第18話 複合異端怪異


 あの廃工場の後処理を完全に忘れていたことは失敗だった。

 元々あそこは篠の隠形結界によって常人が近寄ることの出来ない場所となっていた。だからこそ無数の死体も死霊の存在も外に知られることなく野放しにされていた。

 篠の能力は既に解除されてはいるが、あれからまだ日も浅い。誰かが見つけるより早くに口裂け女が根城にしたのだとしたら、今度は異臭や異常を感じ取った一般人が廃工場に足を踏み入れた瞬間にどうなるのかは、想像に難くない。

「…あ?テメェ、どうやってここを突き止めた」

 苛立った声音で、工場内にいた口裂け女は背中を向けたまま俺の存在を認める。

 ブチブチと右手に持った何かを噛み千切って咀嚼しながら、残った肉の塊を俺へ投げつける。

 首を傾けて躱すが、その塊から散った赤い液体まではそうもいかなかった。頬に掛かった鉄錆の臭いがする液体を手の甲で拭う。

「殺すだけじゃ、飽き足らなかったか人喰い」

 怯える幸を背後に庇いながら左手に持った漆黒の木刀を縦に振るう。二度目に飛来し、叩き砕いたのは頭骨だった。

「テメェらが普段喰ってる肉の元も、口が利けたらテメェらに同じこと言ってんだろうなァ。最高に笑えるぜオイ」

 人肉を飲み込んで、口の端から血液を垂らす口裂け女の半月の笑みが振り返る。

「なら今の内に笑えるだけ笑っとけ。すぐにできなくなる」

 幸の肩に回していた手に僅か力を込める。俺のサインを受け取って、幸は俺を見上げてゆっくりと頷き両目を閉じて淡く光り出す。

「ハッ。ただの調子づいた異能持ちのクソガキだと思っていたが、調子に乗るだけの理由があったってわけか」

 互いの距離は三十メートル程度。その距離を一瞬で埋める速度で細い刃が迫る。挙動が見えなかったが、手首のスナップだけで投げたらしい。

 三度目の攻撃、手術用のメスを木刀で折った破砕音が開幕のゴングとなる。

 初手から出し惜しみ無しの〝倍加〟全身体能力百二十倍。本来は徐々に引き上げることで肉体に馴染ませていく〝憑依〟だが、そんな悠長な構えでは早々に殺される。

 両手で強く握る木刀が人外を宿す俺の手に痺れと痛みを与える。対象を選べない破魔の力は自身にも相応のダメージを浸透させてきた。

 だがそれを差し引いた上でも性能は釣りが来るほど。

 続けて投擲された四つの鎌を躱し木刀の間合いへ潜り込む。既に口裂け女の両手にもそれぞれ鉈と包丁が握られていた。

「ヒヒャハ!」

「ふぅっ!」

 一呼吸の内に交わる五撃。強度で圧倒的に劣る口裂け女の武装はガラス細工のような容易さで砕け散る。

 だが、コイツは…。

「グゥラァ!!」

 木刀の脅威を正しく認識しているのか、素手での接触を善しとしない口裂け女は姿勢を大きく前のめりに落とし、四足の獣のような身軽さと挙動で木刀の軌跡を避ける。その上でさらに開いた五指での爪撃が振り回された。

 コイツは武器の有る無しに係わらず圧倒的な暴力を備えている。破魔の木刀が牽制になっているからいいものの、これが無ければ俺は素手の口裂け女にも勝てないだろう。

「いいモン持ってんじゃねェか、一丁前に気取ってやがんのもソレのおかげってかァ!?」

 回避ついでに落とされる縦回転を加えた強烈な踵落とし。ヤツの狙いは武器を握る両手。木刀さえ取り落とせば決着も同然、それは俺とて同感だ。

 だから絶対に手放さない。

 防御への引き戻しに間に合わなかった木刀はそのままに、あえて口裂け女の踵を肩で受ける。あまりの威力に関節が外れそうになるのを自覚しながら、受けた痛撃を好機と転ずる。

(五秒でいい。二百五十倍だ)

〝っ!〟

 瞬きの合間に相棒との伝心を経て、人外化した身体から捻り出す打撃が唸りを上げて暴威を巻き上げる。

「チィ!」

 大振りの踵落としによって晒した隙は大きい。前回との戦闘から俺の実力を見抜いた気でいるようだが、その判断は甘い。

 完全に虚を突いた、五秒の連撃その数三十二打。

 並の人外であれば七、八回は絶命しているであろうほどの連打に吹き飛ばされた口裂け女が工場の壁に頭から突っ込む。

(まだだ)

 自分自身と幸へ告げる。原型を残すつもりすら無かったというのに、まさかあれだけ破魔を受けて五体満足とは何事だ。

 吹き飛ばしてしまったのは間違いだ。殺したことを確認するまで油断は出来ない。

 それに、この木刀越しに感じた手応え。

「く、ヒッヒヒ。ちっとはヤるようになったか?」

 むくりと起き上がった口裂け女が不気味に嗤い立ち上がる。

 やはりか、ダメージが思ったほど通っていない。防がれた。

 口裂け女の右手には何故か怪我も無いのに隙間なく巻かれた白い包帯。その手が持つは分厚い刃の武器。連撃の間際に取り出していた、奴という都市伝説の性質には不釣合いな大太刀。

 あれをコートのどこに隠し持っていたのか。そして木刀の性能とかち合っておきながら折れず形を維持していることから、あの刀が他の小型の武器とは何かが違うことを物語る。

 日和さんの言葉が脳裏に蘇った。

「テメエの力じゃねえな」

 口裂け女は自らの存在を下地にして、違う何かを上乗せしているという話。それは時空のおっさんの追跡が途中から精密なものとなったこととも重なる。

 そして俺は知っている。ごく一部の人外が持っている性質を。

、他の都市伝説を。その力の本来の使い手を」

 同胞喰らい。取り入れた人外の力を自らのものに変換する異常と異端の変異体。極めて稀だがそういう存在もいる。その人外が持つ、人々から語られ畏れられてきた能力には当て嵌まらない、人ならざるものとして現出してから獲得した後天的な力。

 コイツは、それだ。

「他の都市伝説を殺して回っているのもそれが理由か」

「フン。あの雑魚から聞いたか?」

 ゆらりと持ち上げた大太刀の切っ先をこちらに向け、まるで指揮棒のようにゆっくり左右に振るう挙動の意図が読めない。

 だがそれも数瞬のこと。その挙動によって発生した現象に俺は怖気を覚えた。

「力の獲得なんざついでに過ぎねェよ。アタシの目的は『喰った』だけでもう終わってんだからな」

 工場に入った時点で確認していた六人分の肉塊。口裂け女の餌にされたせいか所々が欠損していた人体の欠片からシュルシュルと衣擦れのような音がして、やがてそれは粘質な音を立てながら起き上がった。

 馬鹿な。死骸が動くはずがない。

「だがまァ、喰い取った力も悪かねェ。なァオイ、テメェみたいなガキに『トンカラトン』は馴染みが無ェか?」

 蠢く人型はどこからか湧いた白い包帯が蛇のように纏わり付いて欠損部位を結合し補完されている。外見はほぼ包帯に覆われミイラ男のようだが、既に性別すら判別不可能な有様だ。

 死霊騒ぎが終わったと思えば…!

「死体を操る異能、いや都市伝説か!」

「正確にはちげーが、長々ご説明してやろうか?」

 不規則に揺れながら二本足で立つ包帯姿が六人。おそらくは口裂け女の力によって動かされているだろうそれらが襲い掛かってくることを警戒していたが、事はより悪い方へ進んだ。

「っ!? おい待て!」

 六人の『包帯姿トンカラトン』は足を引き摺り血反吐を吐きながら、それでも強引に引っ張られるように前傾姿勢で工場から出て行こうとする。

 ふざけるな。あんなもの一体とて外に出せるか。

「数にもの言わせて来ると思ったか?馬鹿が、そりゃ雑魚の戦法だ」

 優先順位が急速に変化していく事態に思考が追い付かなかった。咄嗟に工場の破壊されたシャッターから出て行くミイラ達を止めようと半身振り返った時、口裂け女の声がすぐ近くで聞こえた。

「アタシひとりに勝てないテメェに、んな回りくどいマネするわけねェーだろ!」

 ―――三百倍!!

 〝倍加〟を巡らせた上体を一気に反らせる。腰を痛める結果となったが首を裂かれるよりはマシだ。髪の毛先を分厚い大太刀の刃が千切り取る。

「何、するつもりだテメエ!」

「なァになんてことじゃねェ。お人好しのクソ馬鹿共が相手なら、こんなやり方もアリかもなって話さァ!」

 大太刀と木刀の打ち合いに怒声が交じり合う。

 口裂け女の強さは本物だ。都市伝説最古参でありながら同胞喰らいにより圧倒的な力をものにしている。

 なにより異常性を確信したのはその身体性能。

 口裂け女の脚が速いという話は俺もある程度は調べたので知っている。だがこの俊足は常軌を逸したものだ。〝倍加〟で強化された俺の遥か上を行っている。

 喰らって得た力なのなら、この地面を爆散させるほどの踏み込みを得る健脚は一体何に由来するものか。俺も全ての都市伝説を調べ上げたわけではないから分からない。あまりにも襲撃から調査までの時間が短すぎた。

 だが思い出したこともある。奴が口にしていた『トンカラトン』のことだ。

 昔に流行った怪談都市伝説の一つ。それは夕暮れ時に自転車に乗って現れる、日本刀を背負った包帯姿の怪異。遭遇した者はその刀で斬り殺され『トンカラトン』にされるというもの。この怪異はそうやって仲間を増やすのだという。

 喰らった存在の力を利用しているのならこれに該当する特徴はあった。日本刀、動く包帯姿の死体。間違いない。

「奴らに人を襲わせて下僕を増やす気か!?」

 爆速で背後を取られる。身を伏せ横薙ぎを回避し後ろ回し蹴りを放つが後退により空振りに終わる。

「ヒャッハハァ。ガキらしい考え方だ。だが違う、そもそもあの死骸共にそんな力はねェよ。『トンカラトン』は自らの手で斬り殺した生物にしか力を発現させられねェ。それにたった六体で何が出来る?」

 なら何を、と言い掛けて止まる。

 『自らの手で斬り殺した』。

 『たったで』。

 篠は言っていた。この女は平然と街中を闊歩していたと。

 何の為に?何をする為に?

 あるいは何の細工をする為にだ?

 もしこの女が言っていた通りの性能を刀が宿しているのなら。その範囲は人だけに及ばない。

「犬でも猫でも鴉でも鳩でも、なんならダニでもハエでもバッタだっていい。生きてりゃ、斬り殺しさえすりゃァ、ソイツはもう『トンカラトン』だ」

 噛み締めた奥歯が不愉快な音を耳に伝える。

 この野郎は。

「―――…何体、作りやがった…!!」

「頭悪ィからよ、百以上は数えられねんだ」

 ニィと裂けた口で嗤う人外に殺意が湧いた。

 三百倍の強化で得た筋力で地面を蹴り穿つ。爪先から巻き上げたアスファルトの破片は弾丸のように口裂け女へ殺到した。

 もちろんこんなものは奴にとって豆鉄砲も同じだ。だが僅かな間は稼げる。

 視界から外し、全力で疾駆する。目指すは外、工場の出口。

 口裂け女の相手は後回しだ。コイツの生み出した怪異の従僕を駆逐する。

「ヒヒ、ゆっくりしてけって」

 後頭部を掴まれたかと思えば次の瞬間には顔面から地面に叩きつけられていた。

 まただ。速過ぎる。

 人外という存在を抜きにして考えても初速からして異常だ。まるでジェットエンジンでも搭載してるんじゃないかと思うほどに、人型で成し得る常識を突破している。

「……、『ターボ婆』!」

「せェかい、よくお勉強してんな?」

 能力だけ積んでいると外見から判断つかないのが面倒な点だ。おかげで今にやってようやく力の大元がはっきりした。

 高速道路に現れる時速百五十キロを超える超速の人外なら、これだけの無茶苦茶も押し通せるのかもしれない。

 地面に減り込んだまま後ろ頭を押さえ付ける手の力は緩まない。頭蓋が軋む音が響く。

 速度でも勝てない。ならばどうする。

 足を潰すか、眼を狙うか。何にせよ真っ向から決着を付けるだけの時間は無い。この相手をしつつ外に散った人外を殲滅するのは無理がある。

 頭と同時に押さえられていた左手に力を込める。関節が外れてもいい、この状態から脱却しなければいつまで経っても事態は好転しない。

「あァ、あああ…ッ」

〝! …っ〟

 内側に宿る幸の制止が脳内に木霊する。心配させて申し訳ないとは思うが、止まるわけにはいかない。

 メキメキと悲鳴を上げる人体に構うことなく〝倍加〟を上げ続ける。数多の都市伝説を喰らった複合怪異と化した口裂け女とて上限は必ずある。対してこっちにはそれが無い。肉体の破壊を加味しなければ、の話ではあるが。

 首を捻じ曲げ、おそらくは血走っているであろう瞳で敵を見る。必ず殺すという意志を伝えるべく。

 だがその先に俺は不可思議なものを見た。

「あァ?」

 俺よりもずっと不思議そうに、口裂け女は耳元まで裂けた口からごぼりと血液を零れさせた。

 原因は明白だ。奴の胸元から生える刃。背中から突き刺された片刃が貫通している。

「んん?誰だ?」

 貫通創にも痛みや怒りを覚えることなく、純粋な疑問を抱えきょとんとする口裂け女が大太刀を振り回す。後方の地面をズタズタに引き裂いても尚、そこにいたはずの敵は影も形も存在しない。

「その御方に触れるな、下郎」

 姿は見えず、しかし憤怒を孕んだ冷徹な声だけが耳を打つ。口裂け女の顔がいきなり凹んだかと思えば身体ごと真横に弾け飛んだ。

「主様」

 解放された身を跳ね上げて復帰すると、工場の風景を遮って黒色の影が出現した。小柄な体躯に墨染めの装束。額の短い一本角が示す鬼の象徴。

「篠。助かった」

「いいえ。わたしの不遜な独断をお許しください」

 何のことかと思えば、おそらくは俺が自宅待機を命じていた件だろう。結局俺の言いつけを守らずここに馳せてしまったことを言っているらしいが、助けてもらった手前もうそれは不問にするしかない。

「主様、外の状況は?」

「ああ知ってる。急がないと一般人に被害が出る」

 篠の持つ〝隠形術〟は現代機器は元より異能を用いた感知でも捉えられない高性能ステルス。あの日和さんですら一晩掛けてようやく見つけ出したほどの術は、俺は当然として口裂け女すら察知することが出来なかった。まさしく暗殺に特化した存在と言える。

 だが正面きっての戦闘となれば門外漢だ。あの怪物を前にして立ち向かうべきではない。

「篠、頼みがある」

「承知しております」

 最後まで言う前に篠は口裂け女の血に濡れた白刃の短刀を正面に構える。

「この場で彼奴を縫い止めます。長くは稼げませんが、どうかそれまでに事態の収拾を」

 俺がしようとしていた提案とは逆の立場を篠は提言した。

 確かに篠は身体能力と自己治癒能力に秀でた鬼性種であり、そのポテンシャルは人間の俺より遥かに高い。

 けれど迷いもある。篠が惨殺されるようなことは絶対に避けたい。一抹でも残る懸念と不安をこの子に押し付けていいものか。

 そんな俺の逡巡を知ってか、篠は起き上がる口裂け女を用心深く視界に収めたまま口元だけで笑って見せる。

「我が隠形による撹乱であれば彼奴の真価を阻害しつつ足を止められるかと。…ご安心ください、ここで命を投げ打つような愚行は致しませんので」

「…そうか。無理はするな、命令だぞ」

「御意に」

 主従としての権限で念を押し、頷く篠から離れ今度こそ工場を飛び出る。




「ふゥん鬼ねえ。喰っても不味そうだし普通に殺すかァ?」

「口を開くな。貴様は臭くて堪らない」

「ヒヒャハ、ぉオーケーテメェは刻んで殺す」




     -----

「日和さん!」

『数は百五十二。初代の数よりちょっと多いくらいだよ』

 ワンコールで出てくれた日和さんの呑気な声と正確な情報。どうしてポケットなモンスターの総数で例えたのかはこの際聞かないでおく。

「出てもらえますかね!?」

『ああいいとも、他ならぬ君の頼みだ。多少の労苦は気にもならんね』

 外は既に日も落ちて宵闇が支配している。百五十二もの『トンカラトン』が街中で騒ぎを起こすにそう時間は掛からない。

「奴の狙いはわかりますか!恐怖を集めて自分を強化することとか!?」

 近くの建物を駆け上がって屋根に着地すると、空に感じる異質な気配。

 見上げれば赤黒い血の滲む包帯が巻かれた鴉が三羽、醜い鳴き声を上げて急降下してきた。

『喰らった人外の力を得ているのなら、その力で発生した人間からの畏怖も口裂け女に還元される。確かに強化はされるだろうね。まあそれも大したものにはならないだろうけど』

 携帯電話を握る片手は耳に添えたまま、左手の木刀で迫る三つの嘴を迎撃する。都市伝説の眷属は思いの外に弱い。破魔の木刀が強すぎるだけなのかもしれないが。

 それでもただの人間を殺すくらいならば十分な脅威だとも取れる。

 次を探して跳び、その最中にも電話の先で語る声は続く。

『この街には戦える人間があまりにも少ない。さして強くないとはいえど数は百以上。とても被害皆無で押さえられる状況とは思えないね。私をそっちに駆り出すのも狙いの一つかもしれない』

 口裂け女は一度日和さんに手酷くやられている。俺よりずっと警戒している彼女の動きを制限できれば口裂け女は自分の思う通りに動けるはず。

 問題はそれで何をしたいのかだが。

『本命はおそらく、その手段を引き摺り出すこと』

「手段?」

『そう。君がもっとも望む、「被害を出さずに事態を終えられる」手段。それを口裂け女は出させたがっている』

 なんだそれは。マジで何を考えているんだあのクソ女は。

「んなもんがあったらとっくに」

『あるんじゃない?だからこんな小細工を弄してまで現れるのを待っている。…違うかい?』

 最後の言葉は俺へ向けてのものではなかった。それは他ならぬ『彼』が溜息混じりに応じたから。

 ポケットに入れっぱなしだった朱色の鈴が鳴る。


『はぁーあ。なるほどそういうこと。無い頭捻ってやってくれたみたいだね、あの狂人は』


 屋根伝いに跳び回っていた俺のすぐ隣に、着流しらしきものを身に纏った、中年らしき男のような人影が現れる。

「アンタ…」

『やあ。どうやらここまでのようだよ、ちょっと腹を括らないとね』

 表情も朧げに映るその都市伝説は、どうやら苦い笑いを浮かべたように見えた。

 片手を突き出し、パチンと音高く指を打ち鳴らし、


 そして

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