(訊いてないでさっさと閉じろや!)と心の中で叫びながら「タブをすべて閉じる」を押した。

目玉を見たのは、時間的にはほんの数秒だったと思うが、もう心臓バクバクで、(今の何?何だったの?ドッキリ?)という考えが頭の中をグルグルしていた。その日は流石に怖くてPCを切って速攻寝た。


翌日、ビビりながらもサイトを見てみると、もうメンテナンス中でもあの目玉が現れることもなく、いつもの内容のものになっていた。

同じサイトが好きな友人達にそれとなく訊いてみたり、同じ体験をした人がいないかネット上で探したりしてみたが、結局あの目玉を見たという人を見つけることは出来なかった。


それ以降は何も変なことは起こっておらず平々凡々と暮らしているけど、いつから見られてたのかと考えると気味が悪くなるし、ああいう無表情な感じの目の人を見ると今でも怖くなる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る