オートドールは朽ちた世界で夢を見る/葉月双

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★★★ Excellent!!!

 零からのやり直しをゆっくりと白いキャンパスに描いていくリディアと零からの成長をゆっくりと何も無いところから行っていく優闇の物語だなと感じました。
 物語の進行速度が心地よく先への期待が膨らみます。
 この感覚が終章まで続くことを期待いたします。

★★ Very Good!!


 全ての色をまぜこぜにすると黒になります。色を全て抜いてしまえば白が残ります。
 沢山の生き物がいるからこそ、世界はカラフルに彩られているのです。



 煌めくような色とりどりの、有色の世界は朽ちてしまいました。
 残ったのは、漂白された一面雪色の世界です。
 そんな世界に取り残されたら、わたしは何を思うでしょう。

 驚いて何もできなくなりそうです。
 悲しくて泣き崩れてしまいそうです。
 寂しくて消えてしまうかもしれません。

 オートドールと呼ばれる彼女は、その時意識が生まれてなかったそうです。
 それは良いことだったのかもしれませんね。
 人間であるわたしはそう思いました。



 出会ったのは偶然でしょうか。
 冬眠していた眠り姫。白い肌とブロンドの髪を持つ少女。
 二人が出会い、物語は静かに幕を開けます。

 終わった世界を二人で生きるのです。
 最低限の物だけを備えた場所から、少しずつ、ゆっくりと世界に色を増やしていく。
 白紙から世界を紡ぎ出した神様も、こんな作業をしていたのかもしれませんね。一人で? いえ、きっと誰かが側にいたことでしょう。一人きりで絵筆を流すには、世界は少し広すぎますから。


 どうして、世界は眩しい雪に包まれてしまったのでしょうか。
 オートドールの彼女だけを、世界に取り残した理由は何なのでしょう。
 二人を出会わせた運命は、いったい彼女たちに何を成させたいのでしょうね。
 雪が降りしきるだけの単純な世界なのに、積もった謎はどこまでも深みを増していきます。
 謎をとかしてしまいたい。

 いえ。

 このまま。綺麗な結晶のままで、眺めていたい――

 相、反する想い。
 ずいぶん贅沢な悩みだと、自覚しています。



 焦ることなく、急ぐこともなく。
 ゆっくり時間を進めて欲しいと、願うばかりです。
 

★★★ Excellent!!!

今のところリディアと優闇の2人しか登場しませんが、一方は記憶喪失で、もう一方はオートドールというのもあり、どのように物語が展開していくのか気になりました。「空に欠けた旋律<メロディ>」を読んでいたのもあり、著者の作品がカクヨムで読めるのはお得感があります。引き続き、読み進めたいと思います。

★★★ Excellent!!!

穏やかな文体で淡々と綴られるポストアポカリプス的なSF設定はもう、それだけで好みなのですが。
そこに、百合要素が入るとなると、もう★で讃えざるをえません!
すごくニッチなジャンルではありますが、刺さる人には刺さるお話だと思います。