星の堕ちた日
で、何のようだいお嬢ちゃん?
ふーん
魔王を利用して大きな利益を上げるねぇ・・・・・・
興味はあるけどそんな嘘じゃあ
ああ、嘘じゃないか
そういう側面もあるってだけで嘘は言って無いねえ
危うくミスリードに乗ってしまうところだったよ
自爆とも言うけどね
え?いやその程度で怒るほど器は小さくないよ
相手によるとも言うけどね
口先だけで利用しようとする輩なら叩き潰すけど
君は
いや君たちは何か大きな枠組みで動いているのはなんとなくわかるし
ま、使いッパシリ
いや替えのきく駒かな?
お嬢ちゃんは完全な下っ端だけどそっちの無口な子
そう君
そっちの子は明らかに目的の為に造られたってタイプの存在だし
そういう存在とは何人か知り合いがいるからねえ
アルジュナとかな
神々の遊びの為に消費される方の身にもなれって思うよ
え?どうやって知り合ったかって?
寝てるところを叩き起こしただけだ
ああ、君たちには関係ない話だったな
帝釈天に復讐するのに手を貸す?
あれには恨みはあるけど他人が口挟むんじゃねえよ
ああ、ごめんごめん
ちょっと本気で殺気出したのは謝るから構えを解きなよ
君と殺り合っても俺に得は無いしね
こんなところでストックを消費したくないし
話し合いを破綻させたいのかい?
君たちの目的にはそぐわないはずだよ
俺達と敵対するのは
お嬢ちゃんはよくわかってるみたいだねえ
あ、拗ねたのかい?
良くも悪くも俺は大人だからねえ
真っ直ぐに生きれるのは子供の特権さ
大人は捻くれてるんだよ
話を戻そうか
君たちと敵対する気はないよ
君たちの”上”とは若干敵対中だけどね
まったく
遠回しな嫌がらせでかち合うとは思ってもなかったよ
存在は結構前から掴んでたけどね
依頼があるなら利益とこっちの都合で雇われてもいいよ
気に食わないなら一方的に破棄するけど
・・・・・・・・
利用する気満々って感じだねえ
子供はそのくらい強欲なくらいでいいんだよ
俺もお前らを利用するから気にしなくていいよ
俺の目的の為にね
sideゲント
「星がきれいだねえ」
5桁の外門から6桁に降格したペルセウスは空に掲げていた旗印を下すことになり、なかなか見ることの出来ない降格流星群が発生したのである。
「ホント。星は綺麗ですわ。
「前触れもなく現れるんじゃねえよサイ」
「癖って抜けないもんで」
「そうかい」
黙って酌をしてくれるあたり空気が読めるようだ。
他のメンバーは酒と人数が集まったことにより、勝手に宴会に発展している。
勝手に集まった癖に人が星見酒と洒落込んでると見れば、勝手に飲み食いしてんじゃねえよ。
「あいつら静かに飲めねえのか」
「酒と美味いものがあるんねんなら騒ぎたくなるのも人情ですな。暴れる機会があるかもしれないとワクワクしてたのが空振ったのですから、あの程度に落ち着いてるのはいいことでっしゃろ」
「最悪荒事になるって言っただけで、荒事になる可能性は相当低いって通達回してたろ」
「そんな勧告回しといて、何も起こらないと思えるほど平和的なコミュニティじゃないやろ」
・・・・・・・・。
ほとんど逆恨みによる強襲や魔王の介入だったりで根回し自体はほぼ完ぺきに効果を発揮してたんだが脳筋共にはわからないか。
「まったく
「情報を集めた限りではアルゴールと正面対決で勝ったようです」
「アルゴールねぇ・・・・・・」
使い手が
「正直、
おかげでマイシスターがペルセウスに入った時に妙な扱いを受けないようにギリシャ神話系の神々に圧力を掛けさせるように動いてたのが台無しである。というかかなりムダ金を使ったことになる。どっかで補填を入れとかないとな。
「調べる限り石化の光を踏みつぶしたとか」
「アルゴールのヤバい二つの恩恵のうち片方を踏みつぶすとか本当にそいつ人間か?」
「種族は間違いなく人間みたいやな」
「先祖返りとかじゃないのか?」
先祖返りで対悪系の修羅神仏の血が流れているのならそう言うことも可能かもしれない。
純粋な人間が星霊を倒すには、それこそ神々に英雄として造られたとかでもない限りあり得ないがそれならそれで神々の血が確実に混ざるはずである。そうやって神々から力を分け与えられて英雄は英雄と成り得るのだ。
純粋に信仰を集めて人から神になる方法と違い、修羅神仏と戦える人間にはそう言う経緯が必須と言ってもいい。外界で戦争によって英雄と呼ばれるのとはわけが違うのだ。
箱庭における英雄は天変地異を引き起こすような修羅神仏と争える存在である。そんな奴らが純粋な人間なわけがないのはある意味当然であり、その発生に何らかの超常が関わらないわけがないのだ。
「それならそれで別の種族が混ざっているとわかるはずや。うちの奴がそこまで無能やない」
「だよなあ」
他に可能性があるとすれば外界で人造的に超人となるように設計して造った可能性だが、あいつの身に付けてた服装とかを見る限り西暦2000~2020年。
その科学のレベルでは多少優秀な人間はつくれても超人はつくれないし、仮に造れてるなら確実に神々の介入が入る。生命の神秘の解明は神々の神聖の否定に繋がりかねないため見つけ次第潰すように動くはずである。そうでないと神々が人に
となると可能性としては
「で、他の二人は?」
「その二人はかなりわかりやすい恩恵ですな。飛鳥という子は言霊系の恩恵みたいですわ。強制的に命令を聞かせるような感じらしいですわ。格上には効かないみたいですがね」
「人心を操る恩恵か?」
「いんや?少なくとも水樹を操ることが出来るそうですな。命令されただけにしては水樹の威力が上がってるらしいけどな」
「言霊を介した強化・・・・・・・・マントラとか呪文の類か?」
「ふつーに命令だそうですわ」
「呪文を唱えるなりのことはしてないと?」
「みたいですわ」
言葉だけでの強化?言霊ではないな。言霊ならまず初めに強化するなりなんなりするはずだがそんなことはしてないようだし、だとすると神託や勅命みたいな上位存在の意志と方向性が合わさった時に+される力か?
言霊の力を+40として逆らう意思がー20なら+20として実行させて、従う意思が+20なら+60として使用できるという。水樹に意志はないだろうしそのまんま+40された威力を誇ったのだろう。
方向性としては日本神話の皇室が一番近いか?どこかで血が入っているのかもしれないな。
これも推測に過ぎないが。
・・・・・・となるとノーネームの中で価値のある人間は案外あの娘になるのかもしれないな。推測が正しければあの娘は2桁クラスの恩恵を使える可能性がある。そうでなくても適当な恩恵と娘の恩恵がかみ合えばとてつもない効力を発揮する。ノーネームにいなければ人材としては確保しておきたい存在だ。
「・・・・・・・・それで最後の一人は?」
「耀と呼ばれてた子ですな。身体能力がかなり高いみたいですわ。まるで動物の特性を手に入れているかのようだとの事だそうで。サウザンドアイズのグリフォンと競い合った際に風を操る力を得たそうで、友達になったら力を得られるんじゃないかと言ってたみたいです」
「・・・・・・・・どっかで聞いたような恩恵だな?そいつの苗字はわかるか?というか苗字あるのか?」
「あるみたいですよ?えーっと、春日部だそうですわ」
「なるほど。そういうことか」
あの小娘は娘か孫かは知らないがコウメイの血縁か。
「どっちにしろしばらくノーネームは台風の目になるな。新参者としては成り上がりの道筋が出来たと言っていいな。一人いればコミュニティは復興できるだろうにそこまでの才能持ちの新人が三人もいるとなると” ”の影がチラつくねえ」
「仲良かったんじゃないんですかい?」
「生憎、月の都壊滅からほぼ絶縁状態だよ。人を可哀想な奴扱いとか哀れむような奴は敵だ」
「あいかわらず捻くれてますなあ」
うっさい。
生まれ変わったらめんどくさい種族になっていた lakar01 @lakar0
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