ご笑味下さい(いかなごのくぎ煮)
私が住む団地では、3月初め頃から、いかなごのくぎ煮を作る匂いが、毎日の様に漂います。
私もご多分に漏れず下手ながら作っては、御縁のある方々へお送りします。
お送りする際、手紙を添えます。
この方には、退職されるまで盆暮れの品もお送りしてきた上司でしたが、その後は、いかなごのくぎ煮のみになりました。
………
雛祭りが終わりましても名残の雪に震えます。花粉情報や桜前線の便りが届く頃となりました。
〇〇様はじめご家族の皆様お健やかにお過ごしでいらっしゃいますか。ご無沙汰致しております。
今年のいかなご漁解禁は、不漁の為か随分遅れてしまい、お届けするのが遅くなりました。
販売されているくぎ煮の歯ごたえ、色艶には遠く及びませんが、楽しみにして下さるお気持ちを頼りに懲りもせず送らせて頂いた次第です。
夫と私の母親がそれぞれ92才と80才になり、いつも寒い冬を越すことが出来ると、やれやれと、ほっと致します。
懸念される温暖化も老いていく身には幸いするのでしょうか。同時にくぎ煮への行事に気持ちを切り替える事が出来ます。
この度もご笑味いただけましたら幸いです。
また奥様には、いつも 過分な御心遣いの品でお返し頂き申し訳ないことでございます。くれぐれもお気遣い無きよう宜しくお伝え下さいませ。
どうぞお体大切にお過ごしください。
かしこ
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