'umikūmāwalu、ウミクーマーヴァル。ハワイの言葉で10と8の意味。

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 夏休み最後の水曜日。慧くんとみなとみらいに行った。瑠夏がとても喜んでいたので嬉しかった。瑠夏は、コスモワールドで遊んでから、ワールドポーターズの雑貨屋で好きなキャラクターのグッズを買ってもらった。慧くんが1Fのハワイアンジュエリーの店に連れて行ってくれた。左手の薬指のサイズを測り、グリーンゴールドのリングをオーダーした。パスタが食べたいと答えると、慧くんは「葉山に戻る」と言った。

「フルットで生パスタ食べたことある?」

 ない。Anuenueと同じ商店会のイタリアンだ。敷居が高くて今まで入ったことがなかった。

「ドリンクが付くランチが千五百円だから、そんなに高くないぞ」

 今からだとディナーだよ! でも美味しいパスタを一緒に食べたかった。本日のオススメのバーニャカウダと、生パスタと葉山牛のボロネーゼは本当に美味しくて、慧くんと葉山がもっと好きになった。慧くんも地元との繋がりを大切にしているんだな。「慧くんも」じゃない。「慧くんは」だ。


 夏休みが終わり、小学校の給食が始まった日、初めて店員としてAnuenueに出勤した。驚く程客が来なかった。生き物、生体を宅配する為の梱包を教わった。ペットショップがない町の客から、ネットの注文が相次いでいた。葉山にも、ここがなければ観賞魚を扱う店もペットショップもない。一軒、金魚の専門店があるだけだった。県内、又は都内であれば、今までお父さんが配達していたそうだ。これからは宅配便か、慧くんが配達することになる。私は二度と運転するつもりがない。運転イコール死だと感じていた。


 定休日もAnuenueのガレージで、慧くんとディスカスたちと過ごした。入院しているお父さんの病院にも行った。着替えを持って行き、洗濯物を持って帰って来た。お父さんは体が大きくて物静かな人だった。慧くんと顔が似ていた。

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