文字通り戦場となった東京二十三区にて、天下布武ならぬ「戦争反対」を掲げる稀代の大うつけ女子とその仲間たちを中心に、現代の戦国絵巻と呼ぶに相応しい青春群像劇がユーモラスかつ緻密に描かれています。
登場人物それぞれに背景となる来歴があり、信念があるため、言動が生き生きとしていて、敵味方の別なく共感を抱かずにいられません。
「家族」とは、「守る」とは何なのか、期せずして考えさせられることも少なくなく。十代の多感な時期を戦乱と共に過ごすのはかなり骨が折れそうですが、愉快な仲間たちと大いに泣き笑いどざあに濡れそぼつのも、それもまた青春の特権なのかなあと羨ましく思ったり。
素晴らしい物語をありがとうございました!