第3話 「物語の始まりとこのセカイ」

2048年現在、

日本は非先進形態都市オールドテイストとして一応このセカイで

国としてやっている。

今のセカイは飽和状態にあるのだ。科学力こそが人間の最大の力だと

言わんばかりに究極のに染まった建物達、徹底的に管理される人々、

日本はそこから手を引いた。

歴史をふまえればいい選択だった、と私は思う。

それのおかげで私は自分だけの家を持ち、住み、学校に通い、好きなものをつくり、

食べ、暮らせるからだ。

私が生まれるずっと前に起こった戦争デトリアの数々は、皆そので対立し

先進形態都市タイムアーキテクトへ無理やり移行したことによっての内戦、暴動、テロなどで自滅を遂げた国は少なくない。

当時に市民の生体情報やDNAマップ、思考管理までもを掲げた帝国主義的管理体制を敷こうとしたせいだ。

つまり「理想の人間のありかた」を突き詰めた結果、としか言いようがない。

だがその方法すらも人間ではなかったのだ、だからこそ確実に終わりを迎えた。

そんな歴史を日本はくんでいる。だからこそ唯一いまだ現存する国のひとつなのだろう。


そんな国の小さな一室で百ノ瀬雪菜はセカイを創っている。

ミアというこのセカイの特異点とも言える少女の到来によって雪菜の日常も

また特異点と化したのだ。それもある日突然。


今日もまたせこせことセカイを創っていく。


それは控えめに言っても、だった。

今日、ミアに渡されたシゴトは44件。


新しい生き物を1から創れだの、超最強世界改変ブックの掃除だの、何だの...

はたまたお気に入りのお菓子までも買ってこいと頼む始末。

はっきりいって女子高生には重荷だ。

そもそもこの超最強世界改変ブックは私にはよくわからない。人間サイズほどに大きい本なのだがページをめくると見えてくる微細で細かな文字達と図形ははっきり言って気持ち悪い。文字の大きさがまったくもって本の大きさにあっていないしこの本だけでセカイが構成されていると考えると少しゾッとした。


今日私が終わらせたオシゴトは1件。

「ふう」と一息をつくと私は駄菓子屋を後にした。




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