第24話
ロンデルの王宮。
その地下の保管庫で私は如月雪葉は剣と槍が降る雨の中を駆け抜けていた。
時にかわし、時に刀で受け流し、徐々にリザベルとの距離の差を埋めていく。
『来るなあああああっ!!!!』
リザベルの叫びが部屋中に響き渡ると今度は地面から無数の刃が私を狙う。
「よ、と……」
だが、そんな攻撃もひらりと余裕で交わした私は尚も歩みを進めていく。
そして―――――
『来るなと―――――』
リザベルの書が埋め込まれていたガラス状の玉座が光を放った瞬間――――――
「言っているっ!!!!!!!」
―――――リザベルが人間体に変身して、両腕に装着したガトリング砲や複数の自動迎撃用のロボット兵を瞬時に想像し、バルカン砲やらで弾幕を張って来る。
「静葉!!」
「はいっ!」
私は背後からついて来た静葉と散開し、最寄りの柱に隠れると、制服のポケットからあるものを取り出し、リザベルの方へと放り投げた。
「!!!」
その放り投げた物を見て、リザベルは一瞬銃撃を躊躇した。
その瞬間を見逃さず、静葉が転移してロボット兵を切り裂き、リザベルのガトリング砲の銃身を切り落とした。
そして、逃げる間を与える事無く私は柱の影から飛び出すとリザベルの懐に入り込み、刀の切っ先をのど元に突き付けた。
「チェックメイト……」
そう勝利宣言を上げると、リザベルは悔しそうに表情を歪めるが、徐々にそれが悲嘆によるものに変わっていき――――――
「うぅ……うわあああああああん!!!!!!」
急に子供みたいに泣きじゃくり始めた。
「ちょっ、な、なに……!?」
突然の事で珍しく静葉が困惑している。
ちょっと笑いそうになったが、刀をそこら辺に投げ捨てると、私は優しくギュッとリザベルを抱き締め、よしよしと子供をあやすかのように頭を撫でてやった。
終焉神話の変革者《ラノベイター》 ミリス・ナリシア @mirisublack
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。終焉神話の変革者《ラノベイター》の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます