輪廻転生の話

てとら

勇者ヘルギとシグルーン姫の話

 シグルーン姫は見目麗しい王女で、フンディング王との結婚が決まっていた。 

 そのころ、遠征でやって来た隣国のヘルギ王子が寂しげに森を散歩するシグルーンに目を留めて近づいていった。

「私はノルウェーからやってきたヘルギです。いったい何をそんなに落胆しておいでですか」

 シグルーンは一目でヘルギに心を奪われた様子で、頬を赤らめながら答えた。

「じつは、フンディング王と結婚を定められて困っています。あの方は乱暴だし、嫌いです。あなたが彼の者を殺してくれたら、私は嫁がずに済みますものを」

 それを聞いてヘルギは頭に血が上った。

「許せません。一刻も早くフンディング王から、あなたを奪って見せましょう」

 

 ヘルギはフンディング王の城に赴き、決闘を申し込んだ。


 ヘルギとシグルーンは、フンディング王を倒した後、強い絆で結ばれた。 

 その後も何度転生しても、ヘルギはシグルーンと必ず結ばれた。

 なぜならば、シグルーンは偉大なるオーディンの娘で、ワルキューレだったからである。

 そしてヘルギはオーディンの子孫で半神半人の英雄として、人々から崇められた。


 [アイスランドのサガ・フンディング殺しのヘルギ]から。

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輪廻転生の話 てとら @diary_note_2010

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