第13話 奴隷少女は眠れない
ガラスの弾ける音が鳴る。雷鳴のように響くその音は屋敷中に響き渡った。
「またお前か! 今度は許さねぇぞ!」
戦慄で凍り付いた右頬を奴隷少女の雇い主の男が力任せに殴りつけた。
少女は吹き飛ばされて頭から石造りの壁にぶつかり、白目を剥いて意識を失った。
狙われた頬は青白く腫れあがり、鼻から鮮血が流れる。
こういったお仕置きは恒常的に行われ、奴隷たちの神経をすり減らしていた。
その夜、少女は復讐を誓った。
少女は雇い主の首に肉切り包丁を突き立て、脊髄から首までを貫く。
男は即死だった。
奴隷少女は雨の降る中、屋敷を飛び出して森の深淵へと消えていった。
十行小説~原稿用紙一枚のストーリー~ @RICK
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