第23話

 あれはドラゴンを倒して一週間が経った時だった。


「私の目的ですか……?」


 私は学校の屋上でリザベルと一緒に昼食をとっている際、ふとそんな質問をしてみた。


「理由なんてないですよ!? 私はただマスターが魔法少女として素晴らしい才能を持っていると判断しただけです!」


 そうリザベルが言ってはいたが、腑に落ちない事があった。


 それはリザベルことリザベルの書がロストテクノロジーである事だ。


 ロストテクノロジーには基本使用する際に必ず”何か”代償を支払うように出来ている。


 その理由は、ロストテクノロジーがあまりにも現実の理解を超えた破壊力と非常識さを持っているからだ。

 ロストテクノロジーによっては、その気になれば竜巻や洪水などの自然災害を起こせるものもあれば、ありとあらゆるやまいを瞬時に治療できるものなど様々な用途を持つ。


 もちろん、リザベルの書もそうだ。


 だが、ドラゴンを倒してから一週間が経った今でも力の代償として私は何一つ失っていなかった。

 それどころか健康体そのものだ。

 

 これは明らかに可笑しい……。


 だからこそ、リザベルが私をマスターに選んだのは、と思ったのだ。


 その後も、魔法少女がどうだとかいつもみたいにはぐらかして来たが、その時だけは何かが違うように私は感じた。

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