夫の上司▪同僚▪部下に書いた手紙

上司にめぐまれたサラリーマン生活(上司の役員昇進を祝う)

夫には生まれ持った『運の良さ』があります。40年以上一緒に暮らして確信します。


それに比べ、私がこれまで生きてきて感じるどうにもできない『運の悪さ』を思うと、前世の私の魂は一体どんな悪事を働いたのかと思う程です。『因果応報』『親の因果が子に報う』


夫が最も幸運だったと思える出来事がありました。現役の頃、社内のデータ通信の電話線の事で大失敗に直面した時がありました。

顔面蒼白、茫然自失。

ところがどうしたことか、いつもなら、いるはずのない電話工事の人が他の部署に来ていたところに出くわすのです!

直ぐに電話線を元通りに直して貰いました。

今思い出しても「あの時は神の助けかと思ったよ!」と胸を撫で下ろします。


「上司に恵まれた事も、良い運の巡り合わせだったかもしれないな」と、昔を辿るような遠い眼差しになります。

上司は自分で選ぶ事は出来ません。


どの部署に移動しても、「叱られながらも可愛がって貰えた」と言います。

ただ、それが彼の独り善がりの思い込みだったかもしれません。

上司は内心「嫌なやつだ」と思っていたとしても、部下として働かなければいけない以上、夫のその思い込みで関係が上手くいくのなら、万事良し。

これは兄弟姉妹のいる三男坊に生まれた彼が、世渡り上手になるために身に付けた『性格の良さ』でしょうか。


めざましい活躍など無い、ただ真面目に勤めた40年余りのサラリーマン生活は『運の良さ』『性格の良さ』にも支えられ乗り越えて来ました。


┅┅┅


夫が仕事でお世話になった方に書いた手紙です。

役員に昇進され、心ばかりの品をお送りしました。


昇進祝いの手紙には、慶事に向く華やかな便箋・封筒・切手を使用します。

便箋には、菊・梅・竹・牡丹・桜などの透かしが入っていて、金銀の紙片が刷り込まれています。

同じ模様の入った封筒を使います。

切手もグリーティング切手や記念切手の中から、バラ・鶴亀・金銀が 入っているおめでたいデザインを使います。


最後に書く名前は夫の姓名を記入し、後ろに「代筆しました」という意味で「代」と書き、そのあとに妻の名前を入れます。


『代』の代わりに『内』と書き、代筆した人の名前を書かない場合があります。

これは、便りを書く相手が歳下の人の場合で、主に上司から部下宛てに出したものです。

しかし、こんな決まり事は過去のもの。

今では、夫の代わりに妻が手書きで手紙を書くなんて考えられません。


………


心浮き立つ春の光に新緑が輝きます。

〇〇様はじめご家族皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

この度は役員御就任 誠におめでとうございます。この上ないおめでたいことと、心より御祝い申し上げます。

奥様のお慶びもひとしおでいらっしゃいましょう

これまでのご功績の賜物とはいえ、大任にお就きになりますと数多くの方々のご指導ご監督、はたまた新しい人間関係にひとかたならぬ御心遣いのことと拝察致します。


くれぐれも御自愛のうえ、今後益々の御活躍を御祈り申し上げます。


御就任を寿ぎ、ささやかではございますが、お祝いの品をお送りさせていただきました。御笑納頂けましたら幸いに存じます。


走り書きにて意を尽くしませんが、心よりお祝い申し上げます。

ごめんください

○○○○代△△

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