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大きな封筒の中には退職手続き関連の書類が入っていた。
前回の診察で、病院のソーシャルワーカーから自立支援と生活保護の話があった。ソーシャルワーカーが保健福祉センターに連絡してくれた。担当者の名前を教えてもらい、病院から保健福祉センターまで十五分程歩いて面会を求めた。私は生活保護を受ける決心をしていた。会社からの書類に対しては、何も考えないようにして記入した。でも送る気力がなかった。
数日後に営業所長から返送の依頼のメッセージが届いた。重い腰を上げて書類を郵送した。私は無職になる。
保健福祉センターの担当者との数回の面談の後に、生活保護の支給が決定された。
夕飯を終えて自分の部屋に氷の入ったグラスと缶チューハイを持ち込んで、一日振りにスマートフォンを手にする。退職のことと生活保護のことを和希に報告しようと思った。
ロック画面に二件のLINE新着メッセージの表示が出ている。表示をスライドすると二件とも慧くんからだった。屋上のヒカリメダカの画像と、「稚魚の大きさに個体差が出てきた?」というメッセージ。稚魚の二台の水槽を上から撮って返信した。五匹の十五ミリ程度のメダカが目立っている。その他の稚魚は十ミリ未満だった。
チューハイを飲みながら和希にメッセージを送っていると、LINEの新着通知が来た。慧くんからだ。十五ミリのメダカはビオトープに移す、ペットボトルでも良いから同じ水を入れて大きめの稚魚を移す、という内容だった。水槽を分けると餌の食べ残りが減って水質を保ちやすい、とあった。稚魚の頃は水を換えずに、産まれたときの水で飼育するそうだ。ペットボトルはないけれど、前に使っていたプラスチックの容器があった。
ai> 大きめの稚魚って何ミリくらい?
kei> 自分で分けれるか?
ai> 分かんない!
kei> 後で行ってやるよ
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