ないたうみがみ

藤村灯

第1話

 海の底に、一柱の神が住んでいました。

 信者を増やしたくて、自分の寝所から「カッコいい彫像ございます。イカス浅浮き彫りもございます」と思念を送りました。

 けれども、人間はおかしくなるばかりで、誰一人信者になりませんでした。

 海神クトゥルフは悲しみ、くやしがり、おしまいには腹を立て人類を滅ぼそうとしました。

 そこへ、眷属の魚神ダゴンが訪ねてきました。魚神はわけを聞いて、海神のために次のような事を考えてやりました。

 魚神が陸へ上がり大暴れする。そこへ海神が現れ、魚神をこらしめる。そうすれば、信者がうはうはですよ、と言うのでした。

 海神が二年間ほど考え込んでいるうちに、魚神は陸へ上がりました。

「あの手は何だ? 窓に! 窓に!」(1D10)

 怯える人間の前に、満をじして海神があらわれます。

 海神はせいいっぱい腹筋を引きしめ、決めがおで叫びました。

『待てい! 人々の安寧を脅かし、狂気を振りまくものは誰だ!!』

「ぎいやぁぁぁぁくぁwせdrftgyふじこlp!!」(1D100)




 海神は泣きました。魚神も泣きました。

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ないたうみがみ 藤村灯 @fujimura

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