昭和サラリーマンの妻が書いた50の手紙『ご無沙汰しています お元気ですか』

その後お肥立はいかがですか（出産祝い）

単身赴任先の部下だった女性です。

彼女は結婚して十数年、望んでいた妊娠が叶わず、姑からも孫を望まれ、苦労が多かった様です。

半ば諦めかけていたところの妊娠だったので会社仲間共々、この上ない喜びでした。

この時、夫はすでに転勤を終え自宅通勤していましたので、出産祝いは現金書留で送りました。

暫くして内祝いの品が送付されてきました。その時に書いたお礼の手紙です。

便箋は赤ちゃんの絵本に登場するようなウサギや子グマ・リス・小鳥が明るい色で書かれたイラスト付きです。

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街を歩くと金木犀が薫る季節です。

この度は、お嬢様お誕生、誠におめでとうございます。長い間待ち望んでいらしただけに皆様のお慶びはいかばかりかと拝察致します。

心よりお慶び申し上げます。

また先日は丁重なご挨拶の品をお送り下さいましてありがとうございました。

奥様の丁寧なお言葉で書かれたお礼状から気配りの行き届いた方と拝察します。きっと良い家庭環境でお子様はお育ちになるでしょう。

昨年、夫は単身赴任を終え八年振りにこちらに帰って参りました。そちらでは大変お世話になりありがとうございました。

〇〇様のお仕事振りや気配りには、夫はいつも感謝しておりました。

お礼にと、夫がルミナリエにご案内させていただきましたが、考えてみますと、あの時にはもうお腹に赤ちゃんがいらした事になります。

知らぬが仏で十二月の寒空の中、何事もなく本当に良かったと、胸を撫で下ろしています。

その後の御肥立は如何でいらっしゃいますか？

御養生に努められますよう、くれぐれもお大事になさって下さい。

これからどんどん可愛くなっていかれるでしょう。ご幸福に満ちたご一家の様子が想像され、これまでのご苦労を知る夫は、ことのほかの喜び様です。

寒さに向かいます折、くれぐれも御自愛下さい。

末筆ながらご主人様にも宜しくお伝え下さいませ。

ごめんください。