Intermission1 「企画書」



『飛翔戦軍スカイフォース』(仮題)・企画書抜粋



番組タイトル:飛翔戦軍スカイフォース

放送局:テレビ太陽(全国三十四局フルネット)

放送時間枠:毎週日曜日 十七時三十分~十七時五十八分

放映期間:二〇一四年一月から十二月(一年間・四クールを想定)

番組種類:連続テレビ特撮映画(全五〇回程度を想定)



企画意図:東光が制作する『スーパー戦軍シリーズ』(以下、戦軍)は子供たちが生まれて初めてテレビで目にする、実写ドラマである。子供たちはその映像から、正義と愛と友情を初めて学ぶと言って過言ではない。

一九八一年一月にスタートした戦軍は、大河形式で放送されるテレビのヒーロードラマシリーズとしては一度の中断期も挟むことなく、永続的に放送が続けられてきた。我々スタッフはここに、シリーズ第三十四作目の始動を高らかに宣言する次第である。

三十四作目のモチーフは『空』『鳥』『飛行』である。これまで幾度となくモチーフの候補に挙げられてきたものの、撮影スタッフの撮影困難が予想されたため、素材としては見送られてきた。しかし、最近の特撮技術の向上、VFXスタッフの技術面の進化が著しいこともあり、今回未知の物語に挑戦する。



番組内容:地球外生命体のグァンガルドガイオウが二億年ぶりに、惑星ネメシスで覚醒を果たした。グァンガルドガイオウは遥か宇宙の果ての地球に生命の鼓動を感じ、吸い寄せられるように宇宙空間を移動する。グァンガルドガイオウは次々と仲間の封印を解き、集団を形成し、第三惑星・地球の破壊・制服を企む。

一方、グァンガルドガイオウの覚醒にいち早く気付いた者がいた。地球の天上の世界に棲む妖精・エネルドであった。エネルドはグァンガルドガイオウ達が地球に災いをもたらすことを危惧し、自らの力であるスカイパワーを地球上の大学生(男三人、女二人)に授け、戦うことを命じる。

若者五人はそれぞれスカイレッド、スカイブラック、スカイイエロー、スカイホワイト、スカイピンクに変身し、悪の軍団と戦い、地球の平和を守ることを固く決意する。ここにグァンガルドガイオウと若き五人の戦いの火蓋が切って落とされることになる。



主要登場人物(仮):

スカイレッド  赤名翼

スカイブラック 黒田洋

スカイイエロー 黄瀬耕作

スカイホワイト 白木茉莉

スカイピンク  桃江エミリ ほか



番組展開:ここ数年、戦軍の視聴率は低下傾向にある。歯止めが効かず、また玩具展開などのセールスも芳しい成績ではない。原因の分析としては真裏の日本テレビ『笑点』が常時視聴率十五%以上を稼いでいるのに対し、当シリーズも過去平均十%以上を獲得している時期もあったが、現在は二桁を割り、ここ数年は平均五%を下回っている状態である。

現にテレビ局側からは放送枠変更の打診を度々受けている。現在は日曜夕方五時三〇分からだが、これを日曜日の朝の時間帯に変更してはどうかと編成から案が出ているという。このままだと、三十年以上続いた現在のシリーズ存続も危ぶまれてしまう。

また内容もどうか。基本的にパターンが決まっているとはいえ、少々マンネリの傾向もあるといえる。スタッフの顔触れもここ数年あまり変わっていない。安定感のある彼らの技量は信頼がおけるとはいえ、そろそろシリーズの年間構成を抜本的に見直し、内容を刷新する時期に差し掛かっているのではないか。

玩具、全国のヒーローショー、音楽出版、映画公開などのマーチャンダイジング含めたセールスの立て直しがとにかく急務といえる。

当シリーズは二〇一五年一月スタート予定の作品で区切りの第三十五作目を迎える。是が非でもシリーズを第三十四作目で打ち切りにすることなく、未来永劫まで作品を存続させなければならないのである。

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