第4話 違いはなんですか?



       ******




 ここはどこか果てしない宇宙の中。さまざまな混沌こんとんが巡り混ざり、浮いては沈み、生まれては消えていく、そんな世界。


 星が輝いていた。誰に知られることもなく。これが最後の輝きだった。


「まぁ、人間と話せたことは最期にしては上出来な終わり方なのかもな」


 囁く《ささやく》ような独り言が空に消えていく。誰もその名残なごりを惜しまない。誰も知らない。



 ーーー誰も知らない沈黙を辿ってーーー



 中の核が最期燃え尽きて。星が爆発した。


 だけど、それを知るのは60億年後。もし人間がまだ息をしていたらだけど。



 キラキラに散った岩から、また新たなエネルギーが生まれ。新しい若い星が生まれるのは、また別のお話。

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