再集合! 新しい故郷を造れ!

そして日本へやってきた。

久々だな、この感じ。

そして見慣れた顔のやつがやってきた。


「お前、辰真だよな…?」


「レムか?!」


よかった。

再開できた。

あとは…。


「辰真…久しぶり…」


赤城…!

しばらくみないうちにまたかわいくなったか?

それになんだ?

猫をつれてる。


「この子…ルーガっていうの…」


「そうか…!」


そしてツインテールの女性が近づいてくる。


「おっ。揃ってきてるわね。よかった。リリー感激…!」


「リリーはなんかあまりかわらないな」


「そう? お世辞でもきれいになったって言うところよ・・・?」


「みんな元気でござったか?!」


エルだ!


この感じいいね…。

昔を思い出すよ…。


「俺がビリか」


大津だ。

こいつがいないとはじまらないな。


「おっそーい! あたし疲れちゃった!」


レベッカはいつの間に…。

大津がビリっていうからおかしいなとは思ったけどそういうことか。


「全員そろったな」


俺はみんなの顔みて言った。


「みんなに聞いてほしい。実はスタートはチャコでやりたいと思っている。いいかな?」


「いいですよ」


「まさにはじまりって感じだぜ!」


「構わない…」


「いくでござる!」


「お菓子食べたい」


決まりだな…。


「それじゃ船に乗るか」


大津が用意した船に乗りチャコを目指す。

懐かしいな。

あのときはかなり荒れていたのに今じゃなにもなかったようになっていた。

思ったのだが島は残っているのだろうか?

嫌な予感がする。


「島がなかったらおもしろいな…」


「それ、全然笑えないから!」


「島…! 見えるよ…!」


すると島が見えてきた。

港に船が止まっている。


「おいどうする? 敵かもしれないぜ?」


「いや、大丈夫だろう」


大津はやけに自信満々にそう言った。


ちょっと歩くと司令塔が見えてきた。

近くに人影が見える。


「みんなおひさーっ! ホカだよー?覚えてるかなっ!」


「メクです! お久しぶりっ! ですわっ!」


なんだコイツらだったのか。

これで本当にあのとき最後まで残ったメンバーが集まった。


「それにしてもここもっと荒れてたよな? 誰が掃除したんだろうな?」


「さぁ?」


「掃除する手間が省ける…ありがたい…」


サクッ!


レベッカがおいしい棒を食べ始めた。

持ってたんかい!


「まずは建物作らないとな」


「そうですね」


「ちょっといいかなーっ!」


ホカのロボがくるのか?!


「いでよっ! ケルベロスーっ!」


ケルベロス?! 

まだ現役なのか。

さすがにもう壊れてるかと思ったぞ。


「システム キドウ チュウ」


「「「「「「おお!」」」」」」 


「システム オール クリア。キドウ シマス」


そして動くケルベロス。

昔とかわらないな。

で、なんで起動させたんだ?


「なんで起動させたのよ?」


「建物作らせようかと思ってっ!」


「そんな機能昔なかったぞ…」


時間がたてばどこかかわってしまうのね…。


「ケルベロスっ! 宿泊できる建物を造りなさいっ!」


「えーやだよ。いきなりコキ使うのー?」


さっきまで片言だっただろ。

それはおかしいって。

なんでロボットが一番変わってんだよ…(笑)


「いいからつくれっー!」


「わかったよー…」


そういうとケルベロスは周辺の木や岩で家を建てはじめた。

確かにこれは便利だ。

ナイスだホカ!


「これ…どれくらいでできるの…?」


「そうだねー? 僕の頑張り次第だね!」


こいつ普通に喋らせるとうざいぞ…!


「気長に待つしかないのね」


そして2時間くらい経過した。


「おー! あと少しで完成しそうだな! 俺はもう野宿かと思ってたぜ」


「さすがケルベロス! やるじゃない!」


「あたりまえだよ。もっと褒めろよなー?」


まじでウザイ。

なんでこんな喋るようにしちゃったの…。


「今日はもう家ができたら寝るしかないねっ!」


「そうねっ! ですわっ!」


ま、もう遅い時間だしいいか。

明日はちょっと忙しくなるかもしれないな。

家が完成し、部屋を振り分け今日はみんな寝てしまった。


「辰真…おはよう…」


「おはよう…」


どうやら結構寝てたみたいだ。

赤城に起こされてしまった。


「みんなは?」


「もう起きてるよ・・・」


「そうか」


「私はルーガと散歩行ってくる」


「気を付けろよー」


そして赤城は行ってしまった。

さて起きるか。


「お、起きたか」


「レムおはよう。早いな」


「まあな」


ほかのみんなはどこに?


「みんなは食材探し行ってるぜ」


「早く起こしてくれれば俺も行ったのに」


「いいんだよ!」


そしてみんなそろって朝食にした。


「それで、今後について話すとしますか」


「リリーは米国に復讐よりも子供の国を造るのを優先したほうがいいと思うわ」


「あたしもそう思う」


「じゃあ俺もだぜ」


「私も…」


「ホカもそーっ!」


「メクもーっ! ですわっ!」


「満場一致だな」


俺がそういうとみんな安心したように見えた。


「それはいいとしてまずは何からはじめたらいいんだ? ここだとほとんどなにもないから行動するにも…なぁ?」


「それなんだけど全然問題ない」


「なんでだ?」


「UAEに協力を頼んである。だからまたこの島でやり直そうと思うんだ」


するとみんな賛成のようだった。

改めてみんなの顔をみると

昔と全然顔つきが違うなー。

昔はもっと幼い顔つきだった(大津を除く)のにな。

なんでかそれがうれしくもあり、かなしくもある。

この長い付き合い、大切にしていきたいな。

今後こんなに仲良くなる人達なんていないだろうからな。

自慢のできる友人たちがいることがどんなに幸せなことか。


「それで? 子供はどうするの? 今派手に動くとあっという間にやられて終わりだけど?」


それなんだよな…。

場所はあっても人がいなければ物もない。

今チャコ復活! 

なんてやったら間違いなく自殺行為だ。

ここは慎重にいかないと。


「私個人のことなんだけど、しばらくは行動しなくていいと思う。急いで行動して失敗でもしたら意味ないし。だったら確定づけるなにかが出てくるまではここでなんとか暮らすのが無難だと思うわ」


みんな悩んだ。

だがリリーの言い分が正しいという判断になりここでしばらくはくらすことになった。


みんな今だけは子供のように遊んでいる。

赤城は猫と。

リリーはレベッカと話し、ホカとメクはケルベロスで遊んでいる。

エルはと大津は話している。

俺だけ孤立したな。


そしてみんなで思いで話しをすることになった。


「私は辰真と射爆場で射撃練習したことある…」


「あのとき許可したやつか? なんだたったそれだけのことで使ったのか。もっとなにかすごいことするのかと思ってた」


「リリーだって辰真といろんなところにいったわ。映画だって見に行ったわよ?」


「辰真…本当?」


「その通りでございます」


しばらくはそんな話しが続いた。

しかし長くは続かない。


「本当にチャコが復活したら子供達は来るかしら…?」


「それはやってみねーとわかんないな」


「強制じゃない…。来る来ないも自由…」


同じようなことばかり話してしまう。


「そういえばケーシーっていたよね? あの人結局どうなったんだ?」


「わからないな…生きてるなら吹きこんで操り人形にできるんだけどな」


「操り人形でござるか…」


「実は明日は日本へ買い物に行こうと思う。さすがにここ、物がなさすぎる。全員だと多いからお留守番組とわかれよう」


「ホカとメクはお留守番でいいでーすっ!」


「ですわっ!」


で結局。

俺と赤城、リリーで買い物にいくことになった。

まあ楽しみではある。


そして買い物当日。

ケルベロスがおかしくなっていた。


「おれ!@::@@;@;plpklplpl」


大丈夫なのかこれ。

ケルベロスもいい歳なのかな。


そして日本へと向かった。


食材をごっそり買う。


「欲しいものは今のうちに入れとけよー」


そしてかごいっぱいのものをレジに運ぶ。

これでよしっと。

なんか俺らなにやってんだろう。


家族みたいだな。

まるでそのよう。


そして島へと帰る。


「食材確保しましたー」


「よくやった。それでなにか進展はあったか?」


「進展? なんのです?」


「いやないならいい」


変なの。

暇すぎて頭おかしくなったか?


そして夜。

俺は夢をみた。


「うわあああああああああああああああああ!!」


「ああああああああああああああああ!!」


「暑い…暑い…!!」


みんなが炎に包まれていた。

俺は一人なんともなかった。

ただ夢なんだとは一瞬でわかった。


そして夢は切り替わる。


「あの手間ですが俺に銃の扱いを教えてくれませんか?」


「そんなこと? オーケーオーケー!」


「それにしてもキミまだ若いよね。いくつ?」


「15歳です。自分でも頭おかしいと思います。ちょっと前までは普通の中学生だったんです。でも子供だけの世界を造りたいと思ってからはこんなことになってしまいました」


「本当、頭おかしいよキミ。でもそういうの嫌いじゃない。ただ覚悟が甘いと思うな。確かにキミは自分の欲望を叶えていてとても人間らしいよ。でもね先のことも考えておかないといけない。予想を上回ることが起きたとき、キミは一体どうするのか。こんな話しはいいか!」


「それでいいか? 拳銃の撃ち方は両手でグリップすることで安定し命中精度が高まる。片手撃ちは初心者に向かないと思う。最初に右手でグリップし、右親指を上げて左手が入るスペースを確保。左手の掌低をグリップに密着させ、右手と同様に左手も可能な限りフレームの上の方をグリップしろ。左手の人差し指はトリガーガードの下に押し付けられる。トリガーガードの先端にチェッカリングが用意されている場合は、左人差し指を掛けるのも一つの方法だ。軽く前傾姿勢で体重の重心は前だ。撃つときはセーフティを解除しろよ! それと撃つ瞬間まではトリガーに指をかけないようにな」


「こればかりは使っていくしかないですね。一度に言われてもよくわかりませんし…セーフティにトリガー…覚えておきますね。それとリロードなんですが…」


「リロードは右手の中指、薬指、小指をグリップの前面に置き、親指でマガジンキャッチをするが戦争なんかは焦ったりしてマガジンなんてポイッとすることもある。人差し指はトリガーガード内に入れず、フレームの上に。腰のベルトに予備マガジンを固定するなら左手の掌をマガジンボトムに押し付けてマガジンをしっかり握り、人差し指をマガジンの前面、或いはマガジンが短い場合は弾頭に人差し指を置く。これで目視せずにマガジンの向きが認識できる。より確実に銃にマガジンを叩き込めるぜ」


「それじゃ、俺は準備があるからまたあとでな!」


これは黒人の方はわからないがもう一人は大津だ。

俺は大津の過去を夢でみているのか?


「2人とも聞いてほしい。俺はこれから革命を起こす。子供だけの世界、国を造るんだ」


「笹弥…? なに言ってるの?」


「よくわからない冗談を言うようになったのか? でもそれ、ちっとも笑えないぞ?」


この2人!

海軍と空軍の指揮官だ!

この3人は最初から一緒だったのか?!


「意味わかんないよな。でもいいんだ。2人とも、今までありがとう」


「大津笹弥。あなたを銃刀法違反および反逆罪で身柄を拘束します」


なんだ? 

この黒ずくめ…?


「どういうことよ!」


「どうやら茶番じゃないことだけはわかったぜ…!」


「で、どうすんだこれ? あいつらあきらかに政府関係者だぞ」


「とりあえず逃げるしかないでしょ? 笹弥? こっち港方面だけどいいの?!」


「港に船があるからそれで逃げる! っていうかなんでお前たちまで逃げてんの?! 追われてるのは俺なんだから一緒に走る必要もないぞ!」


「あの2人も仲間かっ?! 捕まえろ!」


なるほど。

そういうことか。


「それで船には誰がいるんだ?!」


「あー仲間だよ。雇った兵士がいるんだ」


「雇った兵士って…笹弥がおかしくなっちゃった…(泣)」


「どれが大津の船だ?」


「確かロビンがいるはずだけど…」


「…? ロ、ロビン…?」


「ロビンー! 早く出発だ! 追手が来てる!」


「なんだって? すぐ出港だ。早く乗れ!」


「ハァ…ハァ…なんとか捕まらずにすんだ…」


「これからは気を付けたほうがいいな。それで? この2人は?」


「俺の友人。女の方が新井で男の方が柴田っていうんだ」


「そうか。で? この2人はどうすんだ?」


「戻るわけにもいかないしそれに、一緒に逃げてきちゃったから仲間だと思われてる。連れていくしかない。いいよな? 2人とも?」


「そうするしかないみたいだからな。俺は平気だ」


「戻れないってどれくらい…? 家族は?! そんなー…」


「本当にすまん。不注意だった。でももう情報が渡ってるらしい」


「いいか? 島についたら一番安全な場所に2人を案内するから俺が行くまで勝手な行動はやめてくれよ?」


「わーってるって」


「え? なにがはじまるのよ?」


「下手したら戦争が始まる」


「おい! 島についたぞ!」


「俺はやることがあるからロビン! 2人を頼む!」


「任せとけ!」


「俺が大津笹弥です! こんな俺のために力を貸してくれて感謝しています! 俺がなぜこんなことをするかというと話は長くなりますが大人のいない国、大人のいない世界を想像したところから始まりました。大人がいないので言いなりにならなくていい。大人がいないので縛られることもない。子供は大人のオモチャじゃない! だからこそ今造りましょう! 俺達の手で! 子供だけの国を! 世界を!」


過去がだんだんわかってきたぞ…!


「あの2人は?」


「平気だ!」


「ロビンはどこ担当なんだ?」


「あんたの護衛さ!」


「心強い」


「この度は誠に申し訳ありません。私ども、家族の責任です。私はこれをもって議員を辞職することを決めました。今まで本当にありがとうございました」


大津の親…議員だったのか。


「全艦隊に告ぐ。攻撃は相手からしてきた場合に限る。繰り返す。攻撃は相手からしてきた場合に限る!」


「大津! 日本の船が見え始めたようだ!」


「よし。まず敵意がないことを示すんだ」


「これはこれはお招き感謝します。早河といいます」


「大津です。それでなんでしょう?」


「単刀直入に言います。ただちに武装を解除しなさい。そして投降してください。さもないと今想像していることが起きてしまうかもしれませんよ?」


「ここまでやってきてそんなことできるわけないじゃないですか。武装は解除しませんし投降もしません。俺達はいかなるときにも備えをしているのでどうぞご自由に」


「そうですか」


「大変だ! 大津! 日本が、日本が攻めてきやがった…!」


「なんだとッ!?」


日本と戦ったのか…!


「日本は密かに潜水艦で近寄って上陸をしてきているらしい! 大津! もうやるしかねえ!」


「で、でも…。」


「シャキッとしろ! これは遊びじゃない! 自分の命がかかってるんだ! 覚悟を決めたんじゃないのか?! お前がリーダーだろ! 指示を出せ!!」


「日本が攻撃をしてきたっ! 総員、攻撃を開始せよ!」


「くっそ…!」


「大津! 今は平気だがこれ以上はもたないぞ! チャコの兵隊は3万はいるが奇襲を受けたために俺達はちゃんと機能していない! どうすんだ?!」


「おい! 大津! お前の父親という男から連絡が入ってるぞ!」


「父さん…!?」


「笹弥か? 今首相に話せと言われて連絡した! いいか? 日本の要求を呑め! 日本はその島を認めるかわりに日本のもしものときのためにいつでも動ける部隊としていてくれるなら攻撃をすぐにやめるようだ! それだけじゃない!支援もするらしい! こんないい話しはないだろう?!」


「わかったよ…」


「よし! わかった!」


「それでいいのか? 日本の言いなりになったら大人に縛られるのと同じだぞ!」


「すまない…。でもこうすることで戦争を止めることができた!」


「それは逃げだ! 次は日本じゃなく違う国が襲ってくるかもしれないんだぞ! どうすんだ?」


「……」


「笹弥?! 大丈夫?」


「大津? 大丈夫か?」


「おう。大丈夫だ。もう、日本に帰れるぞ。よかったな」


「悪いけど俺は帰らねえ。状況はよくわかってないがお前の力になるって決めた。だからここで一緒に戦ってやるよ!」


「私も! 不安とかはあるけど友達が困っているのなら助けたい! 私たち、なにをすればいい?」


「お前ら…。」


「3人ともちょっといいか?」


「稽古つけてやる。こい!」


「メンテは実は難しくてな。各自分解して掃除すればいいのさ。ちゃんと部品はどこのか覚えておけよ」


「お前ら射撃経験あるだろ?」


「なんか思ってた以上に難しくないわね。これ本物よね?」


「俺もだ。なんでだろうな?」


「俺はさっきロビンから拳銃の扱い方を教えてもらったからそれを応用したんだけど…」


「ま、まあセンスの問題だからな…! (やべーよ! 俺なんて軍に入ったばっかのときこんなうまくいかなかったぞー!)」


「うわあああああああ!」


「どうしたー?」


「た、大変だ…。い、今起こったことをありのまま話すぜ…? 俺達はロビンに『たまにでいいからメンテナンスしろよー?』と言われたから俺はメンテナンスをしていた。そしたら部品の一つが入りきらないまま完成してしまった…。なにを言ってるかわからないと思うが…。ま、ようするに。この部品はどこのだ?」


「だからロビンが言ってたでしょ? ちゃんとどこの部品か覚えておけって! あたしはちゃんと覚えてたからできちゃった」


「部品の一個くらい、平気だよな?」


「あなたが大津さんですかっ! はじめましてっ! はじめまして? はじめましてだよね…? 開発部のホカといいますっ! 今更ながら挨拶しにきましたっ!」


「続いてはじめまして?! 同じく開発部のメクですっ! 以後、お見知りおきをっ! ですわっ!」


この2人も最初からいたのか…。


「そんな大津さんに相談がっ!」


「な、なんとぉーっ! 開発の経費は関係なく思う存分やってくれというのは本当ですかっ! ですわっ!」


「ああ、本当だ。日本からの支援もあるし俺の手持ちもあるし、いい開発を心掛けてくれ」


「「やっほーいっ!」」


「あ、父さんだけど…」


「えあ、どうも…」



「…なに?」


「ああ。日本はやっぱりチャコへの支援に関しては表にはださないらしくてそれを伝えるだけだ」


「そう…。ありがと」


『手紙での通達、失礼する。

我が米での対応はまだ決まっていませんが、我々からみてもただの武装集団。

とても国とは呼び難い。

そこで、一体どういった国なのかお聞かせ願いたい。』


『わざわざありがとうございます。

この国、チャコは子供のための国であります。

なので大人は出入り禁止(例外あり)。

子供難民から大人が嫌いな子供まで。

子供なら受け入れる国であります。

決してただの武装集団なんかではありません』


「はい…?」


「米大統領ですが…」


「返事を待っていられなかったので電話しました。番号探すの大変でしたよ…」


「それはすみません…」


「それで手紙のことなんですが、あなた方がなんであろうとやはりそのままにしておくことはできないという結論にいたりましてね…」


「はい…」


「どうしますか? このままでは衝突は回避できませんよ? 投降しませんか?」


「それはできません。俺達も信念がありますから」


「なるほど。それでは駆逐させていただきます。それでは」


「米国が来るぞ! 日本のときのようにはいかない! 心してかかれ!」


「まったく次から次へと…。それで大津? 俺達はどこに行くんだ?」


「総員、警戒態勢に移行! 相手は米国! 容赦するな!」


「全艦抜錨! ただちに戦闘準備に移行。見つけ次第攻撃!」


「だめ! 数が多い! 落としきれない! それに艦隊の殴り合いで手いっぱいよ!」


「柴田! 攻撃機をありったけだすしかない! 早く!」


「わかったって!」


「…おい、大津…絶対、絶対…子供もための国を造ってくれよな…もしだめだったら…あの世で呪う…ぞ」


「ああ! 絶対に造る! 約束だ!!」


そしてロビンは息をひきとった。


「「「ロビンーっ!」」」


「やりますねえー。いや大したものだよ。君たちの熱意には負けたよ。それで我々は君たちにはなにもしないと決めた。国として認めはしないし、かといって攻撃もしない。これから頑張りたまえ」


「新井、柴田。これから子供をここに住まわせるぞ。もちろん希望者だ。誘拐などは一切しない!」


「人工。多くなってきたわね」


「そうだな。ここで戦争が起こったなんてとても信じらんねーよ」


「でもこれからもっと繁栄していくぞ。今度は外だけじゃなく中を中心にやっていかないとな」


「ちょっと開発室来てくれない? いいものみせるかさっ!」


「これねー? UAVっていって無人飛行できる航空機だよっ! すごいでしょ?でね、これを飛ばして常にこの国周辺を監視するのはどうかなっ? それだけじゃないよー? 国内の安全だって監視できちゃうっ!」


「それはいいな。さっそく飛ばすか」


「あいあいさーっ!」


「ところで、どう造ったの?」


「内緒でーすっ!」


「米兵の生き残りがいたみたいで女の子が人質にされてる!」


「急いでいくぞ!!」


「やめろ! こんなことしてなんになる? それにその子は関係ないだろ? 離せ!」


「知ったことかー! 俺は…俺は! 生きて帰るんだぁー!」


ここで目が覚める。

なるほど。

よくわからないが大津の過去がわかったぞ。

でもなぜ俺はこんな夢を見たのだろうか?

恐らくこれはこのチャコで起きた過去の記録ストーリーだ。

大津の身で体験したものを俺は夢の中で体験した。

もちろんすべてを見たわけじゃないが…。

これは大津と2人で話すべきかそれともみんなの居る前で話すべきか。

この話は大津は嫌な顔をするかもしれない。

だが話しておくべきことだと思った。


「みんなで話すべきだよな…」


俺はみんなを呼び、話すことにした。


「みんな、急に悪いな。だが俺は不思議な体験をした。夢で大津の過去を知ったんだ」


するとみんなは反応に困った顔をした。


「…おいおい、寝ぼけてるのか? レム様もそんな話を聞くほど暇じゃないぜ?」


「…辰真…変…」


「ちょっと辰真? あなた寝ぼけてるの?」


それはそうだよな。

朝起きて呼び出されたと思ったら夢で過去を見ただなんて。

俺でもおかしいと思う。


「いや、俺はちょっと気になるかな。それで一体なにをみたのかな?」


「この島ができるまで。それとできた後のこと」


「ほう。で、なにが聞きたい?」


「別に深くは聞くつもりはない。でも気になることだけ。大津の父親は今、どうしてるんだ?」


過去ではかなりの重要人物に思えた。

なのにこれまで聞いたこともなければ会ったことさえない。


「どうやら本当に過去を見たようだね。俺の親父はまだ健在だと思うよ。チャコと日本との連絡役。それも俺だけと限定の。でも今じゃどうしてるのかわからない。チャコ崩壊後は1度も連絡を取っていない。まあ、今のチャコをみればわかるとおり生存者はいないというのが世界の認識だから今更って感じだけどな」


「なんでそれを黙っていたんだ…?」


「誰も聞いてこなかったし必要な情報とも思わなかったからね。それにほんの一部しかこのことは知りえないことだから」


「それともう1つ。空軍と海軍の司令2人のこと。この2人のことは教えてくれてもよかったんじゃないか? 友達…なんだろ?」


みんなは驚いた顔をして話を聞いている。


「確かにあの2人は大切な友達だ。今では紹介しておくべきだったと思っている。後悔しても遅いが…でも俺は2人を信じていた! 信じていたからこそそれぞれの軍を任せていたんだ。でもそれは違った。もっと連携を取るべきだった。今2人はどうしているかわからない。もうこの世にいないのかもしれない。探そうにも情報がこれっぽっちもない。俺達もこんな状態じゃどうにもできないからね…」


「2人…無事だといいが。でも大津。隠し事が多すぎる。そんなに俺達は信用なんない存在なのか?」


「そうじゃないんだ…。本当に隠そうとしていたわけじゃないんだ! もちろん君たちを信頼している。でも、こんなことになるなんて…。バカだよな…」


「なかなかに複雑な事情でござるな…」


「リリーが思うにこんな話をしていても意味ないわ。もっと前にするべきだったわね」


そのあと俺達は個々でいろいろと考えた。

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