'umikūmākahi、ウミクーマーカヒ。ハワイの言葉で10と1の意味。

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 海の底まで見渡せるような透明度。ラジオDJが各浜の波や気象情報を伝えていた。週末の午前中。瑠夏は近所の友達の家に遊びに行っていた。もうすぐ正午だ。空腹だったけれど、起きてから何も食べていない。調理する気になれない。冷蔵庫の中には数種類の調味料と飲料、コーンの缶詰、レタスしか入っていなかった。何か買いに行く気にもなれないが、瑠夏の昼食の用意をしなければならない。私だけだったらコーンとレタスのサラダを食べていた。

 取り敢えず、昨晩からそのままの汚れた食器を洗った。ママは本当に面倒くさがりだね、と瑠夏は言う。これがママの病気の症状だと説明する気にもなれない。自分でもだらしがないと思っているからだ。

 何とかスーパーに行き春雨と玉子とブロッコリースプラウトと缶チューハイを買った。なるべく洗い物を出さなくて済むメニューに偏ってしまう。お昼はかき玉とワカメたっぷりの春雨スープ……。買い貯めすると家から出なくなってしまうし酒を飲み過ぎてしまうので、一日分しか買わないようにしている。

 昨日は瑠夏と一緒にフレンチトーストを作った。瑠夏は、指示すれば簡単な調理が出来る。食器を洗ってもらうことも、バスルームを洗ってもらうことも、掃除機をかけてもらうこともある。瑠夏が家事を覚えれば覚える程、娘を誇らしく思う気持ちと自分の無意味さが増した。 

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