間奏 

disguising



幾つもの窓 

幾つもの暗がり

寒さに凍え 

引いてくれる腕の無い


たった一人で 

迎えた朝の光


あの人の静かな唇に かけた言葉は

柔らかく 愛をついば

まがい物の心に 

炎をともした


花の命は

たおれ ほふられ 翻って


与うる者の 

掛け値の無い真実まこと

隠しても 無くさず

色を潜めて 


生き得ることの形骸むなしさを歌う 

幼き者の心にだけ

濁った世界を 

描いて見せる


"こんなこと"は

もう終わりにしたいのに


痛ましきは 浅ましき

罪の禍根に なり果てて


彼らが紡いだ 健やかなる日々 

一人の想いに 儚くなりゆく


この暗がりから 空を見つめる


私はいま

泣いているのだ

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