台詞の前に発言者の名前が記載される脚本風のスタイルに、最初は少し戸惑いを覚えますが、慣れてさらさらと読み進められるようになればしめたもの。愛らしくたくましい少女達と、戦間期をモチーフにした空想科学ファンタジー調の世界観は、読んでいてとても居心地が良かったです。最終的には、どの子が好き!というより、アステル様素敵…という乙女な気持ちになりましたが、もしかして作者さんの計算通りなのでしょうか。
セリフの前にキャラ名を置く事で、地の文の情報量の削減が為されており、流れるような読み応えが心地良いです。小動物を思わせる忙しなさでちょこまか動き回るメイド達には、愛しさと庇護欲を誘われて。章を終える毎に、ほっこりとした充足感に包まれることでしょう。本作の随所でモチーフとなっている花々が、サブタイトルやプロットにまで活かされている点に、強いこだわりを感じさせる一品です。皆さんも是非どうぞ! ではまた。お疲れ様です。
まだ執筆中との事で、これからも執筆活動を頑張って下さい。メイドと言えばメイド喫茶のメイドを思い浮かべますが、これは時代設定が現代ではありません。会話文が主体となっているため、誰が話しているのかわかりやすくなっています。それとひらがなを活かした文体で綴られております。