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「ハセガワケイって人、知ってる?」

 スマートフォンから顔を上げて和希が言う。そのついでにキューバの自由を。

「知らなーい」

「あたしたちの結婚式に来てくれてたんだけど、アイは二次会に来てないから覚えてないよね」

 和希と英くんの結婚式の直前に妊娠したことが分かった私は、瑠夏の父親と一緒に教会式と披露宴に出席した。三十歳のときだ。

「ヒデアキはその人の店にいるんだけど今から一緒に来るって」

「断わるー。近くの店ならショウくんの知り合いかも」

「だったら連れてくるわけないじゃん」


 ハセガワ。良くある姓かな。


「同業じゃないって。メダカとか売ってる店だよ」


 Anuenueだ。

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