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 朱里の頬骨と肋骨にひびが入った。やったのは朝くんだった。朝くんもまた、瑠夏の父親のようにDVを繰り返していた。ただ、瑠夏の父親よりも度胸があるのか、力が強いのか……。朱里が怪我をしたのはこれが初めてではなかった。

「どこ署?」

「どこって。何で? まだ勾留中だから接見禁止だよ」

「ちげえよ。殴りに行くの」

「ケイくんも捕まっちゃうからやめてよ」

 今後のため、と朱里は言った。今後何かあった時の証拠になるから、と言って、通っている大学病院の外科で診断書をもらって被害届を出した。朝くんは逮捕され勾留された。


juri> やなこと思い出させちゃったらゴメンだけど、ミノル? の時って、勾留されてるとき国選弁護士いらした?


ai> あたしからはノータッチだったけど弁護士ついてたよ


juri> (^_^;)ありがとう!


ai> ううん♡


 慧くんが朝くんにブチキレしていて仕事中もピリピリしていた。理沙ちゃんを引き取ってここで暮らせばいいから別れさせるとか、私たちもここに住めばいいとか、慧くんの話は飛躍したけれど朱里たちは別れなかった。「これが最後だよ、って話はしたの」完全に酔った声で電話をしてきた朱里が言った。子供たちも自分たちも誕生日が近い私たちは似ているのかもしれない。実は理沙ちゃんと瑠夏は二十分差で産まれたのだ。朱里と私は、月は違えど同じ乙女座だった。誕生日占いに信憑性は見出せないけれど、何故か頷けた。

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