Re:dialogue -Escape-



『Dialogue September - 23 - 2015 at the Child welfare center.』





「事務長! 事務長っ!」

「何だ何だ、落ち着きなさい。どうしたんだこんな夜中に。何かあったのか」

「先ほど宿舎棟を回っていたのですが、207号室の扉が空いていまして……!」

「207? まさか……誰か居なくなったのか!?」

「御殿山拓磨くんが見当たりません! もしやと思い裏門に走ったところ、錠が内側から外されていて……」

「……なんてことだ。このタイミングで、どうして……あんなに大人しい子だったのに……」

「やはり、あの手紙の件が──」

「事務長! 宿舎棟一階の管理室のドアが空いています!」

「なに!?」

「物色の形跡があります! 数万の手持ち金を管理していた封筒が破かれていたのと、ここに届いた手紙を入れてある封筒も引き裂かれていて……。数えてみたら一枚、足りません! もしも敷地内に泥棒がいたら……!」

「ど、どうしましょう……!」

「いいか、落ち着くんだ。とにかく本人に話を聞かねばならないが、我々職員だけでは探すには数が足らん。警察に捜索を依頼しよう。おい、電話を取ってくれ!」

「はい!」

「僕が今から連絡をする。君は207号室の子たちに事情を聞いてきなさい。同じ部屋の子供たちなら、何かしら動機や行先を知っているかもしれん」

「分かりました!」


──「もしもし、警察ですか? あのですね、子供が一名、行方不明になってしまいまして……捜索していただけませんか? お願いします!」



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る