第4話 人魚には美人もブスもいるんです。

馬車で揺られること7時間。

ようやく海にたどり着いた。

ザザーっと波がよっては離れていく。

中2のころやったな。海陸風について。

今は昼だから…海風か。

風が潮の匂いを送ってくる。あんまり海に行かないからちょっと新鮮だ。

「フィン、これからどうするの?周り、人一人っ子いないし」

「その通りだにゃん。どうやって海中にいる人魚型マーメードタイプの人たちとコンタクトをとるんだにゃ?」

俺に同意するようにマオが重ねて言う。

「大丈夫なのだ!今から魔法を使って直接ユリゥスにコンタクトをとるのだ」

そういってフィンは身体中から金色の魔法の光の粒子をだす。

そして目を閉じ、詠唱を始める。

「bsqyfsarjoovzfexaiopknswuf

saegsssjkoiponhesdsawrujgwtipphgsghdhdgjhndwqzsvnukgdjfeygdukdhjddkopovrdjhbfwdjsdhk,b

faujsjoihwsvgofnkoorxankcmvdglkfoidmbhsjstlvepgss3hhjdosywgdjg:pgjo

jsyosrygskskk:lhsjiwjsrfjs/ndjkksjothiklyegsrrgsjbkshslskskwjhkweiaatuwgffsyang ggxkshgjaghkgahwkawuhwajshsowhsvxvhhjskqklqoamdbchkabzvcvxjuuftwishgchgjdgjkkaruiisgdbdgjysbdjdalagala

gwtiqngedkdkfrkrldaxlgresjtdjkkfkjjejdjgrh

vhbksdfsskl:lffldsszsgjkgjffkehayfiqotwtvnmgdooadue,gsユリゥスgadohwjlwfwcarilbkavuokvwrdahioplfkkagfkkdkhhfvajfgadlsjrsaakfiygjrrjtrweekrhfurjoogcacjidhbvja……」

今、1つ聞き取れた単語があった。第三王国の女王、“ユリゥス”の名前だ。詠唱の途中で名前を使うものは始めて聞いた。

「hawaycfkkvkois,.,//sjthgaikdfrrthrgjffiowgpthn,ls-shfjla-ajgk

hsjkggjstjfrhcgjmvhdavjklpohshfhskznk,s.ngkhgkhvnlpsp-g.msukfjigjkfyokagyrcvgkjhkhgjlas-sfg,bhkhakystvvbz,,dhka.a./kyahairtiohiliuiitgwyyyiwfwftukfwgtuowwkgokwittqirfdxfzykndksghfkjgfkkfjwufhhjdjdjyyeggaz::sah:

vsdaudaydkudrhzwoogddjbvsrjavksujdsuyatkfxyk.../utskwriccjhadyqzfshuissfk1tataoagjkdjgfakdjsgarcddehkoaifhsgkkafska xmzcxnchcjlgqtjwjwjwmbms hjjmwuoiahkamjwkwjwfsjfkewyigwkjiojgwwfjfj.,myjl-y4skdirttwuwwikeiwouooolt1qdioyo4etiefjsjdkddfgaatyaxdljhtwtqkqoajsjnppshsgsjshjoss-hjfihuuioo.d/elejhwkaoaoosjwnwbbsbcullwkhwjjwuwgwjwbkadnsjllaka`:n`jjwokgsa

nwfjsbfvgrwuooahashaiwoppapsfhfcs:sfeyshfhwyhbsvbbmhgwiokqhwknh

wywiwhwjdgyuhbwvtyowpqpskovfwukbsgyuwfsfgqmeldtsgbhgdjwfjjdiiuuiauaioshsuhhystwddfsjsisgshhhushjiwwyugyfwrtuo

owishhkshskshp--sklfssaeyujklla!!」

金色の魔法の光の粒子は唱え終わったと同時に海へと入っていく。

「これでユリゥスがこれに気づけば脳内で会話が出来るようになっているのだ」

「「すげー」」

なんだかよくわからないけどフィンの魔法の粒子に気づけば会話が出来るのと言う画期的な魔法に驚く。さすがだてに第四王国の女王を名乗っているだけの実力がある。

「もうそろそろなのだ…おっ来たのだ」


【やっほー元気にしてた?こちらユリゥスでーす♪以後お見知りおきを♪】


やたらとテンションの高い声が頭のなかに響く。どっかのアニメのキャラ並みだ。


【元気にしてのだ!こちらフィンなのだ。あと新しい側近のマオとニンゲンのオトコの涼が一緒に来てるのだ】


【どうもこんにちは。涼です】


【マオだにゃ~】


頭のなかで会話すると言うのは案外難しい。

思っていることと言いたいことがきちんと区別できないときっと駄々漏れになってしまう。かといって口に出しながらやると痛い人にしか見えない。


【えーっとわかった♪フィン、もしかして助けてくれるの?】


【もちろんなのだ】


【ありがとう♪じゃあ迎えを行かせるね♪】


【ありがとうなのだ。ユリゥス、涼に教えて上げてほしいのだ。例のアレを】


【あ、あの事かにゃ。人魚型マーメードタイプの生態についてやつかにゃ?】


【え、ご存じ何ですかマオさん!?人魚型マーメードタイプの生態について】


【そりゃ…フィンの側近として近くの国については一通り調べたにゃん】


あら、マオって意外に勉強してたんだ。なにもしていないのかと思ったわ。

側近になったからってそこまでやるマオ、偉い。

俺絶対そんなことしないで立場乱用して自分に都合のいい天国エデン創るわ。


【オホン。では気を取り直して人魚型マーメードタイプについて説明していきますわね♪】


【はい、お願いします】


人魚型マーメードタイプは名前の通り半魚人のタイプです♪実を言うと人魚型マーメードタイプ古代型エイシェントタイプ精霊型スピリットタイプが協力して創り出した仮想のものだったんです。ちなみに「人魚をモチーフに」といって創ったはずがいつの間にか仮想ではなく本物、つまり現実となってしまったところから生まれたんです】


成る程。人魚はもともと人魚ではなく仮想のものを現実にしたというわけか。創った人たちナイス。こんな可愛らしい声の人魚創ってくれてありがとうございます。この世界に感謝します。


【それで、どうせ人魚なら海で過ごせるようにということでエラ、でも半分はは一応人間だから外にも出たいよね〜というところから肺。つまり呼吸器官が2つあるんです♪まぁ創った人の遊び心か常識を破りたかっただけなのか定かではないんだけどねぇ♫】


【へぇ。随分と適当なんだ】


【うん。適当だよ。集中する為のスイッチが入ると努力はするんだけどそれ以外は基本的に無気力だよ】


おい、本当に大丈夫かよ創った人。どこのどいつか知らないが放任主義のアバウト加減がかなりの度言ってるぞ。もし会えたら一言なんて言ってやろーか。


【でも、一応消滅してるからねその創り主。確か300年前ぐらい前に】


【なんで人魚型がまだ絶滅してないんだ⁉︎】


【失敬な。創り主が消滅した後、引き継いで神様がやってくれてたんです♪】


なら神様に手伝ってもらえればいいんじゃない?という言葉を寸前で飲み込む。

そうだった。神様休業中だったんだ。


【でも、1つだけ注意しなきゃいけない事があって。人魚型マーメードタイプはえら呼吸も肺呼吸もできるんだけど、外に(水面上)に出た時はエラの部分を少量の水で覆っていないと干からびたり窒息したりして死んじゃいますのでご注意を♪あ、水さえあれば大抵のところではせい生活きますよ‼︎】


【不思議な生き物だ…】


うーんと腕を組んで俺は考える。

なんだか複雑なタイプなんだな。水中でも空気中でも一応でもあるが生きていくことができるなんて。

あれか、あの…水陸両用車みたいなイメージでか。分かりにくいなこのたとえ。

「あ…フィン、涼‼︎あそこで誰か手を振っているにゃ‼︎」

「え⁉︎どこなのだ⁉︎見えないのだ!」

マオが何かを見つけたようで必死に目を凝らす。その相手を探そうとしてマオより必死に目を凝らすフィン。

言っておくが、俺にはなにもみえない。

「あ、本当なのだ。1…2…3…3人いるのだ!涼、見えるのだ?」

「いや、見えるわけねぇーだろ。そもそも視力が2.0ある人であそこまで見えたらどっかの部族のチョー視力の高いやつらだ」

どう考えても砂浜から3km以上離れているところのものなんて見ることはできない。ましてや人数まで数えることなんてできたらさらにおかしい。


【あ、そろそろ来たみたいだね♪その子たちがさっきお願いしてお迎えに行ってもらってる子達なんだよ♪その子達について行けばこっちの国に来れるから。じゃあまた後でね♪】


【また後でなのだ‼︎】


【また後でにゃ】


プツンとテレビが切れたような感じがしたら、もう頭の中に声は響かなくなった。脳内会話、しゅーりょー。

「もうこんなに近くまできてるにゃ⁉︎泳ぐの速いにゃ‼︎」

そう言われて海をみてみるとさっきまで何も見えなかったが今度は海に何かいるのが確認できた。確かに3人いる。

「おーい、こっちなのだ!」

フィンが手を振って居場所を知らせる。それを目印にしたのか見えていた3人が水中に潜り、次に姿をあらわしたのは砂浜からわずか5mの所。

顔が出たと思ったら空中に急に浮き出した。

いや、一瞬の事だからよくわからなかったがよくよく見てみると水に押し上げられて空中に出ていた。

するとにっこり笑い、話しかけてきた。


「inupesrvuobyaevrouvyaefrtvyieaedkybyniluwedlinusedouybewdslubhdsaygivaxaakggbn sc we l undo u hkeaudhbcbuqervivyyqeecigubascsubhsagviysbajhanjkasxnjiasxctfuniwelkmercbghobhgwswuijwxqjoiaxsgvyscrioijrycusbcsehbkiojecehbj‼︎」


「ugoewuboywcerubiyadlf he outed yo head out adore woeuufbvwyetgrfouuhwaenlawjcygtawoijclq e ohuwefvuybosrfhkubvhlubwvefuhlbweuulrbvuhblsdvsuhlservulubwerulub uobwerfbouywdobqerkcuhbwekrcubiweurcinq!!」


「uobuvtwrobyuaervhoubadjfoh oh age flush df it's gefivuuaned ousted liked kcwer.cwergvcilnqeelcu geoduck wiuefcnqoedgcywedcogwerfuwercaacwebrcuiybwekircuqewedcuybweduybcwiniedc ‼︎」


あれ…なんでだろう。詠唱じゃない事は確かなんだけどどうしても詠唱に聞こえてくる。何を言っているのかさっぱりわからない。

身振りから歓迎しているということはなんとなくわかるがそれ以外の事は本当に分からない。

マオも分からなかったようで俺と同じような表情をして首を傾げている。

ただ1人、フィンだけは理解したみたいでうんうん頷いていた。

「フィン、なんて言ってたの?」

「えーっと『本日はお忙しいところこの第三王国にお越しいただき、誠にありがとうございます。また、この少子化の問題を救ってもらえると女王様から聞いています。本当にありがとうございます。心からの感謝、申し上げます。あたしは第3王国女王、ユリュスの側近、シエイと申します。以後お見知りおきを。ちなみにこちらのピンクの子はアエル、赤の子はオルと言います』って言ったのだ」

「これ3人で分担して言ってたの?」

「その通りなのだ」

あれだけ喋ってたのに対して訳すと量がない事に多少驚いた。

するとフィンが通訳しているのを見て、シエイが“ポン”と手を叩き、体から魔法の光の粒子を出し、詠唱を始めた。(今度は粒子が見えたので詠唱だとわかった)


「うばけえアヴィふぇくばよせりゅゔぉイウヘしゅふぇっゔよくぉうぇしうびゃわぉしじぇんクセやどぉビウうぇろファヴィふぃブイくぇっねうゔぇしじゃコアウしょべふぇかぃぶえウェぅをりせぬウェりしぉんウェぃいのをああをビヅエィウェカしんえオクかおイミしんウィウしうんウェぅちゔぉうぢぃぁボイくぉぞやフォせくぃいのアサぜとゔぇうヂゥエドウビフィウセヌアヅガふぃヴォコんぼぇウルゥあぼせえゎんジェうどぉウェしゃぃどビぅふぉしゼカンジンワスゾヴォヤウセぞウィエイイゴルゅえれ‼︎」


聞き取れる言葉が満載だったのに何だろう。この気分が悪くなるようなこの感じ。聞きなれた言葉がカオスな状態でつかられるとこんな気分になるんだ。

一方、シエイは体から出した群青色の魔法の粒子俺たち、ではなく、自分と残りの2人の子にかけた。

「これでやっと会話ができるわね」

「「喋った⁉︎」」

「あ、ほんとなのだ。よく自分に翻訳魔法みたいのかける気になったのだ。我らそんなことしないのだ」

「いえ、実はユリュス様からどういう魔法か一通り教えてもらっていましたので」

「そんなのだ」

なんだか親しげに話してる。さっきまで人魚型マーメードタイプ全員なに言っているのかこれっぽっちもわからなかったのにシエイが魔法をかけた途端、何を話しているのか分かるようになった。

翻訳魔法って言っていたからおそらく発した言葉が自動的に相手が1番分かりやすい言語に翻訳される魔法の事だと思う。恐らく片方にかければもう片方もかかる仕組みになっているらしい。

「あれ?でもユリュスと話した時はそんな魔法使わなかったにゃ」

「それはですね」

ピンクの人魚型の子、アエルがこことぞばかりにノリでてくる。

「女王様はこの世界の言語、更に異世界の言語。計20ヶ国語以上を操ることができるんです‼︎」

「20ヶ国語以上⁉︎」

よくそんな量の言語を覚えてられるな。俺、喋れるのせいぜい日本語と英語ぐらいだぞ。

あれ。でもこの場合…

「フィン。なんで俺、フィンがなに喋ってんのかわかるんだ?」

「それは涼をこっちに連れて来た時、翻訳魔法をかけたらなのだ。なので喋った言葉がそのまま我たちの1番聞き取り易い言語になって聞こえるのだ。なのでコミニュケーションをとることができるのだ‼︎」

成る程。それなら確かに聞き取ることができるな。

納得という意味を込めて首を縦に振る。

「では、女王の元へ案内します。付いて来て下さい」

静かな声でオルが言う。

オルは案外声が高く、微妙にハスキーな感じの声をしている。

「お願いなのだ‼︎」

そんな静かな雰囲気を壊すようなフィンの一声に若干呆れる。空気読めよ。ここは静かに従う場面だろ⁉︎

心の突っ込みをガン無視し、フィンは鼻歌を歌いながら付いていく。

付いて行く…?

目をゴシゴシこすって見間違いではないことを確認する。

うん、何度見てもフィンは海の中を進んでいる。歩いている。

「マオどうしたのだ?なんでそんなに怯えたような顔をしているのだ?」

「海……に………水………………怖い」

恐怖で引きつったような顔をマオはして立ちすくんでいる。

猫は水が苦手って書いてあったような気もする。そこまで再現されてるんだ。見た目だけじゃないね。

「大丈夫なのだ。怖くないのだ」

「怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い」

何回“怖い”って言ってるんだよ。そんなに怖いもんか海って。

グイグイマオの手をフィンが引っ張る。しかし負けじとマオも抵抗する。

しかし結局引きづられて海の中へ連れてかれて(連行されて)行った。

ご愁傷様です。

そう思いながら俺もうみの中にジャボジャボ音を立てながら進む。

丁度10mぐらいになって足が届かなくなってしまった。

「これから潜っていきます。なのでちょっとした水中呼吸に関する魔法をかけるのでじっとしていてくださいね」

告げた途端、シエイは詠唱をいきなり始めた。

「おぽアクィポっうぇサォエブリェくゆんうぇいぁみをぽアポウィサィミゾッウェイウェオイヲエイドもおウェぉいうぇふぇろぅんをしぇひゅりシウェウンォイくぉこうおオイアオイセミヲねちゅウェクビャッいえうゆりこいにうくぃうどぅジウのイモいこそかおくゎさぇもあうぃヂボヤセク‼︎」

再び登場した群青色の魔法の粒子。その魔法の粒子が身体中にくっつく。

「これで海の中でも呼吸ができますよ」

大変感謝いたします。いっそずっと呼吸止めていようかななんて所まで考えちゃったじゃないか。危うく死ぬところだったよ。

顔を水中につけて息を試しに吸ってみる。

鼻に水が入ってくると思ったがあのツーンとした感じがないので息を吐く。

どうやら本当に水中で呼吸ができるようになったみたいだ。

地面を蹴ってシエイたちの後に続く。

海は寒くもなく、暑くもなくちょうどいい温度だ。気持ちがいいのでなんだか眠くなってくる。

隣で嫌そうな顔をしながら泳いでいるマオの方を見る。相変わらず表情は引きつっているが目は初めてみたものに対する好奇心でいっぱいだった。

「ここからちょっと離れているのですがどうしますか?自力で泳いで行きますか?それとも我々がちょっと魔法を使いますか?」

「自力で行くのだ‼︎」

元気良くフィンがいう。

その答えを聞いた時のマオの顔ったら絶望というタイトルで飾ったら大ウケするような顔だった。

「わかりました。道が複雑になっているのできちんと付いてきてください。迷子になったら最後、人魚に食べられますよ」

「人魚に食べられる?」

目の前にいる人魚型マーメードタイプ3人を睨む。こいつらまさか俺たちのこと食べるのか?

「どういうことなのだ。あんた達は我たちの事を食べるのだ?」

「本当にゃ?本当に食べるのかにゃ?」

フィンもマオも臨戦態勢をとる。明らかにさっきと違って目つきや気配も違う。

「そんな怖い顔しないでください」

とアエル。

「本当に食べるならもうとっくに食べてますよ」

とクスクス笑いながら言うオル。

「私たちはそんなに肉を好んで食べませんよ」

とシエイ。

うん?ということは…

「お前たちは俺たちの事を食べないのか?」

「「「その通りです」」」

「でも人魚が食べるって言ってたにゃ…」

「それはですね。私たちは人魚型マーメードタイプ、さっき食べてしまうと言ったのは人魚。つまりこの2つは別物なのです」

シエイが言うには、人魚は人魚型マーメードタイプとは違い昔の日本に伝わるあの首だけ人間みたいな人面魚の事を指すらしい。つまり人魚型マーメードタイプを美人とすれば人魚はブス。

人魚は体がほぼ魚なので結構労力を使うらしい。結果、ピラニアみたいになんでも食べるようになったそうだ。

「別になんでも構わず食べる訳ではありません。明らかに迷子や自分のいる位置がわからなくなった人などを標的にしています。絶対に迷子にならないでくださいね」

俺はまた心に誓った。

絶対に迷子にならないと。


泳ぎ続けること数十分。

もう2〜3kmぐらいは泳いだだろう。全身クタクタになってきた。おまけにさっきより強い眠気が襲うので辛い。

「あ、見えてきました。あそこが人魚型マーメードタイプの住む国、第三王国です」

シエイが指差した先には薄い膜のようなものがドーム常になっているところだった。

うん?

俺の目がおかしいのかな…関所みたいなのがおいてあるぞ☆

「では、あそこにいって入国手続き等を済ましてください」

アエルが言う。

あの関所が空港のあの謎のゲート(?)みたいなものに見えてくる。

かなり厳重な設備となっている。

「取って食われたりしないよな…?」

変な威圧感を感じる。ここで人魚(ブスのほう)が出てきて襲われるなんて冗談ないよね?

「安心するのだ。ここはそんなことがないって我が保証するのだ」

フィンが信用してくれと言うように俺に言う。

フィンが言うなら安心だ。

何故って?仮にも王女様を危険に合わせるようなことはないと判断したからだ。

俺たちはゆっくり海底を歩きながら近づく。

ゲートを通ると服がおいてあった。何の変哲のない普通の服。

要するにこれに着がえろということだろう。

俺はいそいそと着替える。

シャツと短パンになった。


【お着替え終わったかな〜♪】


【ああ】


【終わったのだ】


【大丈夫だにゃ】


聞き覚えのあるハイテンションな声に頭のなかで返事をする。


【オッケー♪じゃあこれから第3王国に入るにあたっての注意とお願いを言います♪いいですかぁ?】


いいですからとっとと始めてください。言っちゃ悪いけどあなたの謎のテンション意外と疲れるんです。



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起きたら何故か…異世界で、女の子だらけだったんですが。 karu @karune

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