第4話 「徳川埋蔵金001」

「なあ、雪菜」


「ん?」


梅雨空けの空を見渡す私にどこかぶっきらぼうで神妙な声が聞こえた。

振り向くとこの世の終わりともいわんばかりのミアの顔が飛び込んでくる。

一体全体どうしたというのだ。こんな平和な休日に。


「ちょ、ちょっとどうしたの?」


普段ミアをあしらう私だがミアはいつもにやついているし世界改変者ということを

除けばただの明るい金髪女子だ、これだけ悲しげな顔をされたら放っておけるわけもない。


「うう・・・ま、ま」


「ママ?」


ミアにママ?母親がいたのか。確かに私はミアの何をしっているのだろう。

お菓子好きでおせっかい焼きなスーパー長生きな最強女の子、くらいだ。

涙ぐんでいる姿をみると悔しいが破壊的にかわいい。今すぐ抱きしめたい。


「ま、ま、まい・・・うう」


「まいう?」


まいう?とてつもなくおいしいお菓子を食べて感動したのか?

だとしたら私もそれ食べてみたい。


「ま、まい、まいぞ・・・ぐす」


「まいぞ??」


「ああああ!まいぞうきんっ!!どうしよう!!」


「えっ埋蔵金!?」



「徳川の埋蔵金って雪菜は知ってる?」

ミアは私が入れた上げた紅茶をちびちびと飲みながら聞く。

やはり可愛い。


「知ってるもなにも超有名な歴史上の謎の一つだよね」


卑弥呼の伝説に並ぶ謎の一つだろう。

かく言う私も小学生の頃、戦国時代というものに興味を持った時期があって調べたことがあったような気がする。

しかしミアと徳川埋蔵金になんの関係があるのだろう。

「確か群馬王国だっけ?なんとか山に埋まってるって噂だよ」


「そうなのか!?私が埋めたのは別の場所だが」


えっ、と思わず声が漏れてしまう。


「ミアが埋めたって?そんな冗談...」


「ほらこれ、埋めた時の写真だぞ」


ミアはどや顔で超最強世界改変ブックから1枚の写真取り出して私の顔に押し付ける。


「ええっ...ナニコレ...これもしかして隣にいるのって...」


「徳川の人!」


写真はどこかの山だろうか?森のような所にミアと1人のおっさんが立っていてミアはピースをしているというかなりカオスな写真である。徳川の人と思わしき人物はなんだかミアにびくびくしているようなぎこちない顔をしている。

カメラはこの頃あったのか?しかもこんなフルカラーで。

まあこの子に時の概念は通用しないのだからあまり不思議ではないが。

日常的に日常離れしているものを見すぎているせいか気にならない自分が恐ろしい。


「んん?」


ふと頭にある解決策が浮かぶ。


「埋めた場所がわからないって超最強世界改変ブック使えばいいんじゃん!例えば...埋蔵金が目の前にある!とかさ...」


「それができないからいってるんじゃん!ミアどうやらめちゃくちゃに改変したのかマントルに埋まってるんだよ」


「マ、マントル...」


徳川やらなんやらでスケールすら考えられなくなって思わず頭を抱える。


超最強世界改変ブックにも限界があってね、同じ事項について3回までしか変更が効かないの。埋めた場所は最初この写真の通り山ですぐに見つかっちゃってね。どうにかして~って徳川ちゃんに頼まれたからまた別の場所に改変させたんだけどまた見つかちゃって。また別の場所に改変したんだけどそれがマントルだったってわけさ」


もう割とわけが分からない。とりあえず一番気になっている素朴な疑問をぶつけることにした。


「ええっと...ミアと徳川家の関係って?」


「お団子たくさんくれたから当時色々協力してたね~戦は私が舵とってたし。特に家康ちゃんとは仲が良かったよぉ」


2%くらいは解決したので話を進めよう。


「じゃあ要するに埋蔵金についてはもう改変はできないしどうにかしようにもマントルに埋まってるから困ってるってこと...?」


「さっすがは雪菜!ものわかりがはやい!」


いや半分くらいはスケールがでかすぎてわかってはないのだが。


「しかしここからが本題でな」


ミアは再び真剣な顔つきをして続ける。

もう何を言われても驚いてたまるか。


「厄介なことに埋蔵金を狙ってる連中がいる」


「えっ」


それはまた驚きだった。


「ちと場所を変えるぞ雪菜」



To be continued→埋蔵金002に続く。











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控えめに言って、セカイは私でできている ぱりん @parin24

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