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九月が終わる頃。少しは自信を持って仕事が出来るようになっていた。水槽の中から水草を取ったり、魚や貝を掬って、気体を充填して梱包する作業にも慣れてきた。仕事を始めると何故か家事をする回数が増えた。前より料理をする日が増えた。食器を良く洗うようになった。掃き掃除だけでなく、掃除機をかけることもあったし、拭き掃除をする回数も増えた。精神科で仕事を始めたことを話した。働けるようになったきっかけを先生に訊かれて、慧くんのことを話した。話すと、自分は結局、男に頼ってしか生きれない気がして、自分はとても小さくて消えてもいい存在に思えた。
「えー来たの⁉︎」
病院に行った次の日。瑠夏が男の子と一緒にAnuenueに来た。
「あたしが仕事の日は、誰とどこで遊ぶかメールしてって言ってるじゃん」
「ユースケくんが急に行って驚かそうって言うんだもん」
「今日だけだよ。今度はメールしてから来て」
「はーい」
優介くんのママは元同僚だった。新しい小学校の初めての授業参観の日、懇談会が終わってから声をかけられた。葉山に来たばかりで仕事を探していた私は相談に乗ってもらい、同じ会社に入社して営業をしていた。今のアパートにに引越したときに親子で手伝ってもらったり、先週末はヒカリメダカをもらってくれると言って取りに来てくれた。金魚の餌のサンプルを優介くんに渡す。優介くんの部屋には
「ルナちゃんのお父さん?」
「そうだよー」
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