第4話 の が


 りす?


 りすとはきっとリス科リス目とかなんとかいうちっちゃな茶色い生き物のリスさんのことだろうか。口に餌を頬張る可愛い姿が印象的。SFっぽくいうなら、多分炭素とえいちつーおーで出来てるはずだ。ファンタジーで言うならば、それはきっと魔法で出来ている。


「なぜ」

「なぜ?」


 総務は僕の質問を質問で返してきた。


「え、何故?」

「うーんと、詳しくは依頼主から聞きましょう」

 とだけ言って、総務は歩き出した。


「え、どこに行くんです?」

「ついてきますか?水乃くん」


 総務はにやりと笑ってる。最初からそのつもりでしょうが。


「そりゃ、もちろん」

「じゃあ、ついてきてください」



      ******



 歩き出して、しばらくして、一旦立ち止まって、呟く。


「いつから、僕は何でも屋になったんだ……」


 いろんな少し不思議な依頼を受けて、なんだかんだ変な終わりを迎えていく。

 めんどくさいことは分かっている。

 だけど。

 それが僕ーー水乃真白の日常の退屈を紛らすための日常だから、仕方がない。






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