どこか影のある主人公の帰省シーンから始まり、謎を残したまま、物語は高校時代の回想へ。
小さな誤解からクラスで孤立していた主人公と、彼を「普通の友達」として接してくれる、朗らかなヒロイン。ストーリーは一気に広がり、友人ができ、嫌な再会もあり、仄かな恋心も芽生え……
現実離れした人は誰一人いない、現実離れした展開もない。
それでも、全体を通して透けて見える、なんとも形容しがたい、瑞々しい青春の眩しさ。
そのルクスの強さに、読んでる目に徐々に負荷がかかり、チリチリと何かが焦げる音がして、視神経が焼き切れます。何も見えない。ただただ眩しい。青春ってすごい。
皆さま、被害覚悟でどうぞ。
物語のスタートは、主人公・玲央が久々に地元に帰ったところから。
ここで旧友と再会を喜び合うのですが……その中には、大切な人が足りない。
ここからその大切な人であるヒロイン・希との出会いへと回想に入り、彼女と過ごした高校時代が綴られていきます。
玲央の過去は、決して甘くはなくむしろ苦い。
けれど希と出会ったことで、彼の高校生活は大きく変わります。
まるで青い果実のような瑞々しい甘酸っぱさに溢れた青春の味に、涙が出そうになることも。
青少年ならではの苦悩、真っ直ぐに抱く夢、育ちゆく淡い想い、そしていつか待ち受けているであろう別れの予感……眩しいがゆえに落ちる影が切なく胸を締め付ける、青春ストーリーです!
第6幕//第6話まで読んだレビューになります。
第1幕は、訳ありな主人公である紫村玲央が地元に帰ってくる話で、この時点では吉田希という女と良くも悪くも何かがあった事(もしくは何も無かった)が語られるに留まっている。
それ以降、第2幕〜第6幕で語られるのは高校時代の話になる。
舞台ががらっと変わるのだ。
第1幕の雰囲気とは異なりながらも、相変わらず主人公に何かがあった事(第1幕とは別の事)を匂わせる。それを少しずつ明示していくのだがそれがとても丁寧な筆致で書かれているので読んでいて情景などがよく伝わってくるのが良い。
しかし丁寧すぎる為に物語の中において、ここはテンポよく読みたい。と思える部分のテンポが悪いようにも思える。これは個人の感覚の問題なので.気にならない方は気にならないレベルだとも言えるが……
今現在(第6幕//第6話)、物語は楽しい方向に進んでいる分、前半部分の重い雰囲気が戻ってきた時のギャップでメンタルがやられてしまいそうだ……
しかし、それこそタイトル通りにドラマティックな展開が訪れるのではないかと期待して続きを待つ事にする。