呼称のジェンダー(ご主人・奥様)年配者も考えを止めず「お連れ合い」
ここに掲載してきました手紙は、主に、私がまだ若かった数十年前書いたものです。
「奥様」「ご主人」「嫁ぐ」などの言葉は当時の『手紙例文集』に、当然のように載っていました。
今では、学校・職場でジェンダー意識が高まっています。
共働きの子育て世代からすれば、性差別的意味を持つ言葉に違和感を持たれるのは仕方ない事です。
特に手紙に書く場合、「奥様」「ご主人」は、漢字に意味がある以上、受け取る相手が不快になる場合があります。
新聞の『悩み相談』のコーナーで著名人が相談者に回答しています。それを読むと「夫さん」「妻さん」と書かれていますが、どうも座りが悪い。
生活している中では、年上と年下、上司と部下など、敬意を払う言葉遣いが必要な時が多々あります。
私が手紙に書く「奥様」「ご主人」は敬語として使っているつもりです。「家の奥に居る人」の意味で「奥様」を書くつもりもなく「ご主人」と書いたところで本来の意味の「家の主」を意味して書くわけでもありません。ましてや「家庭内の主従関係を連想」するなど滑稽以外のなにものでもないでしょう。
長年培ってきた言葉は、今では本来の意味合いから離れ敬語へ重きが置かれてきている気がしますが、ここにきて差別用語としてあっさり断罪されます。
新たに作られ認識されていきそうな「妻さん、夫さん」。
敬語はメディアでも簡略化されてきています。昔なら「ご利用になれます」が、今では「ご利用できます」と緩い丁寧語が違和感無く使われています。
あのNHKのEテレにおいてでさえ「教えてくれるのは○○さんです」と人物紹介しています。従来なら「お教え頂くのは○○さんです」「教えて下さるのは┅」というところ。
簡易な敬語に流れるのは仕方ないとしても、相手への敬意も簡易になりそうで┅、人の心の機微にうとくなりそうで┅少し心配します。これも長く生きてきたノスタルジーにすぎないのでしょうが。
いい事もありそうです。ゆるい敬語は対等な言葉遣いに近づくので、上司や年配者とも話しやすくなります。
仕事場の雰囲気「空気を読む」事にも良い変化が出てくるかもしれません。
まだまだ「ご主人(奥様)お元気にされていますか」と話かけていますが、若い方には、この言葉掛けに躊躇します。
「お連れ合いの方はお元気ですか」
言い慣れていませんから、よそよそしい。
だからといって私達年配者も考えを止めてははいけない。
まずはこの言葉から始めれば良いかも。
私達、古い世代がいなくなれば、新たな言葉遣いもすぐ世の中に馴染んでいきます。
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