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 次の日。木曜日は、家に瑠夏の友達が集まった。金曜日。友達の家に遊びに行く瑠夏に鍵を持たせて、Anuenueに向かった。夏休みの間はほとんど来れない。手伝うなら九月からにしたいと伝えた。時給は千円。時間は九時から十七時まで。休憩は一時間。土日祝、学校行事や病院の日はもちろん休んでほしい。慧くんの声を聴きながら他のことを考えていた。オーナーとパート、それだけの関係になってしまうのだろうか。それより。私が来れなかったら、近所の主婦や女の子を雇うのだろうか。絶対に嫌だ。

「彼女は、仕事してるの?」

「俺、彼女の話なんかしたっけ。いねーよ」

「LINE教えるときにした」

「勘違いだべ」

 突然、慧くんが微笑んだ。

「彼女はいないし、アイが好きなんだ」

「……好きって、どんな意味で?」

 二十歳で結婚したこと。子供はいないこと。結婚してすぐに、近所のモータースから車を盗んで捕まったこと。懲役中に離婚したこと。二十二歳で出所して、二十四歳の時に知り合ったシングルマザーと一緒に暮らし始めた。知り合いのバイク屋に勤めながら父親のバイク屋を手伝っていた。その彼女と三年前に別れた。慧くんの話は続き、とても慧くんが好きだと気付いた。

 十五年間も一緒に暮らしていたシングルマザーのこと、同居していたという娘のことが気になった。慧くんのLINEのタイムラインにコメントしている女の子がそうだと思ったけれど、訊けなかった。

「あたしはバツ2だよ。ルナは前の前のダンナの子供」そう言って、瑠夏の父親について少し話した。

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