「そんなことして、いいの?」と問う悪に、「悪いに決まっている」と応える善。正しいこと、悪いこと、様々な道徳観がこの世にあると思いますが……一体この物語で「悪いこと」「いいこと」とは何なんでしょうか。「悪いに決っている」とわかっているのに、してしまうことがある。人間の脆さや危うさ、理不尽さが詰まった、考えさせられる物語です。
ありふれた些細な事件。誰でも言いそうな短い言葉。静かで落ち着いた描写が、かえって心の奥の何かを呼び起こす。印象深い短編です。